バランス評価やバランス評価バッテリーの概要と評価方法、結果の解釈、リハビリ方法についてまとめていきたいと思います。
目次
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脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ 原著第3版
Glen Gillen 三輪書店 2015-05-08
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浅野 広大ら「歩行・バランス機能評価」Clinical REHABILITATION Vol.26 No.1 2017.1
脳卒中機能評価セミナー・予後予測セミナー 講義資料
井上 由里ら「高齢者の転倒予防自己効力感と転倒 および日常生活活動能力の関係 ―前向き研究より―」身体教育医学研究 13:1-7,2012
石垣 尚男ら「高齢者の視機能トレーニングによるバランス力の改善」愛知工業大学研究報告 第 47 号 平成 24 年
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既往歴は、予後と目標立案に影響する可能性があります。
例えば脳卒中者では、以前の骨折等が影響し、中枢神経系由来の症状に加えて、筋骨格系の異常が含まれているかもしれません。
糖尿病性神経障害、視覚障害、めまい、腰部の機能障害などが挙げられます。
病前の生活を把握することで、対象者のニーズに合うリハビリテーション計画を立案する助けになります。
・起床時間
・入浴方法(清拭、シャワー、浴槽)
*入浴方法は、対象者にバランスの問題があるかもしれないことを示唆しています。
・動作に休憩が必要か、ADL動作を時間外に分散させる必要があるか
*バランスに関連した持久力の問題を反映している可能性があります。
・対象者が家庭で行っていたこと(1日のスケジュール)
・病前の歩行状態(独歩、補助具の使用)
・日常課題を行うのに介助が必要だったか、それはどのような介助だったか
・地域で自立した生活をしていたか
・過去半年で地域生活に変化はあったか
対象者が、バランス障害が普段の活動への参加の制限をどの程度認識しているかを把握します。
入院初期では、主にセルフケアや移動の領域の問題を認識していることが多くあります。
退院前では、セルフケアの領域は問題に感じていないこともあり、外泊を通して家事などのiADL領域の問題を認識しているかもしれません。
地域生活をしている方では、交通機関の利用、地域の行事への参加などにバランス障害の影響を考えている可能性もあります。
これらを知ることは、リハビリテーション計画で、意味ある目標を立案する上で重要になります。
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バランスに関連する要素として、入力系である感覚器、それらの情報伝達のための神経伝導路、制御部の中枢神経系、出力部の筋・骨格系があります。
感覚系には視覚、前庭迷路、体性感覚があり、各伝導路により中枢神経系へ情報が伝達されます。
その情報から筋・骨格系を制御し、最終的に姿勢が適切な状態に保たれます。
POMA(Performance Oriented Mobility Assessment)はバランス能力の評価ツールの一つです。
POMAは16項目から構成されており、そのうち9項目はバランスに関すること、7項目は歩行に関することになっています。
各項目は0〜2点の3件法で評価していきます。
ストップウォッチ、メジャー、椅子(肘掛なし)
1.座位バランス
2.起立
3.起立の試み
4.起立直後のバランス(最初の5秒間)
5.立位バランス
6.軽く押す(できるだけ閉脚にて座位をとらせ、胸骨部を手掌で3回軽く押す)
7.閉眼立位(できる限り閉脚立位にて行う)
8.360°回転
9.着座
10.歩行の開始(歩行の指示を与えた直後)
11.ステップの長さと高さ
右下肢の振り出し
左下肢の振り出し
12.ステップの対称性
13.ステップの連続性
14.歩行経路の偏倚(左右どちらかの足の偏倚を約3m観察する)
15.体幹
16.歩行時の歩隔
各評価項目の採点基準については以下の書籍を参照してください。
バランスの項目は0〜16点の得点範囲となり、歩行の項目は0〜12点の得点範囲となり、合計の範囲は0〜28点となります。
得点が高いほど、バランス、歩行能力が高いことを示しています。
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Berg Balance Scaleは機能的バランス指標のひとつで、座位、立位、昇降など様々なバランス能力に関する14項目をそれぞれ0〜4段階で評価していきます。
