BPSDの評価尺度のひとつに、阿部式BPSDスコアがあります。今回、その概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 阿部式BPSDスコアの概要と評価方法、結果の解釈

文献

阿部康二「新しいBPSDスコアの有用性」老年期認知症研究会誌 Vo l . 1 9 No.8 2014 

阿部式BPSDスコアの概要

阿部式BPSDスコアは、認知症の周辺症状を簡易に測定し、その状況把握や治療効果の判定に用いるために開発された自己記入式の評価尺度です。
阿部式BPSDスコアでは、認知症患者において見られるBPSD10項目について、頻度と重症度により0〜9点を配点し、その合計点でBPSDの度合いを判定します。
記入には約1分程度を必要とし、非常に簡便な評価尺度です。
この評価尺度では、Neuropsychiatric Inventory(NPI)との関連があり、MMSEの得点低下に伴いBPSDの増加を認めることから、BPSDスコアとして信頼性が高いものとなっています。
また介護者による評価の信頼性も保たれています。

 

阿部式BPSDスコアの評価方法

各評価項目に対して、「ほとんどない」「たまにある」「時々ある」「しょっちゅうある」から選択します。
ただし、それぞれの回答に対する点数の配分は異なります。

評価項目
家中や戸外を徘徊して困る
食事やトイレの異常行動がある
幻覚や妄想がある
怒りっぽく、暴言を吐く
昼夜逆転して困る
興奮して大声でわめく
やる気がなく何もしようとしない
落ち込んで雰囲気が暗い
暴力をふるう
いつもイライラしている

評価用紙はこちらから

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阿部式BPSDスコアの結果の解釈

各項目の合計点によりBPSDの度合いを判定します。
得点が高いほど、BPSDの度合いが高いことを示しています。
なお、認知症のBPSDの一般的な分類は以下のようになっています。

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重症度

頻度対応

行動症状

心理症状

グレード1

高頻度
対応可能

繰り返し訊ねる
付きまとい
罵る、泣き叫ぶ
アパシー

 

グレード2

中頻度
対応苦慮

焦燥、イライラ
すぐ怒鳴る
大声で叫ぶ
軽度徘徊、暴言
不潔行為
性的脱抑制

妄想
幻覚
誤認
抑うつ
不眠
不安

グレード3

低頻度
対応困難

暴力、不穏
攻撃、高度徘徊