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心臓リハビリテーションにおける運動強度!ATレベルの運動処方とは!

心臓リハビリテーションにおいては、運動強度を適切に設定することで、対象者のリスク管理を行なっていきます。今回、心臓リハビリテーションで大切なATレベルにおける運動処方についてまとめていきたいと思います。

目次

心臓リハビリテーションにおける運動強度!ATレベルの運動処方とは!

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参考

疾患別リスク管理セミナー、基礎の基礎 セミナー資料
長山雅俊「心臓リハビリテーションの実際」心臓Vol.48No.8(2016)
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse1753.pdf
http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm168.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcsc/7/2/7_KJ00002081548/_pdf/-char/ja

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心臓リハビリテーションにおける運動強度の決定方法

運動強度の決定の仕方

心臓リハビリテーションにおいて、運動強度の決定の仕方には主に3つの方法があります。

・Peak VO2あるいは嫌気性代謝閾値(AT)を用いる方法
・心拍数予備能を用いる方法
・主観的運動強度を用いる方法

これらの概要や特徴を理解しながら、どのように対象者の運動負荷量を決定していくかを確認します。

Peak VO2について

Peak VO2とは、最高酸素摂取量のことを指します。

Peak VO2(最高酸素摂取量)は、運動耐容能の指標として用いられることがあります。

Peak VO2(最高酸素摂取量)は、CPX(Cardiopulmonary Exercise Training:心肺運動負荷試験)により測定することが可能です。