評価項目が多いことから、評価時間は20分程度かかります。
順序尺度の合算で構成される複数課題の評価で、バランス障害の原因を検索することよりも、転倒リスクの予測やリハや治療の効果判定に使用される。
「歩行・バランス機能評価」Clinical REHABILITATION Vol.26 No.1 2017.1
評価者によるばらつきがみられること、また運動麻痺が軽度であったり、歩行可能な対象者では天井効果が認められることがあります。
評価項目
◯立ち上がり (椅子坐位からの立ち上がり)
4:立ち上がり可能 3:手を用いれば一人で立ち上がり可能 2:数回試した後、手を用いて立ち上がり可能 1:立ったり、平衡をとるために最小限の介助が必要 0:立ち上がりに中等度ないし高度な介助が必要
◯立位保持
4:安全に2分間立位保持可能 3:監視下で2分間立位保持可能 2:30秒間立位保持可能 1:30秒間立位保持に数回の試行が必要 0:介助なしには30秒間立っていられない
*2分間安全に立位保持できれば、坐位保持の項目は満点とし、 「坐り(立位から坐位へ)」の項目にすすむ
◯座位保持
4:安全確実に2分間坐位をとることが可能 3:監視下で2分間坐位をとることが可能 2:30秒間坐位をとることが可能 1:10秒間坐位をとることが可能 0:介助なしでは10秒間坐位をとることが不可能
◯坐り (立位から坐位へ)
4:ほとんど手を使用せずに安全に坐ることが可能 3:両手でしゃがみ動作を制御する 2:両下腿背側を椅子に押しつけてしゃがみ動作を制御する 1:坐れるがしゃがみ動作の制御ができない 0:介助しないとしゃがみ動作ができない
◯トランスファー
4:ほとんど手を使用せずに安全にトランスファーが可能 3:手を十分に用いれば安全にトランスファーが可能 2:言葉での誘導もしくは監視があればトランスファーが可能 1:トランスファーに介助者1名が必要 0:2名の介助者もしくは安全面での監視が必要
◯立位保持(閉眼)
4:安全に10秒間閉眼立位可能 3:監視のもとで10秒間閉眼立位可能 2:3秒間は立位保持可能 1:閉眼で3秒間立位保持できないが、ぐらつかないで立っていられる 0:転倒しないよう介助が必要
◯立位保持(両足を一緒に揃える)
4:一人で足を揃えることができ、1分間安全に立位可能 3:一人で足を揃えることができ、1 分間監視 2:一人で足を揃えることはできるが、30秒立位は不可能 1:開脚立位をとるために介助が必要であるが、足を揃えて15秒 立位可能 0:開脚立位をとるために介助が必要で、15 秒立位保持不可
◯立位保持しながら両手前方 (上肢を前方へ伸ばす範囲)
4:確実に25㎝以上前方へリーチ可能 3:12.5㎝以上安全に前方へリーチ可能 2:5㎝以上安全に前方へリーチ可能 1:監視があれば前方へリーチ可能 0:転倒しないように介助が必要
◯立位保持しながら拾い上げ (床から物を拾う)
4:安全かつ簡単に靴 (あるいはスリッパ) を拾い上げることが可能 3:監視があれば靴 (あるいはスリッパ )を拾い上げることが可能 2:独力で平衡を保ったまま2.5~5㎝のところに置いたスリッパまで リーチできるが、拾い上げることはできない 1:検査中監視が必要であり、拾い上げることもできない 0:転倒しないように介助が必要で、検査ができない
◯立位保持しながら振り返り (左右の肩越しに後ろを振り向く)
4:上手に体重移動しながら、両方向から振り向ける 3:一方向からのみ振り向きができる。もう一方向では体重移動が少ない 2:横を向けるだけだが、バランスは保てる 1:振り向く動作中に監視が必要 0:転倒しないように介助が必要
◯立位保持しながら 360°方向転換 (1回転)
4:4秒以内に両方向安全に1周回ることが可能 3:4秒以内に一方向のみ安全に1周回ることが可能 2:ゆっくりとなら1周回ることが可能 1:間近での監視が必要か、言葉での手がかりが必要 0:1周するのに介助が必要
◯立位保持しながら踏み台昇降
4:支持なしで安全にかつ20秒以内に8回足のせが可能 3:支持なしで20秒以上必要であるが、完全に8回足のせが可能 2:監視下であるが、介助不要で、完全に4回足のせが可能 1:最小限の介助で、完全に2回以上の足のせが可能 0:転倒しないよう介助が必要。または試行不可能
◯タンデム立位 (片足を前に出した立位保持)
4:単独で継ぎ足を取ることができ、30秒保持可能 3:単独で足を別の足の前に置くことができ、30秒保持可能2:単独で足をわずかにずらし、30秒保持可能 1:検査姿勢をとるために介助を要するが、15秒保持可能 0:足を出すとき、または立っているときにバランスを崩してしまう
◯片足立位
4:単独で片足を上げ、10秒以上保持可能3:単独で片足を上げ、5~10秒保持可能2:単独で片足を上げ、3秒もしくはそれ以上保持可能1:片足を上げることはできるが、片足立ちを3秒保持することができない0:試行不可能、もしくは転倒予防に介助が必要
