COPMはクライエント中心の実践のなかで、意味ある作業を決定するための評価ツールのひとつです。今回、COPMの概要、実施方法と意味ある作業の見つけ方のポイントについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

COPMの概要、実施方法と意味ある作業の見つけ方のポイント

COPMの概要

COPMは、カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure)の略です。
COPMは作業療法専門の評価法であり、の専門性を活かすために開発されました。
作業療法クライエント中心の実践を行うために使用するツールであり、それはクライエントの言いなりになるという意味ではなく、コミュニケーションを図りながら、への参加を促しながら、その上で表出された対象者の選択を尊重していきます。
作業療法クライエント中心から考えると、日常生活上のどの活動ができて、どの活動ができていないかを決めるのはクライエントになります。他者から見て満足していると思われても、本人からするとそうは思えない、不満足で実行できていないと思っていることがよくあります。そのため、本人の思いは本人から聞く必要があります。
COPMを使用する価値として、

 COPMを使って、クライエント自身が捉える作業の問題を知ることができます。作業の問題は、クライエント自身からしか知ることができないのです。自分が行う作業を出発点として、自分自身を見つめ、自分の問題に取り組み、解決を図るということができれば、自分の人生を自分で作っていくことができます。

作業療法がわかる COPM・AMPSスターティングガイド P11

とあります。

COPMの実施手順

COPMは4段階に分かれます。
第一段階:重要な作業の探索
第二段階:優先順位の決定(10段階で重要度評定)
第三段階:これから取り組む作業の決定と遂行度と満足度の評定
第四段階:遂行度と満足度の評価

「重要な作業の探索」では、以下のように尋ねます。
「作業療法では、◯◯さんにとって必要な作業をしていただくことになります。そのために、どんな作業をしていくか決めていきたいので、色々と話を聞かせて下さい」などと尋ねます。

「優先順位の決定」では、「重要な作業の探索」において出てきた作業を10段階で重要性を評価することになります。
なお、「10」を最も重要、「1」を全く重要でないとして、評価をしていきます。
重要性を評価するなかで、対象者自身が何を優先的に取り組んでいきたいかを整理することにもつながるでしょう。

「これから取り組む作業の決定と遂行度と満足度の評定」では、いくつかの作業の候補のなかから、対象者とセラピストが協業して取り組んでいく作業を決定し、その作業の現在における遂行度と満足度を評価していきます。
遂行度では、「10」をとても上手にできると思う、「1」を全くできないと思うとして評価をしていきます。
満足度では、「10」をとても満足している、「1」を全く満足していないとして評価をしていきます。
遂行度、満足度の各作業における点数を合計し、それぞれ課題数で除する(割る)と、遂行スコアと満足スコアが示されます。

「遂行度と満足度の評価」では作業療法アプローチを終えて、または中間で遂行度と満足度を再評価します。

COPM実施のポイントと

COPMを実施するには、少しコツがあります。
それぞれ対象者によってコミュニケーション能力や認知機能も異なるため、柔軟に対応していく姿勢が求められます。
「やってみたいことはありますか」「楽しみにしている、していたことはありますか」「できなくてこまっていることはありますか」などと質問を変えながら対象者にとって意味のある作業を探索していかなければなりません。

また、話を進めるなかで対象者が自分を見つめ直すことにもつながり、重要な作業を考えるきっかけにもなります。
趣味や楽しみの話から、対象者がどのようなことに価値観を置いているか、何を大切に考えているかを知ることもできるかもしれません。

作業療法ではCOPM以外にも対象者のニーズを知るためのツールがあります。詳しくは以下を参照して下さい。
認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)を用いたニーズの評価
リハビリ、ケアマネジメントにおけるニーズの評価(デマンドとニーズ、顕在・潜在ニーズについて)
作業療法ならではの評価!役割チェックリストの活用!
麻痺側上肢の使用を促進するツール:ADOC for Hand、HSAチェックリスト