意欲障害の評価の一つに、CAS(Clinical Assessment for Spontaneity)があります。この評価法を用いると、ある程度客観的に意欲の状態を評価できるという特徴があり、対象者の状態や、リハビリテーションの効果を検討する指標として役に立てることができます。

CASの概要と評価、結果の解釈について

CASの概要

CAS(Clinical Assessment for Spontaneity)は、意欲障害の評価法のひとつです。
CASは日本高次脳機能学会が開発したもので、脳損傷者の意欲障害の程度を評価することができます。
CATと呼ばれる注意障害評価とセットになっています。
CASは、5部門から構成されており、その内容は、「面接による意欲評価スケール」「質問紙による意欲評価スケール」「日常生活行動の意欲評価スケール」「自由時間の日常行動観察」「臨床的総合評価」からなります。

CASによる評価

面接による意欲評価スケール
面接により評価を行っていきます。
評価項目とその評価基準があり、面接内容や表情などのノンバーバルな反応を通して、5段階評価を行います。
面接では普段の生活や健康についての会話を行い、対象者の反応を評価していきます。
対象者の反応をしっかりと捉えるには、時間をしっかりととり、時には返答を待つことも必要です。
評価項目は表情や視線など17項目があります。
17項目中、2項目は注意に関しての項目であり、この2つで問題がある場合、CATなどを用いて注意障害の詳細を評価する必要があります。

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質問紙による意欲評価スケール
対象者が自ら質問紙に記入していく評価であり、主観的な考え、気持ちが反映されます。
項目数は33項目あり、4段階でマークしていきます。
失語症による文章の理解力不足、知的機能低下による理解力不足には回答の解釈に注意が必要になります。

日常生活行動の意欲評価スケール
日常生活における様子をセラピストなどが観察して評価を行います。
評価項目は16項目あり、食事や排泄などの「身の回りの動作」、訓練や服薬行動の「病気への認識」、他者との会話、趣味などの「周囲・社会への関心」の項目があります。
7日間の行動観察であり、セラピスト、病棟スタッフなど、手分けして評価を行うことが重要です。
そのため、評価に関わる職員はマニュアルを把握し、正確に評価できることが重要になります。
障害によりその動作が行えない場合、評価項目からは除外します。

自由時間の日常行動観察
対象者の自由な時間(予定のない時間)における行動について、観察評価を行います。
5〜2週間の中で、行為の質、談話の質の評価を行います。
評価基準が定められているので、それに合わせて評価を行います。

臨床的総合評価
これまでの評価に基づき、5段階で総合評価を行います。

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CASの結果の解釈

前途したように、総合評価を出します。
年齢別のプロフィールが設定されており、平均値、標準偏差、カットオフが設定されています。
それと比較して、対象者の状態がどの程度なのかを把握することが可能です。

プロフィールとは比較できませんが、CASの評価の要素を用いて、リハビリテーション実施における評価の指標とすることも可能と思われます。

対象者の状態が意欲障害によるものなのか、それとも運動障害、失語、遂行機能障害などによるものなのか、その鑑別が重要です。
それを間違ってしまうと、リハビリテーションアプローチが的を得ていないということになりかねません。
そのため、意欲の評価を適切に行えることが必要になります。

意欲(アパシー)についてもっと学びたい場合

 

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