地域リハビリでの療法士の役割や、使用される評価バッテリーについてまとめていきたいと思います。
目次
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地域包括ケアシステムについて、
地域包括ケアは、地域住民が住み慣れた地域で、安心して尊厳ある、その人らしい生活を継続することができるように、介護保険制度等による公的サービスのみならず、その他のインフォーマルな社会資源を本人が活用できるように、包括的及び継続的に支援することであり、地域包括ケアを実現するために必要な体制が、地域包括ケアシステムです。
介護支援専門員実務研修テキスト 上巻 P25
とあります。
2025年をめどに地域包括ケアシステムの構築を実現することとなっています。
このことからも、地域のことは、その地域の中で解決していく姿勢が見て取れます。
日本は超高齢化社会の国であり、国の歳出の3割以上は社会保障費(年金、医療、介護)となっています。
保険料でまかなえない部分を公費として負担しているのですが、その額が年々増えているのが現状です。
そして今後、2050年には65歳以上の方を1.2人の現役世代で支えなければならない試算となっています。
そのため、介護予防の重要性と、限られた人材をいかに有効活用するかが重要になってきます。
そこで、75歳以上を高齢者とすると、2040年では65歳以上の方を3.3人で支えることが可能になります。
現在の社会問題とその対応として
①高齢者の独居・夫婦のみの世帯の増大
②高齢者ケアニーズの増大
③認知症ケースの増加
④死亡者数の増加
があります。
また、その対応としては住居の保証、医療保険・介護保険、権利擁護・低所得者への支援、家族・親戚・地域住民の協力などが挙げられています。
問題を解決する社会資源が、有機的・効果的・効率的に提供する仕組みの構築と、それを使うためのケアマネジメントが重要になってきます。
個人の抱える課題に合わせて、作業療法士など専門職などによる医療・介護・看護・リハビリテーションが専門職により提供されます。
介護予防・生活支援では民間事業者、ボランティア、地域住民などにより提供されるようになるとのことです。
利用者は自発的に健康管理が行えるよう、専門職の助言や教育も重要になってきます。
要支援の方の訪問介護には買い物、調理、掃除が多いそうですが、国はボランティアや配食サービスを導入を進めているようです。
民間業者の訪問サービス(クリーニングな、庭掃除)などを使用すれば、今まで訪問介護では行えなかった部分も対応できる可能性もあります。
介護予防と生活支援を一体とし、日常生活総合支援事業を行い、今後高齢者の貧困も予測されているため、ソーシャルワークの重要性も言われています。
本人が住み慣れた地域で継続して暮らしていくには、本人の選択が最も重要視されるべきであり、それに対する本人・家族がどのように心構えをもつかが重要になります。
地域ケア会議とは、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法を指します。
内容としては個人に対する支援(個別ケースの検討)と、社会基盤の整備(地域課題の検討)があります。
個別ケースの検討を行う事で、自立支援の視点の定着、セスメント力の向上、利用者の自立の意識を高める関わり方の向上、地域資源や人材を活かすアイデアが豊富になるなどが期待できます。
また個別ケースの検討を通して出てきた課題が、その地域の課題となることもあります。
参加メンバーは、保険者、地域包括センター、外部からの参加者(作業療法士、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、歯科衛生士など)、個別事例に合わせて、サービス事業者、市役所関係者、成年後見候補者などが参加します。
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地域ケア会議でのリハビリ専門職へ期待する助言内容には、「生活機能の予後予測」「できる、しているために必要な援助」「生活関連活動」「リスク管理」「生活障害の原因」などがあります。
ケアマネージャーが利用者の目標を設定するにあたり、課題分析を行いますが、動作のどこが、どのように、なぜできないか、またできることは何があって、それをどのように活かしていけばよいのかという視点が不足しているようです。
そのため、リハビリ専門職は「生活に関する助言」「課題解決のための方策」などを行っていく必要があります。
作業療法士においては、認知機能や高次脳機能などの心身機能、入浴などのADL、調理などのiADL、余暇活動、福祉用具や便利グッズの選定や環境調整などの能力の見極めや支援方法の助言指導が求められています。
はじめに個別ケースの資料を読み込むのですが、与えられた時間が5分と短いです。これは慣れも必要だと感じました。
ポイントとしては、生活機能評価表を中心に、サービス計画の目標、サービス内容との整合性や、自立支援に向けて他にできることはないかを考えながら読み込むと良いのではないかと感じました。
その中で、より早く自立達成に向けてアプローチできること(環境調整、福祉用具の使用)、活動を阻害している要因に関して、もう少し情報が必要なことは考えやすいのではないかと思います。
