意識障害に対するリハビリテーションについて解説しています。
意識障害とリハビリテーション!覚醒を上げるために必要なこと!
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意識障害が生じる脳部位を把握する
脳のどの部位が損傷されると意識障害が生じるのでしょうか。
意識障害が生じる部位としては、主に3つ挙げられます。
・連合野
・視床
・脳幹網様体
これらが損傷されることで意識障害が生じるので、疾患としては、
・広範囲の脳損傷
・視床出血
・脳幹出血or梗塞
になります。
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広範囲の脳損傷で意識障害が生じる理由
前途しましたが、意識障害は広範囲の脳損傷によって起こります。
意識障害の概念を考えていくと、
「入ってきた情報を処理し、アウトプットする」ことができない状態を意識障害とすることができます。
この、入力された情報を処理してアウトプットする部位が、連合野(前頭連合野、頭頂連合野、側頭連合野)になります。
大脳皮質においては、連合野が損傷されると、入ってくる情報はたくさんあっても、処理する場所がなくなるのでアウトプットできなくなってしまいます。
そのため、広範囲の脳損傷では連合野が障害されることもあり、意識障害が生じやすくなります。
通常、意識障害が生じるのは両側性に損傷を受けた時だとされています。
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上行性網様体賦活系の障害による意識障害発生のメカニズム
先ほど、意識障害が生じる脳部位として、視床や脳幹網様体を挙げましたが、そこに関わる部分が上行性網様体賦活系になります。
ここで、上行性網様体賦活系の問題でなぜ意識障害が生じるのかを考えていきます。
上行性網様体賦活系は、会社やお店で言うと社長さんのような役割があります。
社長さんは、会社やお店を営業するかを決めて命令を下しますが、上行性網様体賦活系はまさにそのような役割があります。
上行性網様体賦活系が機能しなくなると、営業日の命令を下すことがなくなりますから、会社やお店は定休日の状態が続くことになります。
この上行性網様体賦活系の機能低下が生じるのが、中脳から視床にかけての障害によるものになります。
上行性網様体賦活系の始まりは、脳幹の網様体になります。
網様体は、神経節や核の集合体だと言われており、それが延髄、橋、中脳に存在します。
覚醒レベルを上げるように命令する上行性網様体賦活系は、脳幹ん網様体から、視床(視床下部)の髄板内核を通る経路になります。
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大脳皮質(連合野)の問題による意識障害のリハビリテーションの考え方
大脳皮質(連合野)の問題による意識障害のリハビリテーションでは、
・前頭連合野
・側頭連合野
・頭頂連合野
のうち、どの連合野がもっとも働きやすいか(反応が良いか)を把握することが必要になります。
つまり何野の情報を入力し、情報処理してアウトプットがされやすいのかを試していく作業が必要ということです。
例えば、
・視覚情報
・体性感覚情報
・前庭情報
などになります。
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上行性網様体賦活系の問題による意識障害のリハビリテーションの考え方
上行性網様体賦活系のリハビリテーションで重要なことは、早期離床です。
上行性網様体賦活系では、
・聴覚
・平衡感覚
・視覚
・四肢の体性感覚
が情報として入力されると、それを元に視床に情報が伝達されるようになっています。
そこから、覚醒レベルを上げるような命令が出されるわけです。
戦略としては固有感覚情報を多く入力することが必要なのですが、ただ関節の曲げ伸ばしをしてもあまり効果はありません。
全身に固有感覚情報を入力するには、全身に重力をかけることが必要になります。
それを可能にするのが早期離床になるのです。
全身の固有感覚情報が脳に入力されればされるほど、上行性網様体賦活系は働きやすくなると言えるでしょう。
なお、固有感覚は筋紡錘、腱紡錘、パチニ小体が受容器となります。
また、前庭情報(平衡覚)の入力も重要です。
座位をとるだけでも、前庭情報が入力されます。
なお、立位保持や座位保持を続けるよりも、座位⇄立位と姿勢変換する方が、様々な情報が入力されやすいので、覚醒レベル向上には良いとされています。
寝返りも前庭覚や固有感覚が入力されるので、姿勢変換を行っていくことが重要になります。
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