脳卒中片麻痺者では、立位姿勢の際屈筋共同運動が下肢に優位になることがあります。そのような場合非麻痺側下肢のみの支持となり、静的な立位はとれてもトイレでのズボンの上げ下ろしのような動的立位になると、バランスを崩しやすくなるなどデメリットとなります。そのため、麻痺側下肢で体重を支えるということは立位バランスを考えた上では重要になります。今回、片麻痺者の立位姿勢で麻痺側足底接地困難な場合のリハビリテーションについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

片麻痺者の立位姿勢で麻痺側足底接地困難な場合のリハビリテーション

参考文献

屈筋共同運動の影響

脳卒中片麻痺者の下肢屈筋共同運動のパターンとしては、股関節屈曲、外転と外旋、膝関節屈曲、足関節の背屈と内反、足指の背屈です。なかでも、股関節屈曲は下肢の屈筋共同運動の最強の要素として出現します。股関節屈曲中の外転や外旋運動は要素としてはあまり強くありません。
下肢の屈筋共同運動が優位な場合、背臥位では下肢を床面に置くことができない(もしくは置くのに時間がかかる)ことや、立位姿勢において床に足底接地できないことが観察されます。
背臥位では下肢を他動的に伸展しようとすると、屈筋群の筋緊張が高まり、さらに下肢が屈曲稽古を示すことになります。麻痺側下肢を伸張しないように静かに挙上し(セラピストが持ち上げ)、両下肢を左右に振ることで、屈筋群の緊張を解放することが可能です。しかし、努力的な動きが入ると筋緊張は再び高まりやすくなります。

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麻痺側足底接地できない立位姿勢での対応例

立位姿勢で麻痺側の足底接地ができないということは、前途したように下肢屈筋共同運動が優位になっていることが考えられます。そこで、対応の方針としては屈筋に高まっている筋緊張を伸筋に移動させることにあります。
①平行棒(または手すり)を把持し、麻痺側下肢の屈曲分を補うことができる台の上に麻痺側下肢を置きます。
②セラピストは足底に圧迫を加え、大腿四頭筋の筋腹をこするなどして刺激を入力し、下肢を台上に固定しながら膝に圧迫を加えます。
③下肢屈筋の筋緊張が抑制されてきたら、さらに低い台を用意し、麻痺側下肢にいくらか体重をかけることができる立位姿勢をとらせます。
④可能であれば、非麻痺側⇄麻痺側への体重移動を経験させ、下肢屈筋の筋緊張を抑制したなかでの立位姿勢を学習します。
⑤静止立位から動的立位、上肢活動を伴う立位、ズボンの上げ下ろしなど、バランスを取りにくいなかでの立位姿勢を学習していきます。

装具の利用

立位姿勢を修正していく中で、伸筋共同運動の股関節内転要素が強い場合、麻痺側下肢は非麻痺側下肢と交差(ハサミ足)し、歩行にも影響を与えることがあります。
足関節の底屈や内反を装具にて矯正することで、股関節内転が部分的に抑制されることがあります。

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