グループワークでは、デイサービスでの様子などを知り、そこにも生活課題解決に向けたアプローチを提案できないかといった視点、疾患特性(症状、進行性か否か)などによる参加・活動面への影響、転倒の機能レベルでの評価や転倒場面の分析など色々な意見が出て大変参考になりました。
はじめ、地域ケア会議と聞いて、助言などできるのかと感じていました。
しかし、めちゃくちゃ勉強できる場であり、他職種の意見を聞けることは、利用者の自立支援を行っていく上で、幅がすごい広がるのではないかと思います。
機会があれば参加したい!このような気持ちに変わりました。
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日常生活活動の自立支援を助ける動作分析のためには、まずその動作を各工程に分ける必要があります。
各工程に分けることでどの工程の、どの部分に行いにくさがあるのか、また自分でできることは何かが把握できるようになります。
入浴動作を例にとり動作を各工程に分けてみます。
①移動:脱衣所までの移動。
②衣服着脱:脱衣所での衣服の着脱。
③浴室移動:浴室内での移動。
④掛け湯
⑤またぎ動作
⑥浴槽内姿勢:浴槽に浸かる時の姿勢保持
⑦洗身
⑧洗髪
…となります。
またぎ動作を例にとり動作ができない要因を考えていきます。
①個人因子
身体機能ー下肢筋力低下ー生活不活発病
ー疾患由来
ー低栄養
ー歯の噛み合わせ
ー関節可動域制限
認知機能ー認知症
ー視力
ーうつ病
環境因子ー物的要因ー風呂場の環境ー浴槽の高さ
ー手すりの有無
人的要因ー家族の介助ー家族の過介護
ー本人が依存的
このようにまたぎ動作一つに対して、中項目、小項目含めると12項目もの検討するべき因子があることがわかります。
ある活動の各工程における、動作が行いにくい原因が把握できたら、次はその対応方法を検討していきます。
下肢筋力低下
①生活不活発病
生活不活発病とは、不活発な生活や安静でおきる、全身のあらゆる器官・機能に生じる心身機能の低下をいいます。
この場合、運動機能の向上も含めて、生活スケジュールの組み立てなども考慮する必要があります。
個々の症候にのみ働きかけるよりも全身の機能低下として捉える事も大切です。
②疾患由来
疾患由来で筋力低下などの機能低下が起こっている場合には、医療機関との連携が必要になります。
その方が急性症状でそのような状態に陥っているのかなど、疾患の知識と観察力も必要です。
③低栄養
低栄養状態では血液中のタンパクが低下する低アルブミン血症を引き起こします。
それにより骨格筋の筋肉量の低下や筋力低下がおきやすくなります。
この場合栄養状態の改善が必要となります。
④歯の噛み合わせ
歯の噛み合わせの悪さは、咀嚼力の低下を招き、そのことが食欲低下につながってしまうことが考えられます。
そのため、入れ歯が自分にあったものであるか、嚥下機能も含めて口腔機能の向上が必要となります。
風呂場の環境
①浴槽の高さ
浴槽の高さが高くてまたぎ動作が困難になっている場合には、福祉用具の検討が必要かもしれません。
浴槽縁に設置するタイプの手すり、すのこを敷くことでまたぎ高を調整するなどです。
②手すりの有無
手すりをとりつけることで動作の改善が図れる場合、その方にあった手すりの位置や高さを検討した上で、住宅改修を考える必要があります。
家族の介助
①家族の過介護
家族の過介護が原因で、その方の動作が行いにくくなっている可能性があります。
または介助をしすぎることにより、その方の機能や能力を奪ってしまっていることも考えられます。
この場合、家族に対する適切な介助方法の指導が必要となります。
②本人が依存的
本人が依存的な場合、動作を行える能力があるにもかかわらず、介助に頼ってしまっていることが考えられます。
この場合には、自分で動作を行うことで身体機能が維持できることなど、本人にとって有益な情報を説明することにより、依存性を取り除いていく必要があります。
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LSNS(Lubben social network scale)-6は、高齢者の社会的孤立のスクリーニング尺度として用いられている評価ツールです。
元々はLubbenが開発したLSNS(10項目)であり、6項目にした短縮版となっています。
LSNSでは社会的なネットワークの大きさやその頻度、情緒・手段的サポートについて評価を行うものとなっています。
短縮版であるLSNS-6では、家族のネットワークと家族でないネットワーク(友人)について3項目ずつの構成となっています。
各設問に対して6件法で回答していきます。
実施時間は3分程度と簡便に行えることが特徴となっています。
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社会的孤立の評価をする意義としては、
・抑うつ防止
・自殺防止
・健康増進
・QOLの向上
などにつなげることができる点にあると考えられます。
評価項目
1.少なくとも月に1回,会ったり話をしたりする家族や親戚は何人いますか?