14項目、最大得点は56点で、20点以下がバランス障害あり、21点以上40点以下がバランス能力あり、41点以上が良好なバランス能力となります。
屋内歩行自立のカットオフ値は43 点されています。
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ABCSは、対象者の認知検査で、実用的な活動と転倒に対するリスク認識についての障害の捉え方を把握するものです。
検査は16項目あり、ある課題を遂行しようとした際の転倒のリスク認識を採点するように対象者に求めます。
ABCSは、外来患者や在宅で生活している対象者に適しているとされています。
質問方法:
「以下の各場面において、バランスを崩さない、または不安定になるかについて、あなたのバランスに対する自信を%で示してください。」
「もしある場面を行っていなかったとしても、その行動を行っている状況をイメージしてみてください。」
「杖などの歩行を助ける道具を使用している場合、それらを使用している場面での自信を示してください。」
評価項目:
①家の周りを歩く
②階段の昇り降り
③腰をかがめて、手前の戸棚からスリッパを出す
④目の高さの棚に手を伸ばして、缶を取り出す
⑤つま先で立って、頭上の物に手を伸ばす
⑥椅子の上に立って、手を伸ばす
⑦床を掃く
⑧家の前の車まで歩く
⑨車に乗り込む
⑩駐車場を横切って、ショッピングセンターまで歩く
⑪歩いて坂を上ったり下ったりする
⑫人通りの多い往来が激しいショッピングセンターを歩く
⑬ショッピングセンターを歩いている時に人にぶつかる
⑭手すりにつかまりながらエスカレーターに乗る、もしくは降りる
⑮荷物を持っていて手すりにつかまれない時にエスカレーターに乗る、もしくは降りる
⑯凍った歩道の上を歩く
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足関節戦略は、足長に対して長く硬い、変動がおきにくい支持面でのバランス保持に用いられます。
小さくゆっくりとして揺動の制御に用いられます。
評価では、
①腰の幅に足を広げさせ、硬い地面の上に立たせます。
*この際の足関節の動揺に注意して観察します。
*効率的に行うことができれば、支持面を狭め(足幅を狭め)、課題のレベルを高くします。両足をそろえて立つことで支持基底面を小さくし、安定性限界を狭め、重心動揺の制御の必要性を高めます。
*課題レベルが高くなれば、足関節戦略の使用の増加に注意を払います。
通常、両足を揃えても、人は足関節戦略と最小限の股関節戦略でバランス維持が可能です。
この肢位で足関節戦略の不使用、もしくはステッピング戦略の使用は、自動姿勢応答を生じる能力に問題があることを示しています。
股関節戦略は、足長に対して短い支持面で、それが柔軟もしくは足関節戦略が無効(無効だと認識されるものも含む)なときのバランス保持に用いられます。
機能の高い対象者の評価では、
①足底の中央のみが支持を受ける平均台(10cm程度)に立たせます。
*支持面がこの幅だと足関節周囲に十分なトルクを生じさせることができず、足関節戦略は無効になります。
その他の評価としては、
①クッション性のある10cm幅の素材の上に立たせます。
*この状況では足関節周囲に十分なトルクを生じさせることができず、足関節戦略は無効になります。
過剰な足関節戦略の使用や、ステッピン方略のみの使用は、股関節方略を生じる能力に問題があることを示しています。
側方股関節戦略の評価では、
①継ぎ足位をとらせます。
*この姿勢は外側支持基底面を狭くします。
足関節戦略では有効な外側幅が限られているため、バランス維持のために股関節戦略を用います。
*硬い支持面で行える場合、支持基底面を狭くするために平均台の上で同課題を行います。
全ての評価において、どのような戦略が用いられているか、その有効性を評価します。
バランスの喪失は、特定の戦略の失敗を示しています。
ステッピング戦略の評価では、さらに姿勢制御機構を刺激する必要があります。
例えば、前途した全ての条件を組み合わせます。
柔軟な支持面で両足を揃える、もしくは継ぎ足位をとらせます。
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Timed Up and Go Test(TUG Test)は立位や歩行における動的バランスを評価する指標です。
このテストは移乗動作との関係があり、バランス能力や転倒のリスク評価のためにリハビリテーション開始時から用いられることが多い評価方法です。
慢性期の脳卒中者の運動機能評価に強く推奨されてているとあります。
心疾患、パーキンソン病、関節リウマチ、脳血管障害等の対象者、またはそれらを患った虚弱高齢者の評価に用いられ、パーキンソニズムでのすくみ足や運動減少症(寡動 · 麻痺はないのに自発運動
