自己効力感の測定の方法のひとつに、特性的自己効力感尺度(Self-Efficacy尺度:SE尺度)があります。今回、特性的自己効力感尺度の概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
成田 健一ら「特性的自己効力感尺度の検討ー生涯発達的利用の可能性を探る」教育心理学研究 1995, 43, 306-314
自己効力感については、以下のような意味を含みます。
人がある状況において必要な行動を効果的に遂行できる可能性の認知を指す。
ある問題や課題に対する自己効力感を自分がどの程度持っているか(perceived self-efficacy)、個人の行動の変容を予測し、不適応な情動反応や行動を変化させる。特性的自己効力感尺度の検討ー生涯発達的利用の可能性を探る
特性的自己効力感とは、課題や状況に関わらず、長期的で一般化された日常における行動に影響する自己効力感をさします。
特性的自己効力感には個人差があり、それにより行動に影響を及ぼすことが考えられます。
過去の成功、失敗体験から形成されることが考えられます。
特性的自己効力感は、未経験の新しい状況に適応的に処理できるかの期待に対しても影響を与えることが示唆されています。
リハビリテーション場面で考えると、身体的・精神的要因により転倒リスクの高い対象者が、自己効力感が高いために何でもできると考え行動し、転倒してしまうことがあります。
また逆に、自己効力感が低いためにあまり動かず、廃用を高めてしまうことも考えられます。
自己効力感とリスク管理については以下の記事も参照してください。
転倒予防に向けてのリスクコミュニケーション
Sherer et al.(1982)の 尺度があります。
23項目から構成され、行動を起こす意志、行動を完了しようと努力する意志、逆境における忍耐などから構成されています。
各項目に対し、1〜5の5件法で評価を行います。
「そう思う」=5点 逆転項目1点
「まあそう思う」=4点 逆転項目2点
「どちらともいえない」=3点 逆転項目3点
「あまりそう思わない」=2点 逆転項目1点
「そう思わない」=1点 逆転項目5点
1.自分が立てた計画は、うまくできる自信がある
*2.しなければならないことがあっても、なかなか取りかからない
3.はじめはうまくいかない仕事でも、できるまでやり続ける
*4.新しい友達を作るのが苦手だ
*5.重要な目標を決めても、めったに成功しない
*6.何かを終える前にあきらめてしまう
7.会いたい人を見かけたら、向こうから来るのを待たないでその人の所へ行く
*8.困難に出会うのを避ける
*9.非常にややこしく見えることには、手をだそうとは思わない
*10.友達になりたい人でも、友達になるのが大変ならばすぐにやめてしまう
11.面白くないことをするときでも、それが終わるまで頑張る
12.何かをしようと思ったら、すぐにとりかかる
*13.新しいことを始めようと決めても、出だしでつまづくとすぐあきらめてしまう
14.最初は友達になる気がしない人でも、すぐにあきらめないで友達になろうとする
*15.思いがけない問題が起こったとき、それをうまく処理できない
*16.難しそうなことは、新たに学ぼうと思わない
17.失敗すると、一生懸命やろうと思う
*18.人の集まりの中では、うまく振る舞えない
*19.何かしようとするとき、自分にそれができるか不安になる
20.人に頼らない方だ
21.私は自分から友達を作るのがうまい
*22.すぐにあきらめてしまう
*23.人生で起こる問題の多くは処理できるとは思えない
「*」は逆転項目、実施中は伏せて行います。
得点合計の下限は23点、上限は115点です。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
| 18-24 | 73.6 | 76.4 |
| 25-34 | 80.4 | 74.2 |
| 35-44 | 80.3 | 75.3 |
| 45-54 | 80.0 | 76.9 |
| 55-64 | 81.5 | 76.5 |
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