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注意機能障害は歩行に影響する?注意機能と移動能力、転倒の関係を解説!

高齢者、脳卒中片麻痺者などにおいて、注意機能の低下があると歩行能力に影響があると言われています。今回、注意機能と移動能力、転倒の関係性をまとめていきたいと思います。



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注意機能障害は歩行に影響する?注意機能と移動能力、転倒の関係を解説!

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歩行に影響する注意資源とは

注意資源という言葉を聞いた事があるでしょうか。
一般的に、注意機能は4つのコンポーネントに分類されます。

①sustained attention
持続してあるいは繰り返して行われる活動の間、 一定の反応行動を持続させる能力。
注意の維持機能を指します。
②selectiveattention
妨害的、拮抗的刺激を抑制し、標的目標に注意を集中して、行動や認知プロセスを維持させる能力。
選択的注意機能を指します。
③alternating attention
異なった認知課題を交互に行う際、刺激あるいは情報処理プロセスへの注意をシフトさせる能力。
注意の転換機能を指します。
④dividedattention
同時に2つ以上の課題に注意を向ける能力。
注意の配分機能を指します。

これらの中でも、ADLを遂行する際には、複数の事を同時にこなすことも必要になることから、注意の分配機能が必要になります。
複数の課題を同時に行うときには、注意配分を分け合うことになりますが、そのときに活用できる注意の容量は個人によって決まっており、このことを注意資源と呼んでいます。

高齢者や認知症者、脳卒中者などでは注意資源量が減少することや、注意配分機能がうまく活用できないことにより、二重課題条件では動作遂行がスムーズではないことが報告されています。

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歩行能力と二重課題

歩行能力と二重課題について、

高齢者で計算や語想起などの課題を伴いながらの歩行では,歩行速度が遅延することや歩行時の動揺が大きくなること,不安定になることが報告された。
その要因としては,前頭連合野の注意資源における注意分散機能の影響が挙げられる。
歩行能力が低下している高齢者では,自身の歩行に向けられる注意量は多くなり,注意資源の中でも自身の歩行への注意量が大きな割合を占めることになる。
このような状態で,他の事象(計算課題や後想起など)への注意を強制されれば,歩行への注意量が減少し,結果的に歩行速度の低下や,姿勢動揺の増大として現れる。

山田 実他「高齢者における二重課題条件下の歩行能力には注意機能が関与している─地域在住高齢者における検討─」理学療法科学 23(3):435–439,2008

とあります。

リハビリテーション場面の中で、歩行中の対象者に話しかけると立ち止まってしまう方がいます。
これは、もともと歩行能力が低下している対象者は、注意資源の割合を歩行に大きく向ける必要があり、歩行以外のこと(周囲の情報を得るなど)には注意を分配できない状態にあると言えます。
そのような状態では、歩行以外の事(例:話しかけられて、その内容を処理してアウトプットする)を処理することは困難となり、結果として立ち止まってしまうということになります。

注意機能と歩行速度の関係性ですが、決まった注意資源の中で、注意配分が適切に行えない状態であれば、歩行速度は低下することが言われています。
そのため、二重課題条件のもとでは、歩行速度が低下するとの報告があります。

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歩行機能に関係する注意機能の評価

論文などで用いられている注意機能の評価指標としては、TMT(Trail Making Test)があります。
遂行機能や注意機能検査として用いられるTrail Making Test(TMT)は、

2つの反応パターンを交互に切り替えることが決まっており、両方の遂行過程の情報を保持しながら適切に遂行することを求める検査。

高次脳機能障害学 第2版 P224

となっています。
脳損傷者では健常者と比較して有意に成績の低下がみられ、特に前頭葉と成績低下に関連があるという報告があります。

Trail Aの特徴

Trail Aでは、1から25までの数字が散らばっている用紙で、その順番に結んでいく検査です。
視覚・運動性探索の速度を評価することが可能です。

Trail Bの特徴

Trail Bでは、1から13までの数字と、あ〜しまでの仮名12文字が散らばっている用紙で、1ーあー2ーい−3ーうというように、交互に結んでいく検査です。
認知の変換、課題の切り替え、注意の切り替えを評価することが可能です。
2つの反応パターンの交互切り替えと、2つの系列の順番がどこまで進んでいるかを保持しておくことが、課題の処理速度には必要になります。

年代別のTMTの平均成績

健常若年者における年齢別成績

Part A(秒)Part B(秒)B/A比
15-19歳群(n=35)中央値:30.5平均値(標準偏差):28.7(10.3)中央値:50.4平均値(標準偏差):56.2(19.4)中央値:1.98平均値(標準偏差):2.05(0.61)
20-24歳群(n=49)中央値:23.8平均値(標準偏差):24.2(7.0)中央値:46.5平均値(標準偏差):47.6(15.1)中央値:1.84平均値(標準偏差):2.03(0.65)
25-30歳群(n=40)中央値:22.8平均値(標準偏差):24.2(6.8)中央値:45.1平均値(標準偏差):47.3(15.1)中央値:1.92平均値(標準偏差):2.04(0.62)
合計(N=124)中央値:23.8平均値(標準偏差):25.5(8.2)中央値:49.1平均値(標準偏差):49.9(16.1)中央値:1.86平均値(標準偏差):2.04(0.62)

健常中高年者における成績

年齢Part A(秒)平均±標準偏差Part B(秒平均±標準偏差
45-54(n=26)32.0±8.476.0±27.9
55-64(n=32)32.1±6.683.3±25.5
65-74(n=18)47.8±14.3112.7±31.7

出典:高次脳機能障害者の自動車運転再開とリハビリテーション2より

なお、TMT-Bの結果からTMT-Aの結果を減したもの(TMT-B-TMTA)は、選択的な要素や身体機能を取り除いた分配性注意を抽出した評価として用いられています。

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