標準的な高さ(一般的に40cm程度の高さ)の椅子(肘掛付き)で座位をとり、検者の合図により椅子から立ち上がり、「楽なペースで」または「できるだけ速く」前進し、3m先の目標物(パイロンなど)で方向転換し、もとの椅子に戻って腰掛けるまでの時間をストップウォッチで計測し、平均値を算出します。
方向転換位は決められた規定はなく、立ち上がり、着座、ターンの定性的(動作観察により安定性、自立度、実用性を評価する)分析も行います。
*原法では快適速度(楽なペース)と規定されていますが、対象者により快適速度の捉え方や再現性にばらつきが見られる可能性もあるため、最大速度で実施する場合もあります。
健常高齢者の中央値は8.5秒で、脳卒中患者では院内実用歩行達成レベルのカットオフ値が20秒、屋外歩行実用レベルのカットオフ値が17秒だとされています。
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バランス保持には、視覚、前庭覚、体性感覚からの情報が重要になります。
視覚系は、垂直方向性や視覚の流れに関する情報を提供します。
オプティカルフローの情報は、個人や環境の動きを探るのに重要な情報入力となります。
視覚情報はあいまいなため、精度を求めるには他の感覚情報と比較する必要があります。
体性感覚情報は、足底の皮膚受容器、圧受容器、筋紡錘、関節受容器からなります。
体性感覚情報はあいまいな可能性があります。
例えば、足関節背屈は身体が支持基底面上で前方移動していることを示しますが、坂道に立っていると正中姿勢と一致することがあります。
前庭系は、頭部の位置や、重力に関連する空間での頭部運動の決定に役立ちます。
①全ての感覚系からの情報入力あり
対象者は開眼で安定した支持面に立ち、その反応を観察します。
②閉眼による視覚入力の遮断
対象者は閉眼で安定した支持面に立ち、その反応を観察します。
*この条件では、平衡維持のために体性感覚と前庭情報入力のみとなります。
*体性感覚と前庭情報から誤った情報が入力される場合や、視覚入力に依存することに慣れている場合、姿勢応答が生じる可能性があります。
③不正確な体性感覚情報
対象者は、誤った体性感覚情報を提供するためのクッション(厚さ約10cm程度)上に立ち、反応を観察します。
*この条件では主に視覚、前庭覚の情報入力で平衡を維持します。
*誤った体性感覚情報を認識、検知すると姿勢応答が乱れます。
④閉眼による視覚入力の遮断、不正確な体性感覚情報
対象者は、閉眼にて10cm程度のクッション上に立ち、その反応を観察します。
*平衡維持には前庭情報のみが使用されます。
*前庭系の障害、もしくは情報統合能力の障害により平衡が維持できなくなります。
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身体能力が残されているにもかかわらず、移動や位置の変化を求める活動を避けようとする永続的な恐れと定義されています。
転倒恐怖感は、転倒の要因のひとつに挙げられています。
Modified Falls Efficacy Scale(MFES)は、転倒恐怖感を量的に評価するために開発されたものです。
14項目(ADL10項目、屋外活動4項目)から構成さる、自己記入式の評価となっています。
各活動を転倒することなく、やってのける自信はどれくらいかを 「0:全くない」から、「10:完全にある」までの10件法で回答します。
MFESは普段は家事を行わない、バスや電車を利用しないなど日常的に行っていない活動に関する質問に対しては、もし行うとすれば、転ばないでどれくらい自信を持って行えるかを予想して数値化してもら必要があります。
0 :全くない→ 10 :完全にある
0 - 1 - 2 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - 9 - 10
1 風呂に入る
2 戸棚やタンス・物置の所まで行く
3 食事の準備(調理・配膳)をする
4 家の中の廊下や畳を歩き回る
5 布団に入る,布団から起き上がる
6 来客(玄関・ドア)や電話に応じる
7 椅子に掛ける・椅子から立ち上がる
8 衣服の着脱を行う
9軽い家事を行う
10 軽い買い物を行う
11 バスや電車を利用する
12 道路(横断歩道)を渡る
13 庭いじりをする,又は洗濯物を干す
14 玄関や勝手口に段差を越す
得点が高いほど転ばない自信があり、転倒恐怖感が軽度であることを示します。
高齢者は転倒予防自己効力感が低い場合、自ら身体活動を制限し、将来的に廃用性症候群を招きやすく転倒のリスク因子にもなり得るとされています。
MFESは転倒恐怖感としてだけでなく、日常生活に対する自己効力感としての有用性も示されています。
