高次脳機能障害を呈すると、数に関する障害が見受けられる方がいます。その内容は数の概念、計算、貨幣の理解(金銭管理)、時計の理解など様々です。今回は、数に関する障害の知識とその評価方法を、文献を参考にしながら整理していきたいと思います。
目次
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日常生活で数が関係する場面は多いです。貨幣の勘定、家計簿や預金通帳の管理、時計の時間管理、計算機の使用、電話機の使用、時刻表を読むなど、様々な場面で数についての理解に基づいた操作を行わなければなりません。
数に関する障害を有する方の支援では、その方の生活を把握し、必要な部分に焦点を定めてリハビリテーションを行っていくことが重要になります。
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数の概念での評価の視点を以下に挙げます。
①数の大小:視覚性(数字、点の数)または聴覚性に与えられた数の大小を示す②数字の音読
③数字のポインティング
④数字の書字
⑤数字の写字
⑥1から順に数字を数える、また逆に数える
⑦提示された点の数を数える
などです。
視覚、聴覚の指示によりその数を取り出すことは、買い物でメモを見て物を必要な数だけ選ぶ事や、レジで合計金額を聞いてお金を支払う事につながります。
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計算能力の評価の視点を以下に挙げます。
①+、−、×、÷の読み取りと書き取り
②+、−、×、÷の理解
③異なる桁の数字を縦に位取りに従って並べる
④1けたの加算
⑤減数(引くほうの数)と答えが1けたの減算
⑥1けたの乗算
⑦除数と答えが1けたの除算
⑧繰り上がり、繰り下がりがある計算(暗算、筆算)
などです。
乗算で、九九はリズムで正答可能な場合があるため、それ以外でも確認する必要があります。
介入では正答率が100%になってから繰り上がりのある計算に移ると良いと言われています。
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貨幣の理解と金銭管理の評価の視点を以下に挙げます。
①紙幣4種、硬貨6種の識別
②指示された金額の組み合わせ
③提示された貨幣の読み取り(同じ金額でも貨幣の組み合わせを変える)
④家計簿の理解
⑤預金通帳の理解
などです。
目標として上がりやすい事は、「金額を聞いて財布からその金額を取り出す」ことになります。
電車などの券売機では行き先の金額に合わせた金額を投入し、金額表示のボタンを押すという、金額の理解以上に難しい課題になります。
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時計の理解における評価の視点を以下に挙げます。
①アナログ時計の読み
②デジタル時計の読み
③今日を基準とした、昨日や明日が時間的にどこに位置するのか
④カレンダー(1週間、1ヶ月)
⑤電子レンジ等のタイマーの理解
などです。
デジタル時計では12時間表示、24時間表示の理解も重要です。
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