2.あなたが,個人的なことでも話すことができるくらい気楽に感じられる家族や親戚は何人いますか?
3.あなたが,助けを求めることができるくらい親しく感じられる家族や親戚は何人いますか?
4.少なくとも月に1回,会ったり話をしたりする友人は何人いますか?
5.あなたが,個人的なことでも話すことができるくらい気楽に感じられる友人は何人いますか?
6.あなたが,助けを求めることができるくらい親しく感じられる友人は何人いますか?
回答項目
0=いない
1=1人
2=2人
3=3.4 人
4= 5~8 人
5=9人以上
詳細は、栗本 鮎美ら「日本語版LubbenSocialNetworkScale短縮版(LSNS-6)の作成と 信頼性および妥当性の検討」日本老年医学会雑誌 48巻 2号(2011:3)を参照してください。
各項目を得点を合計して総得点を算出します。
総得点の範囲は0〜30点で、得点が高いほど、社会的なネットワークが大きい(しっかりとしている)と解釈できます。
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社会的な孤立度が高ければ、様々な健康面(身体・精神)に関して低下がみられると予測されるため、このような尺度や考え方を用いて対象者の社会的孤立を評価することは大切なことだと考えられます。
また、この評価を通して、社会資源の活用(サークル活動、市民講座など)を検討するきっかけになるかもしれません。
地域リハでの療法士の役割として、社会参加を促していくことも大切だと思います。
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地域住民用ソーシャル・サポート尺度(JMS-SSS)は一般の地域住民をを対象として調査するために開発されたものです。
「配偶者」「配偶者以外の家族」「友人」の3つのサポート源に対して、基本的に同じ項目(10項目)でサポートの入手の可能性を尋ねていきます。
そのため、相互の比較もしやすくなっています。
このような項目は、心理尺度そのものを用いなくても、対象者の情報収集をする際の質問の仕方に応用できると考えます。
「配偶者」「配偶者以外の家族」「友人」について、それぞれ同じ質問項目を用いて調査を行います。
配偶者(妻または夫)がいない場合、それ以外のカテゴリーについて調査していきます。
評価の尺度は「非常にそう思う:1点」「まあそう思う:2点」「あまりそう思わない:3点」「まったくそう思わない:4点」となっています。
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評価項目
(1)あなたに何か困ったことがあって、自分の力ではどうしようもないとき、助けてくれる。
(2)物事をいろいろよく話し合って、一緒に取り組んでゆける。
(3)あなたが経済的に困っているときに、頼りになる。
(4)あなたが病気で寝込んだときに、身の回りの世話をしてくれる。
(5)引越しをしなければならなくなったときに、手伝ってくれる。
(6)家事をやったり、手伝ったりしてくれる。
(7)気持ちが通じ合う。
(8)あなたの喜びを我がことのように喜んでくれる。
(9)お互いの考え方や将来のことなどを話し合うことができる。
(10)配偶者がいるので孤独ではないと思う。
サポート源別に、各項目に対する点数を集計して、合計点を算出します。
なお、サポート源が存在しない場合(配偶者がいないなど)では、全項目を0点とします。
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ソーシャルサポートは、心身の健康維持や社会的関係性の維持にとって重要です。
ソーシャルサポートは対人関係における「援助」に対して焦点を当てています。
高齢者用ソーシャル・サポート尺度は、その内容を情緒的なものと手段的なもの、さらにはネガティブサポート(サポート提供側の意図と受けてにもたらされる結果の不一致)を含んでいます。
「配偶者以外の同居家族」「別居の子どもまたは親戚」「友人・知人・近隣の人など」の3種類の対人関係に対して、サポートが得られる度合いを測定します。
面接を通して行われ、対象は高齢者一般となります。
情緒的サポート、手段的サポート、ネガティブサポートの3種類のサポート各4項目で、合計12項目があります。
なお、配偶者のサポートは本尺度には含まれていないため、別途調査が必要になります。
各項目につきサポート提供者が「いる」:1点、「いない」:0点とします。他の選択肢には「わからない」もあります。
基本は「はい」「いいえ」で答えてもらい、どうしても回答不能な場合に「わからない」とし、欠損値とします。