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通常の立位、すなわち両測定が床面に接地している立位がとれても、片脚立位となるとたちまちうまくバランスを取りにくくなる方はリハビリテーション対象者にはたくさんいると思います。
バランスをとるということには、いくつかの要素が考えられ、それは視覚、前庭覚、体性感覚からの情報が重要になります。
視覚系は、垂直方向性や視覚の流れに関する情報を提供します。
オプティカルフローの情報は、個人や環境の動きを探るのに重要な情報入力となります。
視覚情報はあいまいなため、精度を求めるには他の感覚情報と比較する必要があります。
体性感覚情報は、足底の皮膚受容器、圧受容器、筋紡錘、関節受容器からなります。
体性感覚情報はあいまいな可能性があり、例えば、足関節背屈は身体が支持基底面上で前方移動していることを示しますが、坂道に立っていると正中姿勢と一致することがあります。
前庭系は、頭部の位置や、重力に関連する空間での頭部運動の決定に役立ちます。
これに加えて重要なのが筋活動です。
片脚立位でバランスを保持するには、体幹下肢の筋活動が要求されます。
「片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺との関係」という論文では、返却立位時の体幹筋の筋活動について検討刺されています。
片脚立位時の立脚側体幹筋においては,両脚立位と比べて,主に内腹斜筋,腰部多裂筋の活動が増大し,胸部脊柱起立筋,腰部脊柱起立筋は変化が少ないことが 示された。
鈴木 哲他「片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺との関係」理学療法科学 24 ( 1 ) : 103–107 , 2009
これは立脚側、つまり体重支持している側の体幹筋の筋活動を示しています。
また、遊脚側、つまり体重支持していない側の体幹筋の筋活動については、
片脚立位時の遊脚側体幹筋においては,両脚立位と比べて,主に胸部脊柱起立筋,腰部脊柱起立筋,外腹 斜筋の活動が増大し,内腹斜筋は変化が少ないことが示された。
鈴木 哲他「片脚立位時の体幹筋活動と重心動揺との関係」理学療法科学 24 ( 1 ) : 103–107 , 2009
とあります。
遊脚側の体幹筋の活動は、そのままだと重力により水平方向を保てなくなるのを防ぐために活動していることがうかがえます。
この研究では、遊脚側の外腹斜筋が側方動揺のコントロールに関与しているのではないかとも考察しています。
よく片麻痺の方で、非麻痺側の荷重での片脚立位が不安定な方がいますが、これは遊脚側である麻痺側の体幹筋による側方動揺のコントロールが不十分であることも考えられます。
片脚立位でのバランス保持において下肢筋活動で最も重要なのは、おそらく股関節周囲筋だと思います。
特に、中殿筋の筋活動により、側方の動揺に対するコントロールが行われます。
また、中殿筋は内転筋群と協同して働くことにより、大腿骨頭の安定性を高めることが知られています。
このことからも、片脚立位でのバランス保持能力の向上を狙うには、中殿筋だけでなく、内転筋の筋力、前途した体幹筋が協調して働くようなシステムとしてのトレーニングを検討していく必要があるといえます。
その他の要素としては、
支持側の中臀筋・小臀筋・大腿筋膜張筋・大臀筋上部繊維と腸脛靭帯や筋膜における受動的緊張を必要とします。
脳卒中の動作分析 臨床推論から治療アプローチまで
とあります。
これら筋肉の適切な筋緊張が保たれている必要があることがうかがえます。
片脚立位によるバランス保持では、足関節でのコントロールが重要です。
足関節でのバランスのコントロールについて、
健常者では姿勢制御の要求が増すのに合わせて、足部内在筋の活動が増し、足部を安定させることでバランスが維持される。
また踵骨のアライメントは足部内反に影響を与え、足部のアーチが高いと重心移動量が多くなる
脳卒中の動作分析 臨床推論から治療アプローチまで
とあります。
足部の筋活動が低いと、バランス保持が難しくなるというのは有名な話だと思います。
足部の適切な筋活動を得るには適切な足部のアライメントも当然ながら必要になります。
足のアーチの評価も重要になります。
ちなみに、足の内在筋ではなく外在筋が優位になると、タオルギャザー活動をするときにみられるような指の屈曲が強くみられます。
片脚立位と体性感覚についてですが、重要なのが足底感覚になります。
足底の感覚が不十分でならば、特に視覚によるアシストが得られないような状況ではバランス保持が難しくなります。
さらに細かく考えていきます。
片脚立位では立脚側の足底の圧の移動に注意を向けておく必要があります。
圧が外側に移動すれば、自分の重心が外側に移動したことがわかります。
