歩行能力の評価方法として、様々なものがあります。今回、歩行の評価バッテリーの概要と評価方法、結果の解釈について、まとめていきたいと思います。

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歩行の指標!評価バッテリーの概要と評価方法、結果の解釈

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参考文献

 

浅野広大ら「歩行・バランス機能評価」Journal of CLINICAL RIHABIRITATION Vol.26 No.1 2017.1

脳卒中機能評価セミナー・予後予測セミナー 講義資料

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6分間歩行テストの概要と評価方法・注意点、平均値について

6分間歩行テストの概要と評価方法・注意点

歩行能力の評価方法・指標として6分間歩行テストがあります。

6分間歩行テストを行う意義としては、全身持久力を把握できる点にあると思います。

サルコペニアが進行すると、全身持久力の低下がみられるとの指摘もあり、対象者の健康状態を把握するのに、このテストは適していると考えられます。

サルコペニアについては、以下の書籍が詳しく専門的な内容となっています。

6分間歩行テストの概要は以下の通りです。

一周30m以上の周回路または50m以上の折り返し直線路に5m毎に目印を置く
(※10m間隔で白い目印,5m目に赤い目印等を置くと計測が容易になる)。

(1)十分な準備運動の後,スタートラインに立つ(全員が同じ位置からスタートするよりも,5mずつずらした位置からスタートできるようにすれば理想的である。直線路を用いる場合には,常にラインが左手になるように歩くように指示する)

(2)両肘を軽く伸ばし,できるだけよい歩行姿勢を保ち,普段歩く速さで6分間歩く。

(3)スタートの合図で歩行を開始する。

(4)測定者は,被測定者が走ることがないように,またいつも片方の足が地面についた状態を保って歩くように指示する。

(5)スタートから1分毎に,その経過時間を伝える。

(6)6分目に終了の合図をする。
記録は5m単位とし,5m未満は切り捨てる。

*専門書によって声かけの頻度が違うことがあります。

例えば、
1分経過:いい感じで歩けています。残り時間は5分です。
2分経過:順調に歩けています。残り時間は4分です。
3分経過:その調子を維持してください。残り半分まできました。
4分経過:そのままの感じで歩いてください。残り時間はあと2分です。
5分経過:いい感じで歩けています。残り1分になりました。
終了15秒前:あと15秒です。止まってと声かけするので、合図があればすぐに止まってください。
などと声かけすることが推奨されています。

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各年代の平均値は以下のようになります。

65-69歳620.19m
70-74605.11
75-79579.19

65-69歳590.32m
70-74565.59
75-79530.97

テスト終了後には、Borgスケールなどを利用することにより疲労度合いなどを記録します。

また、主観的な理由として歩けなくなった理由を聴取しておくことも大切な情報となります。

 

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主観的運動強度(Ratings of perceived exertion:RPE)

等級自覚度強度(%)心拍数(拍/分)
20100200
19非常にきつい98.9
1885.8180
17かなりきつい78.6
1671.5160
15きつい64.3140
1457.2
13ややきつい50.0120
1242.9
11楽である35.7100
1028.6
9かなり楽である21.480
814.3
7非常に楽である7.160
60

このような指標を用いることで、対象者の全身持久力と疲労度合いを把握していきます。

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10m歩行テストの概要、評価方法、結果の解釈(カットオフ値)

10m歩行テスト

「10m歩行テスト」は、一定の距離(10mが一般的)を自由歩行、あるいはできるだけ速く歩いた際の所要時間を評価し、速度を算出します。

10m歩行テストは、歩行速度、歩幅、ケイデンスといった歩行の遂行能力を簡便に評価することができ、強く推奨されている。

Journal of CLINICAL RIHABIRITATION Vol.26 No.1 2017.1

評価項目は時間(歩行速度)、歩数、歩行率、歩幅などがあります。

3回計測し、平均値を算出します。装具や杖の使用も可能です。

急性期では実施困難なことが多いですが、比較的早期から繰り返して評価可能な対象者の場合、歩行能力の評価としては最適です。

臨床では痙縮治療における歩容の変化や、歩行速度の変化を評価するために用いいられることも多くあります。

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評価方法

自由歩行、最大速度のどちらを計測するかにより声かけ方法は異なり、前者であれば「これからあなたにとって快適な速さで歩いているスピードを計測します。

「はい」と合図があったらまっすぐ向こうの踏切まで歩いてください」と指示し、後者であれば「これからあなたにとってできる限りの速さで歩いているスピードを計測します。

「はい」と合図があったらまっすぐ向こうの踏切まで歩いてください」と指示します。

テスト実施の際は踏切の2(3)m手前から歩き始め、向こう側のラインを超えても2(3)m歩き続けることが重要です。

結果の解釈

健常者における自由歩行(快適歩行)速度は1.0〜1.5m/秒で、一般的に0.8m/秒であれば屋外歩行自立可能なレベル、0.4m/秒だと屋内での歩行が実用レベルだとされています。