項目(2)、(3)、(8)は実際の経験があればそれに基づき回答してもらいます。
下位尺度別に合計点を算出します。
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評価項目
*( )に①、②、③の項目の言葉を入れ替えて質問していきます。
①(ご主人)(奥様)以外の同居のご家族
②別居の子どもまたはご親戚
③友人、知人、近隣の人など
*単身あるいは老人夫婦のみの場合、①は非該当とし、②から質問を始めます。
(1)( )のなかに、心配事や悩み事を聞いてくれる人はいますか。
(2)もし仮に、あなたが病気で数日間寝込んだ時に、( )のなかに、看病や世話をしてくれる人はいますか。
(3)もし仮に、あなたが病気で1ヶ月くらい寝込んだ時に、( )のなかに、看病や世話をしてくれる人はいますか。
(4)( )のなかに、あなたをいらいらさせたり怒らせる人はいますか。
(5)( )のなかに、あなたに気を配ったり思いやったりしてくれる人はいますか。
(6)( )のなかに、あなたに文句や小言を言う人はいますか。
(7)( )のなかに、あなたを元気づけてくれる人はいますか
(8)もし仮に、まとまたお金が必要になった時に、( )のなかに、貸してくれる人はいますか。
(9)( )のなかに、あなたの世話をやきすぎたり余計なお世話をする人はいますか
(10)( )のなかに、あなたをくつろいだ気分にしてくれる人はいますか。
(11)( )のなかに、留守の時やちょっとした用事を頼める人はいますか。
(12)( )のなかに、あなたに面倒をかけすぎる人はいますか。
情緒的サポートには項目(1)(5)(7)(10)があてはまります。
手段的サポートには項目(2)(3)(8)(11)があてはまります。
ネガティブサポートには項目(4)(6)(9)(12)があてはまります。
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国際生活分類(ICF)では、「健康状態」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」のカテゴリーに分けて、プラスの側面とマイナスの側面を評価し、その相互作用や独立性から対象者の状態・状況を知ることができます。
また、評価結果から、対象者が目標とする生活を送るにはどのような側面を用いれば遂行できるかを考えるツールにもなります。
参加レベルの評価が重要なのはなぜでしょうか。
それは、地域社会で生活をしていると、自身のセルフケアといった活動レベルや身体機能レベルのみでは対象者の満足度や社会生活への適応は知ることができないためです。
地域社会で生活をしていると、各人が役割を持ち、仕事や遊びなどに参加することで、自身の生活が充実して満足感を得られるようになります。
このようなことから、参加レベルでの評価が大切になり、さらに言うならば、何か数値化できるような評価ツールがあればなおさらよいといえます。
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CIM(Community Integ ration Measure)はMcCollらによって作成された社会参加を測定する評価ツールです。
CIMは10項目の質問から構成され、各質問に対して、「5:いつもそうである」「4:時々そうである」「3:どちらともいえない」「2:時々そうではない」「1:いつもそうではない」の5件法によって評価を行います。
主な質問としては、地域社会での存在感・知識・人との関わり方・過ごし方などに関するものです。
評価項目
1)私は、この地域の一員であると感じる
2)私は、この地域をよくわかっている
3)私は、住んでいるところの生活ルールを守りながら暮らしている
4)私は、この地域の人たちに受け入れられているように感じる
5)私は、この地域で自立した生活ができる
6)私は、今、住んでいるところが気に入っている
7)この地域には、私にとって親しい人がいる
8)この地域の人たち と私は 、よくあいさつを交わす
9)私には、この地域で楽しんでしていることがある
10)私は、 この地域で充実した日課を送っているhttps://static-content.springer.com/esm/art%3A10.1186%2Fs13033-017-0138-2/MediaObjects/13033_2017_138_MOESM1_ESM.pdf
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各質問の点数を合計します。
特典範囲は10〜50点で、得点が高いほど地域社会への適応がなされていると解釈されます。