また圧が内側に移動すれば、自分の重心が内側に移動したことがわかります。
重心が外側に移動していけば、足部は内反方向へ運動が起こりますが、この時バランス保持のためには足関節外反を行う筋の収縮が必要になります。
このように、足底で圧の変化に伴う重心移動を知覚できるかどうかというのは、バランス保持には大切な要素になります。
脳卒中の片麻痺者において、非麻痺側で片脚立位でバランスを保持することができれば、理論的にはトイレ動作におけるズボンの上げ下ろしは可能になるはずです。
しかし、脳卒中片麻痺者では非麻痺側の片脚立位が困難なことが多くみられます。
よく、非麻痺側は健康にあらずというような事が聞かれます。
錐体路は非麻痺側にも影響を及ぼすためです。
また、麻痺側の不安定性を代償するために非麻痺側に過剰な筋活動が生じている場合もあるかもしれません。
想像してほしいのですが、健康的な方でも、足にかなり力が入っている状態では、圧などを知覚することは難しいはずです。
前途した体幹筋、下肢筋の筋活動、足部の安定性と知覚機能などに加え、非麻痺側の状態を評価していくことも重要になります。
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不正確な体性感覚 視覚の欠損、不正確な体性感覚 不正確な視覚、不正確な体性感覚 (動揺連動支持面) |
高さのある引き出しを股・膝関節屈曲して開ける間、カーペット上に立っている 屋外の草の上、海岸を歩きながら物を拾い上げる エスカレーターや動く歩道へ乗る/降りる |
視覚の欠損 不正確な視覚 視覚の欠損、不正確な体性感覚 不正確な視覚、不正確な体性感覚 (矛盾した視覚情報) |
ショッピングセンターを歩く 台所の戸棚の物品に目を通す 食料品店で品物に目を通す カゴから服を出してものほし竿に干す 目を閉じて頭を後ろに倒しながらシャンプーを洗い流す |
視覚の欠損、不正確な体性感覚 不正確な視覚、不正確な体性感覚 (前庭情報にのみ頼る) |
暗い映画館で座席を探しながら斜面を上る/下る |
不正確な体性感覚 視覚の欠損、不正確な体性感覚 不正確な視覚、不正確な体性感覚 |
片足立ちでズボンをはく 戸棚の上や下にリーチするために足を縦に並べて立つ ひとつの場所から別の場所に歩く床から物を拾うために足を縦に並べて立つ |
感覚の組織化の評価から、対象者がバランスを崩しやすい実用課題を特定することが必要になります。
敷物からカーペットへの移動の間にバランスを崩す場合、平たんでない地面上でバランスを維持する検査でうまく行えないことが多くなります。
ショッピングセンターや周囲に人が多くいる場所でバランスを崩しやすい場合、矛盾した視覚情報の入力を受けながらバランス維持する課題においてうまく行えないことが多くあります。
セラピストは、1つもしくは2つの感覚システムが障害されている場合に、代償的な方略を検討する必要があります。
体性感覚障害がある場合、視覚に依存することが多く、視覚障害がある場合体性感覚に依存する場合が多くあります。
前庭系に障害がある場合、視覚または体性感覚に依存する可能性があります。
視覚障害などで体性感覚に依存している場合、例えば段階付けとして、
①平らでない地面に立ち物を持つ
②平らでない地面に立ちリーチする
③平らでない地面から平らな地面へ移動する(逆も)
④平らでない地面から平らな面へ物を運ぶ(逆も)
⑤地域課題として、歩道、芝生、砂利道、砂地などの平らでない地面での移動
が挙げられます。
行う課題は全て対象者の生活に関連した課題にする必要があります。
体性感覚障害などで視覚に依存してる場合、視野が不明瞭(暗い、照明が少ない)または誤った視覚情報を認識することでバランスが不良になる可能性があります。
夜にトイレに行く、映画館を歩く、夜間の道を歩く時にバランスを失う可能性があります。
リハビリテーションでは、薄暗いまたは見えづらい視野で、活動を行ってもらいます。
シャンプーを洗い流す時に目を閉じておく、明るい所から暗い所へ入る、歩きながら水の入ったコップを運ぶ(地面でなく、コップを見る必要がる)、会話をしながら歩く(お互いの顔を見ながら)、などがあります。
環境設定では、夜間の移動ではナイトライトの使用や廊下の電灯をつけたままにするなどが考えられます。
頭部ー眼の協調性や視線の安定性に障害があれば、実用的な活動中に問題が生じる可能性があります。
混雑したショッピングセンターで歩く、スーパーで棚の商品を見る、棚に品物を置くなどです。
中枢神経系は誤った視覚情報を無効にすることはできず、対象者はバランスを崩したように感じます。
すると、実際の現象とは一致しない姿勢反応が生じます。
リハビリテーションでは、実用課題遂行中に視線を安定させることを盛り込みます。
前庭系の障害があると、視覚または体性感覚に依存します。
