筋トレに必要なタンパク質の知識、摂取と効果についてまとめていきたいと思います。
目次
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アナボリックは、体の組織が新たに合成されることをさします。
専門的には「同化」と呼ばれます。
カタボリックは、体の組織が壊され分解されることをさします。
専門的には「異化」と呼ばれます。
異化は、細胞が新しいものに入れ替わるのに必要な仕組みです。
同化>異化となると筋肉は増えます。
一方、同化<異化となれば筋肉は減少します。
日常生活の中では、お腹の虫が鳴ったり、集中力が切れてきたりすることがありますが、これは血糖値が下がってきているサインでもあります。
血糖値が低下するということは、生命を維持するという視点からすると非常事態宣言のようなものです。
生命維持に必要なエネルギーを作り出すために、体脂肪の酸化を強め、同時に筋肉の構成物質であるタンパク質をアミノ酸に分解することで肝臓に運ばれて糖になります。
このように、タンパク質がエネルギー源として利用されてしまいます。
空腹時には前途したカタボリック(異化)が活発になります。
食事の摂取などにより血糖値が上昇すると、膵臓よりインスリンが分泌されます。
インスリンの作用は、糖質をそれぞれの組織に運ぶことですが、アミノ酸を筋肉に運ぶ作用も有しています。
インスリンが分泌されている最中は筋肉の合成が行われており、これは前途したアナボリック(同化)になります。
食後4〜5時間後には、血糖値低下を防ぐため、カタボリック(異化)状態になります。
すると、筋肉は減りやすい状態になります。
このように、日常では異化と同化を繰り返しています。
起床後、朝食をとることで膵臓よりインスリンが分泌されます。
朝食をとることでアナボリック(同化)状態になりますが、朝食を抜くとカタボリック(異化)状態となってしまうため、朝食は必ずとるようにすることが重要です。
どんな運動をしている最中でも、カタボリック(異化)になります。
運動を行うのであれば、その前後に栄養補給をすることが大切です。
これにより、運動後にもアナボリック(同化)状態に変わります。
昼食後、しばらくするとインスリンが平常時の基礎分泌量に戻るため、カタボリック(異化)状態に向いていきます。
そのため、昼食後3〜4時間経てば、小腹満たしに栄養補給をすることが望ましくなります。
睡眠中は絶食状態であり、睡眠中も筋肉は分解されます。
エネルギー不足であれば、カタボリック(異化)状態であり、肝臓で糖が作られるようになります。
・カタボリック(異化)<アナボリック(同化)=筋肉が増える
・カタボリック(異化)>アナボリック(同化)=筋肉が減る
・空腹ではカタボリック(異化)状態になる
・食事摂取により血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌され、その作用にはアミノ酸を筋肉に運ぶ働きがある
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人の組織(皮膚、髪、筋肉、内臓、血管、ホルモンなど)は、すべてタンパク質で構成されています。
口から摂取したタンパク質はアミノ酸に分解され、DNAの設計図に従いタンパク質に再合成されて機能します。
アミノ酸の行き先は主に筋肉であり、タンパク質摂取は必須となります。
厚生労働省の資料によると、20代以上のタンパク質の平均的な必要量は推奨として60gとしています。
これは体重60kgとすれば体重1kgに対して0.8〜1gのタンパク質が必要ということになります。
ただし、この数値は身体活動レベルが「ふつう」の場合(デスクワーク中心だが時に立って活動したり軽い運動をする程度)の話になります。
「ふつう」レベルの身体活動量では、1日60gなので、1食20gのタンパク質摂取が必要となります。
アメリカスポーツ医学会のガイドラインでは、運動やスポーツをする場合、体重1kgに対して1日1.2〜2gとされています。
カロリー制限をしている時には、食事から摂る脂肪を減らしているため、体重1kgにつき2gが望ましくなります。
怪我をしているときも同様の数値です。
体重60kgとすれば1日120gになります。
筋力トレーニングを行うのであれば、体重1kgにつき最低1.2g、理想は1.4kgを摂取することが望ましくなります。
理想の数値を用いると、体重60kgでは1日84g、1食28gとなります。
タンパク質が完全に消化吸収まするまでは、食後3〜4時間かかります。
この時間を待って運動を行うことは現実的ではないため、消化吸収が始まる時間帯に運動を行うことが大切になります。
血中アミノ酸濃度が高まるのは食後30〜40分後とされており、45分から1時間でさらに高まるとされています。