作業療法の立場からすると、この質問を利用して、「普段どのような生活を送っているのか」、「過去はどうだったか」、「なぜこのような点数になったのか」、「どうすればしていけば充実/満足を得られるのか」などといった具体的な課題につなげていくことが大切だと考えています。
このような数値化できる評価は大切なので、質的な評価と合わせて実施する必要があります。
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Kiss-18(Kikuchi’s Scale of Social Skill)は、自分が持っている社会的スキルについて測定する評価ツールです。
Kiss-18は18項目から構成され、各質問に対して、「5:いつもそうだ」から「1:いつもそうでない」の5件法にて評価します。
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評価項目
1.他人と話していて、あまり会話が途切れないほうですか。
2.他人にやってもらいたいことを、うまく指示することができますか。
3.他人を助けることを、上手にやれますか。
4.他人が怒っているときに、うまくなだめることができますか。
5.知らない人とでも、すぐに会話が始められますか。
6.まわりの人たちとのあいだでトラブルが起きても、 それを上手に処理できますか。
7.こわさや恐ろしさを感じたときに、それをうまく処理できますか。
8.気まずいことがあった相手と、上手に和解できますか。
9.仕事をするときに、何をどうやったらよいか決められますか。
10.他人が話しているところに 、気軽に参加できますか。
11.相手から非難されたときにも、 それをうまく片付けることができますか。
12.仕事の上で、 どこに問題があるかすぐに見つけることができますか。
13.自分の感情や気持ちを、素直に表現できますか。
14.あちこちから矛盾した話が伝わってきても、うまく処理できますか。
15.初対面の人に、自己紹介が上手にできますか。
16.何か失敗したときに、すぐに謝ることができますか。
17.まわりの人たちが自分とは違った考えを持っていても、うまくやっていけますか。
18.仕事の目標を立てるのに、あまり困難を感じないほうですか。http://repository.ris.ac.jp/dspace/bitstream/11266/5228/1/shinrikenkiyo_011_063.pdf
各項目の合計点を算出し(18〜90点)、得点が高いほど社会的スキルが高いことを示しています。
このような社会的スキルを測定するのは、就労だけではなく学業や集団生活を送る上でも役に立ちます。
この評価を通じて対象者の得意な所、苦手な所が把握でき、そこから具体的な話につなげることができれば、うまく遂行するにはどのようにすればよいのかも考えることができます。
なお、より詳細に評価したい場合は、質問数が多い本語版SSI(Social Skills Inventory)があります。
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看取りの支援では、利用者の意思決定が可能な間に最期をどのように迎えたいかの意向を確認しておく必要があります。
利用者・家族は不安も抱えていることも多く、どのような経過をたどるか、家族の負担が大きくならないか、必要な医療が受けられるか、急変時はどうすればよいか、などで悩むこともあります。
身体機能の低下は、時間とともに、病態ごとに異なる軌道となります。
がんの場合、身体機能は最終段階でもある程度維持されており、意識もはっきりし自立した生活も可能です。
死亡の1ヶ月から2週間以降、急激に身体機能の低下がみられます。
内臓疾患では、慢性疾患の状態から急性増悪となったり、合併症を併発したりしながら、徐々に身体機能の低下がみられます。
悪化と改善を繰り返す中で、急性増悪や合併症の治療がうまくいかずに死に至ります。
この経過の中ではどの時点が看取りとなるかが判断しにくくなります。
認知症や脳血管障害、老衰などでは、長い経過の中で身体機能が低下していきます。
加齢に伴うやせや筋肉量の低下が進み、身体機能が低下して寝たきりへと移行します。
最期は肺炎などの合併症により亡くなることが多くあります。
看取りの時期では、様々な気持ちの揺らぎがみられます。
予後についての説明を受けるときに、気持ちの揺らぎに大きな影響を及ぼします。
予後の説明をどのように説明を受け、どのように受け止めているかにより、最期の迎え方の決定に影響を及ぼすことになります。
しかし、医師から説明を受けていても、本人や家族は理解できていないこともあるため、ケアマネージャーはその点を確認する必要があります。