運動が行えなく理由には、

・筋疲労
・息切れ
・胸痛
・不整脈
・疼痛
・血圧過上昇
・SpO2低下

などが考えられますが、運動を実施することができた酸素摂取量の最高値がPeak VO2となります。

なお運動耐容能とは、体全体の総合的な機能を評価したものをさします。

嫌気性代謝閾値(AT)について

ATの概要

AT(anaerobic threshold)は嫌気性代謝閾値または無酸素性作業閾値と呼ばれています。

ATはエネルギー供給過程において、有酸素系に加えて無酸素系が関与し始める点の運動強度のことをさします。

VO2(酸素摂取量)とVCO2(二酸化炭素排出量)の平衡関係が保たれる最大の酸素摂取量とも考えることができます。
ATは運動耐容能の指標になります。

エネルギー供給機構

先ほど、エネルギー供給過程には有酸素系と無酸素系があると説明しました。

有酸素性エネルギー供給過程は、酸素を使って筋肉内もしくは筋肉外にある炭水化物や脂質を酸化させてエネルギーを発生させます。

無酸素性エネルギー供給過程は、クレアチンリン酸とADPからクレアチンとATP、グリコーゲンから乳酸とATPを産生します。

これは筋肉の中で起こっており、酸素を使わないことが特徴です。

有酸素運動と無酸素運動

有酸素運動は、骨格筋において酸素がクエン酸回路でのみ使われ乳酸産生が起きない状態を言います。

無酸素運動では乳酸産生が起こりますが、この運動では心機能が悪化するとされています。

有酸素運動から無酸素運動に移行する運動強度(嫌気性代謝域値)を把握することで、安全に

ATを判定する方法

ATを判定するには、呼気ガス分析または血中乳酸分析という2つの方法があります。

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心肺運動負荷試験(CPX)について

CPXの概要

CPXは、呼気ガス分析を併用して行う運動負荷試験のことを言います。

CPXでは、運動負荷試験、呼気ガス分析、ランプ負荷試験という3つの視点から、様々な情報を得ることが可能です。

CPX、安静でも症状のある方を除いては誰でも検査測定を行うことができます。

CPXにおいて負荷のかからない状態での酸素摂取量は2メッツ程度とされており、これは日常生活に当てはめると室内トイレ歩行を行うレベルです。

先ほど、ATを判定する方法に呼気ガス分析があると述べましたが、ATはCPXの中で把握することが可能です。

CPXは、全身の機能を総合的に評価することができます。

心臓などの臓器単位が全身にもたらす影響を把握できるとともに、全身の運動耐容能を把握することで予後の評価も可能になります。

呼気ガス分析で評価できること

呼気ガス分析では、以下のようなことが評価可能です。

・呼吸機能
・心機能
・骨格筋機能
・肺循環
・体循環
・血管内皮細胞機能
・自律神経活性
・呼吸の速さや深さ

呼吸の速さは深さは、心不全の病態把握に用いられます。

ランプ負荷試験について

ランプ(漸増)負荷試験は、運動強度を直線的に増加させる方法です。

特徴は各指標の動きが比較的単純化されるところにあります。

心拍数やVO2はほぼ直線的な増加が得られ、PeakVO2やATなどの運動耐容能の指標が測定可能です。

ATは運動強度を漸増する過程で有酸素的代謝に無酸素的代謝によるエネルギー産生が加わる時点のVo2として測定します。

ランプ負荷により、重症の方においても評価可能なため、重症度の評価も行えます。

また、どのような運動負荷が加われば異常な状態になるのかを把握することが可能です。

日常生活活動のレベルで異常が生じるのか、高い運動負荷をかけると異常が生じるのかなども把握することができます。

CPXはなぜ安全なのか

CPXでは、ランプ負荷によりリアルタイムで把握することが可能です。

なおATは、最大運動能力の50〜65%の運動強度とされています。

ATに至ったと判定され、CPXを中止すれば、最大負荷には至らずに終了することが可能です。

運動負荷により危険な状態に陥るのには、最大負荷に近い状態のことが多いため、ATレベルをリアルタイムで測定することで、そのリスクを減らすことにつながります。

また、交感・副交感神経の視点からも安全性について説明することもできます。

副交感神経は、運動開始により徐々に活動が低下し、最大負荷の際には活動性がほとんどない状態になります。

また、交感神経はATを超える付近からその活動性が活性化します。

不整脈は交感神経の異常な亢進が関与していることが多いことから、交感神経が活性化しにくいATレベル付近の運動負荷であればリスクを少なくすることが可能だと言えます。

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運動強度設定の様々な目安

運動強度設定の目安には、様々なものがあります。

・最高酸素摂取量の50〜70%
・最高心拍数の40〜60%
・心拍数予備能 (HRR:安静時心拍数と最大心拍数の差)の40〜60%
・自覚的運動強度 (旧Borg指数)の11〜13相当
などです。

心拍数を用いてATレベルでの運動処方を行う

心拍数予備能 (HRR:安静時心拍数と最大心拍数の差)の40〜60% ということを挙げましたが、これを具体的に考えていきます。

Karvonenの式によると、

目標心拍数は、

目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数

で求められます。

細かく見ていくと、

最大心拍数:
予備最大心拍数:220−年齢
または実測値による最大心拍数
*β遮断薬を服用している場合は、実測値による最大心拍数を用います(β遮断薬は副作用で脈を遅くすることがある)。

運動強度:
通常0.4〜0.6
*急性期は0.2程度

この式によって得られた目標心拍数を基準として運動を行います。

Borgスケールを用いてATレベルでの運動処方を行う

Borgスケールには”旧”と”修正”の2つがあるので注意してください。

なお、ここでは旧Borgスケールについての説明です。

Borgスケールでは、自覚症状により運動処方を決定していきます。

6
7  非常に楽
8
9  かなり楽
10
11  楽
12
13    ややきつい
14
15    きつい
16
17  かなりきつい
18
19  非常にきつい
20

Borgスケールでは、11〜13あたりが有酸素運動と考えられてます。

そのため、それをこえないように、「ややきつい」という自覚症状までがATレベルと考えます。

しかしながら、あくまでも主観的なデータですので、他の客観的な指標(HRなど)も把握しながら総合的に判断していきます。

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