リハビリテーションでは、前庭機能障害を引き起こす頭部の運動と位置を含むようにします。
床のカゴからタオルを取り出し物干し竿に干す、様々な高さにある物品を見て説明する、バスケットボールでドリブルしながら歩くなどがあります。
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バランスに関連する要素として、入力系である感覚器、それらの情報伝達のための神経伝導路、制御部の中枢神経系、出力部の筋・骨格系があります。
感覚系には視覚、前庭迷路、体性感覚があり、各伝導路により中枢神経系へ情報が伝達されます。
その情報から筋・骨格系を制御し、最終的に姿勢が適切な状態に保たれます。
感覚系では、前庭迷路はバランス制御にとって重要で、5つの伝導路により中枢へ情報伝達されます。
頭部回転に対する情報は三半規管(前・外側・後半規管)により、前後上下方向の加速情報は耳石器で検出され、前庭神経によって前庭神経核に伝達されます。これらの情報は,緊張性迷路反射など多くの姿勢反射に関わっています。
固有受容器からの情報の一部は、脊髄小脳路により小脳(脊髄小脳)へ伝達され、バランス制御や巧級性運動に関わっています。
視覚情報は立ち直り反応、リーチ動作などの巧級性動作に関わっています。
視覚情報は視神経、外側膝状体から一次視覚皮質領(第17野)から 頭項葉を経て運動前野に至り、運動・バランスに関わります。
中枢神経系では脊髄、脳幹、小脳、大脳基底核、視床、大脳皮質が関与しています。
脳幹は姿勢調節にとって重要です。
小脳は脊髄、前庭、 大脳皮質からの入力を受け、各投射部位は脊髄小脳、前庭小脳、大脳皮質小脳と呼ばれ、 バランス制御に関わっています。
大脳基底核はバランス制御・随意運動に関係していますが、 淡蒼球内節・黒質網様部から脚橋被蓋核への抑制性出力を介して前庭脊髄路、網様体脊髄路に影響を与えてバランス制御に関わっています。
バランス制御にとって基本となる伸張反射(脊髄の単シナプス反射)では、α-γ連関に よって調節され上位中枢からの影響も受けています。
姿勢・粗大運動に関わる内側活性化システムと四肢・巧緻運動に関わる外側活性化システムが筋格系を制御し、適切な姿勢保持を実現しています。
視覚系では中心視機能より周辺視機能がバランス保持に重要とされています。
周辺視野の遮蔽では、遮蔽される周辺視野面積が増えるに従い重心動揺の増加がみられ、周辺視野がバランス保持に関与していることがわかっています。
高齢者では有効視野が狭く、有効視野は中心視に負荷がかかると、周辺における認知が低下すると言われています。
高齢者では中心視処理には年齢差はあまり見られませんが、中心視の負荷が加わったり、 周辺に予測困難な対象が提示されたりすると視野が狭くなるとされています。
このことから、周辺視のトレーニングを行うことにより、バランス能力の改善が見られることが期待できる可能性があります。
石垣らは、ニンテンドーDS 「見る力を実践で鍛える DS眼力トレーニング」の中の3つの種目(ナンバータッチ、上下C、トリプルC)を使用し、重心動揺、開眼片脚立位、10m歩行を指標として効果を検証しています。
また有効視野測定や眼球運動測定も行っています。
結果は、重心動揺ではトレーニング群の開眼時の左右軌跡長のみが有意に短縮し、他の項目には有意差はなかったとされています。
トレーニング群の開眼片足立ち,10m歩行に有意差があったとされ、非トレーニング群では開眼片足立ちのみが有意で、 他の項目には有意差がなかったとされています。
有効視野,眼球運動はトレーニング群, 非トレーニング群とも有意差がなかったとされています(DSによる視機能測定では10%向上)。
この結果を受け、ニンテンドーDS 「見る力を実践で鍛える DS眼力トレーニング」により、左右へのバランス力が改善する結果が得られ、閉眼では短縮しなかったことからトレーニングによるバランス力の改善には視覚情報が関与していることを示唆したとされています。
バランスに関与する周辺視情報の指標として有効視野を測定では、トレーニングによる有意差はありませんでしたが、被験者の周辺情報、とくに水平情報の受容能力が向上し それが左右バランスの改善に寄与したのではないかと推測したとあります。
①シャッフル
3つの箱のうち、1つだけ「○」が入った箱があります。箱の位置が入れ替わっていくので、どの箱に「○」が入っているかを答えます。
素早く動く箱を眼で追いかけることで動体視力が鍛えられます。
②ABC速読
いろいろなアルファベットが左右に移動しながら連続で表示されます。初めに表示されるお題と同じアルファベットがいくつ表示されたかを数えます。
移動する物体を眼で追いかけることで動体視力が鍛えられます。
③瞬間数字
上画面に一瞬だけ表示される数字を答えるトレーニングです。眼で見たものを瞬時に記憶する瞬間視を鍛えるトレーニングです。