そのため、この時間で運動するのが理想的とされています。
筋タンパクの合成に関連するBCAA(アミノ酸の一種)の「ロイシン」は、摂取するタンパク質が多いほど血中濃度が上がることが知られています。
そのため小分けにしてタンパク質を摂ると血中濃度が上がりません。
ベジタリアンでも小麦タンパク(ウィートプロテイン)を摂取することで筋タンパクの合成が可能です。
高齢者では60gの小麦タンパクを摂取することで筋合成が有意に向上したとの報告があるようです。
筋肉は、1日1%のペースでリモデリング(筋肉の入れ替え)が行われます。
これは3ヶ月強、アスリートでは2ヶ月程度です。
このようなペースで筋肉は総入れ替えが起こるため、タンパク質を抜く食事は問題があります。
植物性タンパク質で有名な食品に大豆があります。
大豆はアミノ酸スコアが100であり、優秀なタンパク源といえます。
アミノ酸スコアは、体内で合成できない9種類のアミノ酸が基準値を満たしているかの値です。
豆腐、納豆、豆乳などは、アミノ酸スコア100であり、タンパク質摂取にはベストな食品と言えます。
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筋肉は1日1%のペースで生まれ変わって(リモデリング)います。
2〜3ヶ月でリモデリングされるということになります。
筋肉のリモデリングは、ミクロのレベルで行われます。
筋繊維束は筋原繊維という細胞により構成されていますが、筋原繊維はアクチンとミオシンの2つのフィラメントが交互に重なるように連なっています。
アクチンとミオシンの1セットを筋節(サルコメア)と呼び、筋原繊維には数万個筋節が並ぶことによりできています。
筋節を構成するタンパク質が1日1%のペースでランダムに生まれ変わっていきます。
筋トレの前か後、どちらがタンパク質を摂取するのに適切なのでしょうか。
報告は様々ですが、アミノ酸の摂取では運動後に補給した方が筋タンパク合成が高まったとの報告があります。
これは、運動前のアミノ酸摂取ではその一部がエネルギーとして使われてしまうからではないかとされています。
プロテインを使用した実験では、運動の前後では有意差がないとの報告もあります。
プロテインはアミノ酸と比べると吸収がゆっくりであり、エネルギーとして使われにくいことが理由として考えられています。
運動の前後どちらが良いかという問いの答えは明確にはありませんが、運動とセットでタンパク質を摂取することが重要です。
運動前は実施の40〜1時間前に食事を終えているようにします。
運動後はなるべくはやく吸収のよいタンパク質の補給が重要です。
運動の際の栄養補給では、タンパク質+糖質を摂ることが必要になります。
これはグリコーゲンを補充するためです。
筋トレを行うと、筋肉にあるグリコーゲンが失われている状態です。
そのような状況で糖質を摂ると、運動直後はインスリンの感受性が高く、血糖値の上昇によりインスリンの作用で糖質を筋肉にすばやく運ぶようになります。
筋肉のエネルギー源が補充されることで異化(体の組織が分解されること)を防ぐことができます。
現在の研究では同時摂取または糖質のみでよいとの見解どちらもあるようですが、同時に摂取していれば間違いなく異化は防ぐことができます。
必須アミノ酸とは、人間が自ら創り出すことができないアミノ酸のことをさします。
食品の中に含まれる必須アミノ酸の約半分を占める分岐鎖アミノ酸(BCCA)には、バリン、ロイシン、イソロイシンがあります。
筋合成の中で重要なのはロイシンで、これは筋合成を促すエムトールという物質の働きを活性化させます。
エムトールは運動により数が増えて活性化し、また栄養補給によっても活性化します。
高齢者では、ロイシンが摂れいないと筋肉量が減る傾向にあるとの報告があります。
ロイシンは肉や魚、乳製品に多く含まれています。
ビタミンDは代謝調節の役割があり、筋肥大にも関わっています。
高齢者ではビタミンDの血中濃度が低いほど筋肉量が少ないとの報告があります。
ビタミンDの慢性的な不足は、筋肉量を減らすことが考えられます(ビタミンDが筋肥大を促すというエビデンスではない)。
ビタミンDは魚介類、卵、きのこ類に多く含まれます。
また日光に当たることで活性化します。
摂取したタンパク質を効率的に筋合成に利用するには、アミノ酸の吸収速度を高めることが必要です。
胃の滞在時間を短くするには、胃に送る前にできるだけ消化しやすい状態(液体)にする必要があります。
ステーキとミンチでは、ミンチの方が血中アミノ酸濃度が高まりやすく、筋合成比率も向上します。
よく噛んで食べることも工夫の一つになります。
脂質は消化に時間がかかるためアミノ酸の血中濃度は高まりにくいといえます。
