リハビリテーションにおいて、対象者が在宅で適応して生活を送るために、住宅改修が行われることがあります。今回、住宅改修のためのチェックポイントについてまとめていきたいと思います。
目次
要介護者等が、自宅に手すりを取付ける等の住宅改修を行おうとするときは、
必要な書類(住宅改修が必要な理由書等)を添えて、申請書を提出し、工事完成後、領収書等の費用発生の事実がわかる 書類等を提出することにより、実際の住宅改修費の9割相当額が償還払いで支給されることになっています。
支給額は、支給限度基準額(20万円)の9割(18万円)が上限となっています。
ただし、平成30年8月から一定以上の所得がある方は、8割または7割の支給となるため注意してください。
支給額については、要支援、要介護区分にかかわらず定額となっています。
対象者一人につき生涯20万円までの支給限度基準額です。
ただし、要介護状態区分が重くなれば(3段階上昇時))or転居した場合は再度20万円までの支給限度基準額が設定されることになります。
・手すりの取付け
・段差の解消
・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への便器の取替え
が対象となります。
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対象者の住んでいる家が、
・持ち家
・賃貸
・アパートorマンション(何階に住んでいるか)
・一軒家
のどれに当てはまるかを聴取します。
持ち家の場合、自由に手すりなどを設置することができますが、賃貸住宅の場合、大家さんの許可なく手すりなどを設置するとトラブルの元になることがあります。
間取りは、間取り図を簡単に書いてもらうようにします。
間取り図の情報が得られると、
・現在対象者は主にどこで生活しているか
・今後対象者は主にどこで生活をするのか
・居間や寝室からトイレや風呂場までの動線はどのようになっているか
・動線を変えることで安全に移動できるか
などを考える材料になります。
今やトイレは洋式が当たり前の時代になってはいますが、トイレにも様々な種類があります。
・洋式
・和式
・汽車式
・ポータブルトイレ
汽車式というものをご存知でしょうか。
列車に使われるしゃがみ形の便器のこと。汽車便とも言う。 和風のトイレの形式である。女性が使用するときや男性の大のときには、一段あがった高さにしゃがんで使い、男性の小用には下の段から使うようにした兼用の和式便器である。
リンク先を見ていただくと画像があるのでイメージしやすいと思います。
トイレの情報収集では、
・トイレの入り口幅や段差
・どのような扉か
・洋式トイレの高さ
・手すりはついているか
・トイレの間取り図
が大切になります。
トイレットペーパーが設置されている位置やその高さについても情報があると有用です。
トイレ動作では、主に便器での立ち座りやズボンの上げ下ろしがポイントになります。
バランス不良例では壁に寄りかかりながらズボン上げ下ろしを行うこともあります。
そのため、どの程度スペースがあり、どのような間取りになっているかという情報も必要になります。
扉に関しては、
・引き戸
・開き戸
と種類があり、
さらに、引き戸では右or左引きか、開き戸では右or左開きか、また内or外開きかを確認します。
風呂のタイプも、いくつかの種類があります。
・据え置き式
・埋め込み式
・半埋め込み式
さらに、情報収集項目としては、
・浴室入り口の幅
・浴室入り口の段差幅
・浴槽のまたぎ高
・浴槽の横幅(内寸、外寸)
・浴槽の縦幅(内寸、外寸)
・浴槽の深さ
・どのような扉か
・浴室と脱衣室の間取り図
扉に関しては、
・引き戸
・開き戸
・折れ戸
と種類があり、
さらに、引き戸では右or左引きか、開き戸では右or左開きか、また内or外開きか、折れ戸では何枚折れ戸かを確認します。
ここで、各扉が把握できるようにイメージ図をみていきます。
出典:http://order403.com/cgi-local/dic_403.cgi?dic_no=D-05-0006
扉の種類に関しては、廊下からのサクセスのしやすさや、風呂場であればシャワーチェアを置く際に扉が邪魔にならないかなどということに関わることがあります。
玄関部におけるチェックポイントは、
・扉の種類
・玄関の入り口幅
・玄関の段(上がり框)は何段か
・その段の高さ、幅
・玄関の広さ
などを収集します。
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廊下の確認ポイントは、
・廊下幅
・手すりの有無です。
廊下幅によっては車いす移動が不可能な場合も有ります。
玄関周りのチェック項目としては、
・道路から玄関までの段差の有無
・その段差の高さ、幅
・勝手口などの玄関以外の出入り口の有無
・それに段差はあるか
・道路から玄関までの地面(コンクリート、土、砂利など)
・その距離
・車は玄関前までアクセス可能か
などがあります。
その他としましたが、主婦の方では台所での動作も重要になります。
そのため、台所周辺の環境にも考慮して情報を収集する必要があります。
また、2階立てや3階建ての場合、階段を使用することがあるか、または今後使用する予定はあるかも確認が必要になります。
洗濯したものを干す時、そのスペースまでの動線はどのようになっているでしょうか。
干場までに段差がある場合もありますので情報収集する必要があります。
また、干す時には頭上へのリーチが必要かなども洗濯動作を行う上では情報が必要でしょう。
このように、対象者の方に合わせた家屋情報を収集し、住宅改修に活かしていく必要があります。
なお、対象者が生活するであろう場所の写真を細かく撮ってもらうと、セラピストはイメージがつきやすくなります。