注意障害の行動評価尺度として、BAAD(Behavioral Assessment of Attentional Disturbance)があります。今回、BAADの概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
注意障害の観察評価!BAADの概要と評価方法、結果の解釈!
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高次脳機能において注意機能はどの段階にあるのか
高次脳機能を考えた場合に、注意機能はどのような立ち位置にあるかをまずは考えていきます。
神経ピラミッドによると、前頭葉機能を基本とした高次脳機能を、土台(底辺)から順に
①神経疲労
②抑制と発動性
③注意力と集中力
④情報処理
⑤記憶
⑥論理的思考力と遂行機能
⑦自己の気づき
という階層的に分けており、より上の階層が働くためには、その下の階層がしっかり働いている必要があるということを示しています。
これに対応する高次脳機能障害としては、
②無気力・脱抑制
③注意・集中力の低下
④情報の処理が遅い、正確に把握できない、脈絡なし、断片的
⑤記憶低下
⑥遂行機能低下
⑦病識欠如
などが挙げられます。
注意機能は主に4つに分類することができます。
①sustained attention
持続してあるいは繰り返して行われる活動の間、 一定の反応行動を持続させる能力。
注意の維持機能を指します。
②selectiveattention
妨害的、拮抗的刺激を抑制し、標的目標に注意を集中して、行動や認知プロセスを維持させる能力。
選択的注意機能を指します。
③alternating attention
異なった認知課題を交互に行う際、刺激あるいは情報処理プロセスへの注意をシフトさせる能力。
注意の転換機能を指します。
④dividedattention
同時に2つ以上の課題に注意を向ける能力。
注意の配分機能を指します。
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BAAD(Behavioral Assessment of Attentional Disturbance)の概要と評価方法
BAADは6項目からなる注意障害の行動評価尺度です。
それぞれの問題行動の出現頻度をもとに、0~3の点数を合計点を算出(0~18点)します。
高点数となるほど注意障害が重症ということになります。
評価項目
1.活気がなく, ボーっとしている。
2.訓練中じっとしていられない, 多動で落ち着きがない。
3.訓練(動作)に集中できず, 容易に他のものに注意が逸れる。
4.動作のスピードが遅い。
5.同じことを2回以上指摘, 同じ誤りを2回以上犯す。
6.動作の安全性への配慮が不足, 安全確保ができていないのに動作を開始する。
評価点
0:全くみられない
1:時にみられる(観察される頻度としては1/2未満、観察されない方が多い)
2:しばしばみられる(観察される頻度としては1/2以上、観察される方が多い)
3:いつもみられる(毎日、毎回みられる)
*原則として、作業療法中の様子を作業療法士が観察評価を行います。
1回の観察場面だけではなく、1週間程度の観察を通して評価点をつけます。
妥当性と信頼性
◆Cronbach’s alfa coefficient:0.81
◆検者内信頼性(作業療法士が2回判定):級内相関係数 0.94(p=0.0001)
◆検者間信頼性(作業療法士と理学療法士の判定):級内相関係数 0.84(p=0.0001)
◆他の机上検査成績との相関係数 PASAT:─0.403(p=0.0001),TMT─A:0.465(p=0.0001) ◆Ponsfordらの行動評価尺度(RSAB)との相関係数 0.918(p=0.0001)豊倉 穣「注意障害の臨床」高次脳機能研究 第28巻第3号
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BAADの結果の解釈
合計点を算出(0~18点)し、高点数となるほど注意障害が重症ということになります。
BAADは、家族による評価者間の信頼性についても検討されています。
OT場面と家庭場面による評価合計点はほぼ一致し,級内相関係数も高値を示した.
つまりBAADは良好な検者間信頼性を有し,OT場面に限定せず家庭での行動観察からも注意障害に関して有用な情報が得られることを示唆している.豊倉 穣他「家族が家庭で行った注意障害の行動観察評価-BAAD (Behavioral Assessment of Attentioal Disturbance)の有用性に関する検討-」Jpn J Rehabil MedVOL. 46 NO. 52009
BAADにより評価するものとして、
BAADは高次の複雑な情報処理に関連した機能ではなく,低次の注意機能を反映するものと考えられている.
高次の情報処理ほどその背景にある認知機能も複雑となり,行為や行動の観察から注意機能の関与を見極めるのに専門知識が必要となる.豊倉 穣他「家族が家庭で行った注意障害の行動観察評価-BAAD (Behavioral Assessment of Attentioal Disturbance)の有用性に関する検討-」Jpn J Rehabil MedVOL. 46 NO. 52009
としています。
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転職サイト利用のメリット
何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。転職活動をする上で、大変なこととして、、、
仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる
この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)
管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。
コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。
日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。
そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。
転職サイト利用のデメリット
デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。
それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。
そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。
転職サイトは複数登録することも必要
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せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。
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管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。
「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典
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