死にゆく人の心理過程として、「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」があります(キューブラー・ロス)。
全てがこの段階通りに進むわけではありませんが、気持ちの揺らぎの理解の一助となります。
この時期では、利用者や家族の死を受け止めるための経過への支援が必要になります。家族へは不安解消に向けた支援も行います。
まず、医師から受けた説明を理解しているか確認します。予後や病状の変化についての理解を促すことも重要です。
利用者、家族の価値観も様々で、大切にしたいこと、嫌だと思うこと、最期をどう生きるかなどの確認します。
例えば、どんな状況でも入院はしたくない、自宅で最期を迎えたいから救急車は呼ばないでほしいなどがあります。
延命治療については、生前の意思表示、それを記録したリビングウィル(事前確認書)を共通認識としておきます。
在宅での看取りでは、介護をするキーパーソンと、治療・介護方針を決定するキーパーソンが異なる場合があります。
家族の誰がどのような役割を担うかを把握しないと、最終的に利用者に負担がかかり、在宅での看取りが行えなくなる可能性があります。
検討することとしては、訪問診療・訪問看護の導入、最期を迎える場所や環境、緊急時の連絡方法、急変時の対応、予測される予後・病状に応じたサービスの頻度の調整、24時間連絡体制における緊急時の加算などがあります。
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この時期では痛みなどに対する直接的な支援と精神的な負担に対する支援が必要です。
家族は苦しんでいる姿を見たりする中で葛藤が起こりやすい時期であるため、家族に対する精神的な支援も必要となります。
家族は利用者が苦しんでいる姿を24時間のなかで関わるため、精神的に負担があればすぐに伝えてもらうようにし、ケアマネージャーもいくつかのケアプランのパターンを用意しておき、その時の状況に応じた、適切なサービスの利用を検討していきます。
利用者の状態の変化をつかむことも大事で、その都度ケアプランを検討する必要があります。
また、複数の病状が出現することもあり、訪問看護師や医師から情報を得て、ケアプランの見直しに役立てます。
ケアチーム内では、急変時の対応を確認しておき、チーム全体で共有しておくことが重要になります。
そのほか、家族の希望や不安、心配について、本人の病状の変化、ADL全般の情報について共有しておきます。
ケアマネジメントにおいては、本人や家族のしたいこと、やり残したいことの確認、日常生活のケアや環境整備、本人・家族の療養場所の意向確認、状態変化に応じた役割の変更、介護力低下の場合のサービス検討、病態の変化に応じたサービス頻度の検討を行います。
この時期ではADLの低下が急速に見られ、サービスが1週間程度入らないと、利用者の状態が大きく変化してしまうことがあります。
そのため利用者の状態像を把握し、予後予測とともにアセスメントを行い、ケアプランを修正していきます。
看取りではいつ変化がおこるかわからないこともあるため、あらかじめ訪問看護などをサービスに取り入れておくことも必要です。
家族の疲労や精神的負担が大きくなった場合のサービス導入の検討を行います。
レスパイトケアの視点も必要になります。
ケアチーム内の情報共有も重要で、医療チームとしては急変時の延命処置などを話し合っておく必要があります。
また予測される予後や病状の変化の理解を家族や介護チームに促すことも必要です。
家族の不安や介護疲労への配慮も大切になります。
介護チームとしては利用者への身体的安楽への支援を行い、病状変化についての観察視点を共有します。
急変時の連絡方法の確認も必要です。
この時期ではADLの自立度は急速に低下し、ほとんど自分から動くことがなくなります。
倦怠感の増加や食事量の減少、呼吸苦や痛みの増悪などがみられる場合もあります。
傾眠傾向になり、または急に元気になることもありますが、尿量減少、血圧の低下、手足の冷感、意識のうすれがみられ、家族の覚悟が現実的になる時期です。
この時期医療チームとしては、死が近いことを家族が理解しているか、医師の説明を理解しているかを確認します。
また家族へ死期の身体的な変化を理解してもらうよう伝えます。
家族に悔いの残らないように支援します。
介護チームとしては、訪問看護師と連携し、情報を共有しながら日常生活の支援を行います。
ケアマネジメントとしては、病状の変化に応じた再アセスメントプラン見直し、家族の負担が大きくなった場合のサービス導入検討、急変時の対応、連絡方法の確認をしていきます。