④瞬間記号
下画面に一瞬だけいろいろなマークが表示されます。その中から「○」があった場所を答えるトレーニングです。
⑤トリプルC
上下画面のどこかに「C」が3回表示されます。表示された順番どおりに「C」の向きを答えます。さまざまな場所に出現する「C」に視線を向けることで、眼球運動が鍛えられます。
⑥カウントC
いろいろな向きの「C」が上下画面のどこかに表示されるので、初めに表示されるお題と同じ向きの「C」の数をカウントします。
⑦周辺C
下画面の中央とその周りにいろいろな向きの「C」が表示されます。周りに表示される「C」のうち、中央と同じ向きの「C」を探して答えます。
⑧上下C
上下画面に一瞬だけ「C」が表示されます。上下とも同じ向きか、それとも違ったかを答えます。
⑨連続タッチ
下画面に現れる「□」が消えてしまう前にすばやくタッチするトレーニングです。眼で見た場所を的確に捉える力が鍛えられます。
⑩ナンバータッチ
1から20までの数字がかかれたパネルを1,2,3・・・と順にタッチしていきます。眼で見た場所を的確に捉える力が鍛えられます。
以上は基礎トレーニングですが、他にも応用編もあります。
個人的には、視機能の他に、ワーキングメモリや、注意集中力の維持、注意の分配なども課題には含まれていると考えています。
そのため、高次脳機能障害での注意障害や記憶障害を有する方への自主トレーニングメニューとしても有効な可能性があると考えています。
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運動戦略は、
支持基底面上で重心を維持するために用いられる典型的あるいは共同的パターンである。
それらは反射的あるいは随意的ではなく、自動的として特徴づけられる。脳卒中のリハビリテーション
とあります。
バランスをとるために必要な自動的な運動パターンといえます。
足関節戦略は、運動・動作が足関節を中心に行われる際、支持基底面上で重心維持のために用いられる運動パターンです。
足関節戦略を有効に利用するには、膝関節、股関節、体幹の安定性が重要になります。
この戦略では、小さなゆっくりとした揺れの運動を制御するのに必要になります。
例としては安静立位が挙げられ、列に並んでいる時などに生じる小さな揺れを制御するのに効果的です。
支持面が硬く、足長に対して長い場合に効果的です。
股関節戦略は、運動・動作が股関節を中心に行われる際、志々岐底面上で重心維持のために用いられる運動パターンです。
股関節戦略は、支持面が足長に対して短い、もしくは柔軟なな場合、安定性を維持するために効果的となります。
股関節戦略は大きい、速い揺れの運動を制御するのに必要になります。
また、足関節戦略では不十分な場合にも用いられます。
この戦略は速さと広い範囲で行えるため、重心が支持基底面の外側境界に達したときに頻繁に用いられます。
足・股関節戦略が効果的ではない、もしくは効果的でないと認識されると、支持基底面は重心の動きの方向に延長され、ステッピング戦略が生じます。
足を一歩踏み出すことによりバランスを維持します。
歩行中に各足を動かす時に効果的に用いられます。
足・股関節・ステッピング戦略は、重心運動に対する反応性の応答になります。
実際の動作では、予測的な制御も含まれます。
予測制御により、動作に先行して重心運動を軽減させることが可能です。
安定性維持のためには、以前の経験が非常に重要となります(姿勢制御に必要な筋活動の適切な順序と程度を決定するために)。
必要な筋活動量が誤認識されると、過剰もしくは不十分な修正生じる可能性があります。
例として、引っ張りながら扉を開けるのに、後方に体重移動を始めますが、扉が思ったよりも軽すぎた場合、修正しすぎることで後方へのバランスの崩れをおこすかもしれません。
バランス戦略の再教育では、生活動作において戦略が使用されているか、戦略の有効性(反応が遅れていないか、危険性はないか)、戦略が適切かどうか、を評価します。
これらは動作観察により行われます。
足関節戦略を促すには、硬い支持面上で、小さな体重移動が必要な課題を行います。
小さな体重移動は範囲の限定されたリーチ動作が有効かもしれません。
例えば、物品を片付けるために戸棚に手を伸ばす、押入れの上の棚に洗濯物を片付けなどがあります。
股関節戦略を促すには、狭い支持基底面上で大きな体重移動を必要とする課題を行います。
例えば、膝を伸展位で固定せず、引き出しや押入れに手を伸ばす動作があります。
股関節屈曲は前方への体重移動を相殺するために必要な動きです。
ステッピング戦略を促すには、支持基底面の外側に体重を移動させる課題を行います。
例えば、物品を床から拾うために支持基底面外にリーチするなどがあります。
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