脳梗塞片麻痺などの方において、手指対立位が作れたら物品操作練習ができるのに。というようなことを思ったことはないでしょうか。今回、手指対立位を実現するCMバンドの紹介と、その使い勝手についてまとめていきたいと思います。
目次
手指対立位は、手の操作において、大小様々な物品を把持するという点において、重要な役割を果たします。
手の機能を考えた場合には、機能的肢位をまずは知っておくことが大切になります。
手の機能的肢位ですが、
母指対立位、MP、PIP、DIP関節屈曲20度、手関節伸展30度、前腕90度回内位、肘関節屈曲90度、肩関節外転50度、屈曲20度、内旋15度
とされています。
この中で、手指に着目すると、
母指対立位、MP、PIP、DIP関節屈曲20度
ということになります。
脳卒中片麻痺者は、手指対立位がとりにくく、そのため、物品操作訓練にたどり着けないということをよく経験します。
手指筋群が低緊張で随意収縮がない状態では、自ら対立位をとることができません。
また、随意収縮が可能であっても、手指筋群が高緊張で、痙縮の影響があればそれもまた手指対立位をとることは難しくなります。
CI療法にしても、HAND療法にしても、装具を使用することによって、物品操作を可能にし、治療効果を上げるようにしています。
そこで登場するのがCMバンドです。
ここで紹介するものは、軟性装具と呼ばれるもので、市販されているものです。
もちろん、その方に一番適しているものは、オーダーメイドで作成した硬性装具にはなると思います。
しかし、この軟性装具も使用してみると、微妙な調節も行えることから、かなり重宝しているアイテムになります。
写真を見てもらえるとわかるのですが、ただのゴムバンドという感じです。
装着は、慣れればものの10秒程度で行えます。
これを装着すると、下図のようになります。
ゴムバンドを回すことによって、母指を対立位まで持ってきているのですが、そのひっぱり具合によって母指の位置決めも可能です。
用いたい物品の大きさによって、母指と他指の空間距離(ウェブスペース)を調節しやすいというのも、使い勝手の良さになります。
脳卒中片麻痺者は、その状態により低緊張で随意収縮が生じにくい、痙縮があり適した位置にコントロールしにくいなど、様々な難しさを抱えています。
例えば、前途したCMバンドの場合は、低緊張で随意収縮が生じにくい場合において使用することが多くなります。
その中で、手指の随意収縮(屈曲)が生じなければ、そのウェブスペースに適合する物品を用いることによって、物品移動課題を行うことが可能になります。
またCMバンドには、以下のようにアルミステーが入っているものもあります。
このアルミステー入りのCMバンドは、より強固な固定作用を有しています。
上図を見てもらうと、母指の部分にアルミステーが入っています。
このアルミステーにより、例えばMP関節やIP関節が屈曲しすぎないようにコントロールすることが可能になります。
ちなみにアルミステーの角度は変えることができるので、痙縮が強い方に対してはアルミステーを調節して、物品操作に適した手指対立位をとるようにします。
これは、大阪府立大の竹林先生が言っていたことなのですが、
対立位をとる(またはとらせて課題を行う)ことで、手指伸展や対立運動が促されると言っていました。
そのメカニズムとしては、軟性装具での対立位の調整により手の構えを作ることで(対立位をとると)、背側骨間筋の緊張が落ちるためということでした。
背側骨間筋は母指を内転させる作用もあると言われています。
筋緊張が抑制された状態で、適切な運動が行われれば、つまみ動作に必要な運動が促通されると思われます。
オススメというか、私が購入しているものです。
最近は楽天やアマゾンからの購入も可能なので、本当に便利な世の中です。
値段ですが、ワンタッチバンドが1200円、ケルバンロックが2500円となっています。
これらは、説明してきたものと同じ商品となります。