そのため、筋トレの際には低脂質のものを選ぶことも重要です。
筋肉は、運動中は分解され(異化)る方向にあります。
運動後にタンパク質や糖質の摂取をすることで強く、太くなります(超回復)。
超回復は運動後24時間から72時間かけておこるとされています(個人差あり)。
このことから、筋トレをしない日でもタンパク質摂取を減らさないことが大切です。
1食につき最低20gのタンパク質摂取を心がけるようにし、空腹を感じないように摂取のタイミングにも気をつける必要があります。
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運動による筋肉痛や筋疲労に抗する物質として、イミダゾールジペプチドがあります。
イミダゾールジペプチドはβーアラニンとヒスチジンの2つのアミノ酸により構成されています。
イミダゾールジペプチドには2種類があります。
ひとつはアンセリン、もうひとつはカルノシンです。
人の体にあるのはカルノシンしかなく、筋肉中の含有量が多いほど寿命が長いとされています。
アンセリンは鶏やウサギに多く含まれています(カルノシンも含まれている)。
鶏肉由来のカルノシンとアンセリンを含む飲み物を1日1回飲み、30分後の運動量を測定した実験では、飲んでいない場合と比較するとパフォーマンスが向上したとの報告があります。
渡り鳥が長い距離を飛べるのは、イミダゾールペプチドが筋肉に豊富にあるためだとされています。
激しい運動を行うと、筋肉中に乳酸が溜まり酸性に傾きます。
酸性に傾くと、骨格筋の収縮が行えなくなります。
筋収縮はカルシウムイオンが筋小胞体に出入りすることで起こりますが、酸性化するとカルシウムの出入りが阻害されてしまいます。
また、アクチントミオシンの並びが阻害されることもわかっています。
イミダゾールジペプチドを摂取することで、疲労軽減予防、パフォーマンスが向上することがわかっています。
また、トレーニングでは事前に摂取することで筋肉痛が抑えられるとの報告もあります。
イミダゾールジペプチドには抗酸化作用と緩衝作用があるとされています。
筋肉痛予防には抗酸化作用が関係しているとされています。
緩衝作用とは、人の体内環境をpHで中性に保たれるように働く仕組みがあり、これを緩衝作用と言います。
激しい運動を行うと、筋肉中に水素イオンが増加します。
水素イオン濃度が高くなるに伴い体は酸性に傾きます(pH低下)。
これは、トレーニングでいうともう運動が行えないような状態といえます。
運動中は筋肉内でカルノシンやアンセリンが緩衝に関わり、筋肉内の環境を中性に引き戻そうとします。
さらに、運動後には水素イオンを血液中に排出すると考えられています。
血液中では重炭酸イオンが水素イオンと結合して水と二酸化炭素に変わり、体外に排出されます。
激しい運動の前にはアンセリンやカルノシンの補給を行うことで、筋肉の疲労予防に効果的といえます。
スプリントトレーニングを行うことで、カルノシンは増えるという報告もあります。
アンセリンは、鶏肉やマグロ、カツオに豊富に含まれています。
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日常生活では、仕事や家事などを行っていると翌日になっても疲れがなかなか取れないことや、週の後半にはバテて体力や気力が続かないということがあるかもしれません。
このような状態では、注意力を欠きケアレスミスなどが目立つことがあります。
現代社会では仕事量の多さや人間関係、自宅でゆっくりできない環境など、ストレスがかかりやすいことも疲労や老化の原因になります。
このような状態に当てはまる場合、身体が「酸化」している状態であることが予想されます。
人はエネルギーを使用する際に酸素を用いますが、その際に数%は活性酸素に変わります。
活性酸素は疲労や老化、がんなどを引き起こす要因になります。
エネルギーを作り出す際に、細胞内のミトコンドリアでは血液を通して酸素と栄養素を取り込みます。
その際に酸素の一部が活性酸素に変換されます。
活性酸素は細胞を傷つけがん化を招いたり、体内のタンパク質を傷つけて老化を促します。
コレステロールの酸化を促し、アテロームと呼ばれる脂肪の塊を血管内に形成します。
活性酸素に対抗するには、抗酸化作用をもつ食品をとることが重要になります。
抗酸化作用をもつものには、ビタミンCやビタミンEなどがあります。
他にも、ポリフェノール(赤ワインに多く含まれる)やカテキン(お茶に多く含まれる)も抗酸化作用があります。
ペプチドとはタンパク質の結合を細かく切断したものをさします。
抗酸化ペプチドは、タンパク質よりも分子が小さいペプチドで、その方が抗酸化作用が高いことがわかっています。