Brandstarterによると、Brunnstrom Stage5の患者で歩行速度は0.40m/秒、坂本(1978)によると、日常生活に不便を感じない程度の歩行速度は0.33m/秒、稲坂(1989)によると、職場復帰を目指すのに必要な歩行速度は0.67m/秒だとされています。

また実社会において必要な歩行速度としては、130箇所の横断歩道の実地調査により、1.06〜1.30秒とされており、少なくとも1.0m/秒の歩行速度が必要かもしれません。

なお、わが国における「徒歩何分」という表示には、80m/分、つまり約1.3m/秒となっています。

歩行、バランスに関連する評価として、Timed Up and Go Testがあります。

バランス評価の概要と評価方法、結果の解釈

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歩行速度測定の意義と平均値!フレイルやサルコペニアとの関係性

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サルコペニアとフレイル

サルコペニアについて、

ギリシャ語の「筋肉」を表す“ サルコ ”と、 「喪失」を表す “ペニア” を組み合わせた言葉で、 筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態のことをいいます 。

http://www.tmd.ac.jp/medhospital/medical_central/document/eiyou_syokusai40.pdf

とあります。

フレイルについては、

加齢に伴い身体の予備能力 が 低下し 、健康障害を起こしやすくなった 状態 。

介護が必要となる前の段階で、 筋肉の減少に着目しているサルコペニアも、フレイルの一 因となります。

フレイルは、筋肉や身体機能の低下の他、疲労感や活力の低下なども含みます。

http://www.tmd.ac.jp/medhospital/medical_central/document/eiyou_syokusai40.pdf

とあります。

これらのことから、サルコペニアは筋肉量と筋力に関与していることがわかります。

またフレイルにはサルコペニアも要因として含むことがわかります。

歩行速度測定の意義

歩行速度を測定する意義はどのような所にあるのでしょうか。

まずは単純に、リハビリテーションを行った際の結果を示すために用いられることがあります。

また、フレイルやサルコペニアの評価指標として歩行速度を測定することがあります。

その際には、フレイルやサルコペニアの方々における平均値やカットオフ値などを把握しておく必要があります。

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歩行速度の測定方法

平面上16mの直線を歩行して、間の3m〜13m地点に要した時間を計測する方法があります。

*注意点としては対象者の転倒がないように、横につきながらリスク管理を行うことです。

歩行速度の平均値はどの位なのか

歩行速度の平均値はどの程度なのかを考えていきたいと思います。

日本の信号機の中で、最も早い設定としては歩行速度で1m/秒とされているそうです。

そのため、1秒間に1m進める能力があれば実用性としては十分だと考えることができます。

ちなみに、健常高齢者の平均歩行速度としては1.53〜1.83m/秒だと言われています。

また、片麻痺者の平均歩行速度としては0.40〜0.42m/秒だと言われています。

サルコペニアとの関連では、

1.10m/秒以下の歩行速度の者のうち、35%が4年後の生活機能が低下していた

サルコペニアと運動 エビデンスと実践

とされています。

しかし、歩行能力の低下とサルコペニアとの関連性は低いとの意見もあるようです。

フレイルとの関連では、様々な研究がありますが、Cardiovascular Health Studyでは約4.57mの歩行時間を性別・身長を考慮した中での下位20%を評価の判定基準としています。

また、Women’s Health and Aging Studyでは、4mにおける歩行速度を女性のなかで身長を考慮して評価基準を定めています。

さらに、Obu Study of Health Promotion for the Elderlyでは、約2.44mにおける歩行速度を性別・年齢を考慮せずに評価基準を定めています。

上記のように、目の前にいる対象者の評価結果と参考値・基準値・カットオフ値などと比較し、対象者の状態を把握していくことになります。

もちろん、評価指標は歩行速度だけではありません。様々な評価指標を用いながらトータル的に対象者の状態を把握していくことが重要です。

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