膝関節に焦点を当てた評価ツールの概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
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上杉裕子 , 藤田君支 , 中村宣雄 , 柿本明博 , 黒田良祐 , 菅野伸彦 . (2013) 縦断調査による Oxford Knee Score 日本語版の信頼性・妥当性の検証 , 日本運動器看護学会 誌 . Vol8, 33 – 39.
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膝関節疾患特異的尺度(日本語版Oxford-knee score:OKS)は、膝関節疾患に焦点を当てた評価ツールです。
このようなある疾患のみに焦点を当てているものを「疾患特異的」と呼びます。
膝関節疾患特異的尺度(日本語版Oxford-knee score:OKS)は、12の質問から構成され、対象者は自己記入により回答を行っていきます。
各項目は5件法によって評価され、痛みがない、もしくは機能的に良好な状態を「4」とし、痛みが強い、もしくは機能的に状態がよくないものを「0」としています。
膝関節疾患特異的尺度(日本語版Oxford-knee score:OKS)は質問紙を対象者に配り、対象者はそれに自分で回答(選択肢を選ぶ)していく自己記入式となっています。
①通常感じた膝の痛みの程度
②体を洗ったり体を拭いたりする動作の行いやすさ
③車やバス、電車の乗降の行いやすさ
④歩くときの膝の痛みの程度
⑤ご飯を食べた後に椅子から立ち上がる動作での痛みの程度
⑥歩くときにどのくらい足を引きずることがあったか
⑦しゃがみこみ動作の後の立つ動作の行いやすさ
⑧寝ている時に膝の痛みでどのくらい睡眠を妨げらるか
⑨仕事や家事がどの程度妨げられたか
⑩膝折れや、膝の頼りなさをどの程度感じることがあったか
⑪一人で買い物をするときの行いやすさ
⑫階段を降りる動作がどの程度難しかったか
評価表は、以下を参照してください。
http://www.lab.kobe-u.ac.jp/ghs-ihny27/images/Oxford_Knee_Score.pdf
膝関節疾患特異的尺度(日本語版Oxford-knee score:OKS)は、各項目の点数を合計し、総得点を算出します。
スコアは、最低点0(最も状態が良くない)もの〜48点(最も状態が良いもの)となっています。
この評価表を通じて、セラピストは対象者がどのような動作に困難を感じ、また痛みを感じやすいのかを把握することが可能です。
それにより、対象者に合った動作方法の検討やリハビリテーションプログラムを立案することにつながります。
また、アウトカム評価としても利用することが可能です。
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WOMACとは、Western Ontario and McMaster Universities osteoarthritis indexの略称です。
WOMACは変形性膝関節症・股関節症に対する疾患特異的な評価尺度。構成は疼痛:5項目,こわばり:2項目,機能:17項目の3グループ,計24項目に自記式で回答する。 VASスケールと5段階のLikertスケールがある。
http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/11_gonarthrosis.pdf
とあります。
一方準WOMACは、WOMACに準ずる日本語版膝機能評価表の略称になっています。
準WOMACは、自己記入式の質問紙であり、各設問への回答は5段階の選択肢から成り、最高を5点、最低を1点の評価点とします。
臨床研究などでは、準WOMACの各カテゴリーを組み合わせるような形で評価として使用されていることが多いと思います。
評価項目
痛みについて
①平地を歩くときに、どの程度の痛みを覚えましたか?
②階段を昇り降りするときにどの程度の痛みを覚えましたか?
③夜、床についているとき(就寝中)にどの程度の痛みを覚えましたか?
④椅子に座ったり、床に横になっているときにどの程度の痛みを覚えましたか?
⑤まっすぐに立っているときにどの程度の痛みを覚えましたか?
動作(機能)について(下記の動作が膝の症状のためにどの程度難しく感じるかを答える)
①階段を降りる
②階段を昇る
③椅子から立ち上がる
④立っている
⑤床に向かって体をかがめる
⑥平地を歩く
⑦乗用車に乗り降りする
⑧買い物に出かける
⑨靴下をはく
⑩寝床から起き上がる
⑪靴下を脱ぐ
⑫寝床に横になる
⑬浴槽に出入りする
⑭椅子に座っている
⑮洋式のトイレで用をたす
⑯重いものを片付ける
⑰炊事洗濯など家事をする
評価項目などについては、以下のものを参考にしています。
http://waseda-sport.jp/paper/1405/1405.pdf
https://mchiro.exblog.jp/24021023/
各カテゴリーにおける各項目の合計点を100点満点に換算したり、総合スコアとして算出することがあるようです。
点数が高いほど、膝の痛みが強かったり、動作に困難さを感じていることがわかります。
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