マウスによる実験では、活性酸素による胃潰瘍に対して豚肉由来のペプチドを与えることで胃潰瘍が軽減されることがわかっています。
このことからも、豚肉由来のペプチドには強力な抗酸化作用があることがわかります。
豚肉を摂取することで、疲労回復というよりは疲労の予防に役立てることができます。
抗酸化ペプチドは豚肉だけではなく牛肉、鶏肉、魚肉にも含まれています。
疲労予防には、肉や魚をしっかりと取ることも必要で、バランスの良い食事が重要になります。
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タンパク質は重要な栄養素で、体づくりを行う上では欠かせないものです。
運動をしていない人でも、体重1kgに対して1日0.8〜1g、運動をしている人であれば1.2〜2gは必要とされています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、タンパク質の耐容上限量(これ以上継続して摂取すると健康に害を及ぼす可能性があるリスクを示したもの)が設定されていません。
ただし、この数値が設定されていないことが安全を保障するということではありません。
適切な量以上のタンパク質を摂取しても、その分筋肉が大きくなるわけでもありません。
タンパク質が必要以上に摂取されても、エネルギーに使われたり、脂肪に変わる可能性が高いとされています。
筋タンパク分解を進行させないようにするのに意味のある量は、1回の摂取で70gまでとの報告もあります。
タンパク質には窒素が含まれており、タンパク質をアミノ酸に分解する際に生じる窒素はアンモニアに変化します。
肝臓はアンモニアを尿素に変える働きがあります。
尿素は腎臓に送られ、尿に混じり体外へ排出されます。
タンパク質の過剰摂取は窒素を処理するために肝臓、腎臓を過剰に働かせることにつがる可能性はあります。
しかし、それによって健康被害が起こるリスクは少ないとされています。
過剰な運動により内臓にストレスをかけることは避ける必要があり、それが肝臓や腎臓に負担をかける可能性はあります。
もともと肝臓や腎臓の機能低下がある場合、タンパク質の過剰摂取や激しい運動には注意する必要があります。
タンパク質はアミノ酸に分解後、吸収され、筋肉や皮膚、髪の毛、血管などの組織の材料になります。
アミノ酸は多く摂取してもその状態で体に蓄えておくことはできません。
使用されなかったアミノ酸は脂肪になってしまいます。
タンパク質はエネルギー源にも利用され、摂取カロリー不足があれば、エネルギーとしても使われます。
逆にエネルギーが余れば脂肪に変わります。
高タンパク低脂肪の食材でも場合によっては脂肪を蓄えてしまうことになるため注意が必要です。
タンパク質の過剰摂取では体内が酸性になります。
酸性を中和するために骨のカルシウムが利用され、尿とともに排出され、骨粗鬆症を発症するリスクが高まる可能性はあります(明確な根拠はありません)。
骨粗鬆症予防には、適度な運動とカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素をしっかりと摂取すること、日光浴を行うことが大切になります。
尿路結石は、尿路(腎臓や尿管、膀胱、尿道)にできるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムです。
シュウ酸カルシウム結石は尿中に排出されたカルシウムとシュウ酸(コーヒーやほうれん草に含まれる)が結合し結晶となったものです。
結晶化や成長を抑える働きがあるのがクエン酸やマグネシウムです。
動物性タンパク質はクエン酸を減少させる可能性があり、尿中のカルシウムやシュウ酸を増やすことが考えられます。
あくまでリスクを高めることが考えられるという程度で、明確な根拠はありません。
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食事に偏りがあると、1日に必要なタンパク質が摂取できていない可能性があります。
1日3食の食事を摂った上で不足分をプロテインで補うことが大切です。
以下の項目に当てはまる場合、必要なタンパク質量を摂取できていない可能性があります。
・朝食を食べない
・おかずを食べる習慣がない
・食が細く、一度にたくさん食べることができない
・肉や魚が苦手
・揚げ物、酒、甘いものを良く食べる
・食事は外食が多い
卵白
摂取したタンパク質の利用率が高い。
ホエイ
吸収スピードが速く、トレーニング直後に適している。
カゼイン
牛乳が主成分で、吸収速度はゆっくり。運動しない日や就寝前に適している。
ソイ
大豆由来のタンパク質。吸収速度はゆっくりで満腹感が続きやすい。
ミックス
ホエイ、カゼイ、ソイを混ぜたものが多い。運動後や就寝前のどちらにも適している。
筋肥大を目指す場合、タンパク質摂取量は体重1kgに対して1.2〜2.0gとされています。
体重60kgの場合、70.2〜120gとなります。
食事で1食20gとるとして、不足分を間食で補うようにします。
プロテインパウダーは余計なカロリーを抑えながらタンパク質を摂取することが可能です。
プロテイン摂取のタイミングとしては、アミン酸濃度が低下している朝、トレーニング直後、睡眠中のアミノ酸濃度を保つ為の就寝前です。
トレーニング直後であればホエイプロテインを、就寝前にはカゼインを含む(吸収速度がゆっくり)プロテインを摂取するようにします。
それ以外の時間帯では、プロテインバーなどでこまめにタンパク質を摂取するようにします。
脂肪を落としたい場合、トレーニングをした日にプロテインを摂取することには意味があります。
脂肪を落としながら、同時に筋肉をつけることで、エネルギー消費が上がり、痩せやすい体質になります。
トレーニングをしない日には、減量向けのプロテインを朝に1回摂るようにします。
カルニチン、ヒスチジンが配合されているものは脂質の代謝を促し、食欲の抑制効果も期待します。
筋肉をつけるボディメイクを行いたい場合、筋肥大と同様の摂取の仕方を行いますが、トレーニングを行った日のみとします。
運動しない日も、朝のプロテイン摂取は継続し、栄養バランスを整えておきます。
余計なカロリー摂取を抑える為には水で溶かして飲むようにします。
ランナーにもプロテイン摂取は重要になります。
プロテインをとると、エネルギー源となるグリコーゲンが増えやすくなる為です。
タンパク質は糖と同時にとることで、筋肉の回復にも助けになります。
筋肉の損傷予防の為には、ランニング前にタンパク質摂取をとることが推奨されています。
吸収スピードとの関連から、運動前はゼリータイプ、運動中はアミノ酸飲料、運動後はホエイプロテインを摂るようにします。
筋肉の回復を効率的にするには、糖質を含むものやエンデュランス(持久系)スポーツ用プロテインを使用します。
ランニングをしている場合、タンパク質の摂取はどのように考えるべきでしょうか。
ランニングでは着地の衝撃も強く、筋肉はダメージを受けています。
走行中は脂肪と糖質だけではエネルギーが不足するため、筋肉からアミノ酸が分解され、それをエネルギー源として利用しています。
そのため、ランニングの前後には適切なタンパク質を摂取する必要があります。
タンパク質が不足すると筋肉が減っていくため、怪我につながることもあります。
プロテインには動物性のホエイやカゼイン、植物性のソイがあります。
ソイプロテインは動物性のプロテインと比較すると、必須アミノ酸の量が少なく、消化吸収のスピードが遅いとされています。
ソイプロテインは筋肉を大きくしたい場合には不向きですが、ランニングにより体を絞りたい場合には有効といえます。
有酸素運動前にソイプロテインとホエイプロテインを摂取してからの脂質の酸化量を検証すると、ソイプロテインの方が良い結果が出たとの報告があります。
ホエイプロテインは摂取後インスリンの分泌が促され、糖質やアミノ酸を筋肉に運ぶという作用があります。
また、脂肪燃焼を抑制する作用も有しています。
そのため、脂肪燃焼を図りたい場合はソイプロテインの方が有利となります。
ソイプロテインにはアルギニンが多く含まれています。
アルギニンは成長ホルモンの分泌を促し、成長ホルモンは脂肪燃焼を促進させる要因でもあります。
運動後、成長ホルモンの働きにより脂肪酸化が促されます。
ランナーには動物性タンパク質も必要とされています。
それは、動物性たタンパク質に含まれるアミノ酸は筋タンパクの分解を防ぐ働きがあるためです。
必須アミノ酸のうち、BCAAと呼ばれるものは、筋タンパクの分解を抑制する作用があります。
BCAAは動物性タンパク質に豊富に含まれてます。
BCAAの補給によりダメージを受けた筋肉の回復率が向上すると言われています。
エネルギー補給としては効果は薄い可能性が高いですが、運動後の回復力アップとしての意味が大いにあります。
BCCAはクロマグロ(赤身)、鶏胸肉(皮なし)、カツオ、豚ヒレ肉、若鶏胸肉(皮なし)、鳥もも肉(皮なし)に多く含まれています。
ランナーに必要なタンパク質の量は、基本的には体重1kgに対して1日1.2kgが必要とされています。
ランナーではランニング前に摂取することが必要です。
成長ホルモンの分泌を促すには大豆タンパクや穀物由来のタンパクを積極的に活用します。
疲労回復には動物性タンパク質も重要なため、肉や魚も取り入れる必要があります。
体を絞りたい方では、肉を摂る際には低脂肪メニューを考慮します。
糖質と脂質の代謝を促すにはビタミンB群を積極的に摂取することが必要で、貧血が起こりやすいランナーではミネラルや鉄分の摂取も必須です。