相貌失認があると、知っているはずの人を見てもだれであるかがわからなくなります。今回、相貌失認のリハビリテーションとその対応について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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相貌失認は、以下のような定義があります。
熟知した顔を見て、誰であるかがわからなくなるのが相貌失認の基本症状である。視覚対象が顔であるという認知は保たれている。一方、相手の声を聞けば誰かわかり、氏名や職業をはじめとする人物に関する知識が保たれていることが言語性に確認できる。すなわち、顔を対象とした視覚性の認知障害である。
高次脳機能障害学 第2版
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知っていたはずの顔を見て、名前言えず、職業やどのよな人であるかがわからなくなります。
一般に、見覚えがあるかどうかを述べることも難しいとされています。
手がかり(髪型、服装、周りの風景)があれば誰であるかを認知しやすくなります。
発病後に何度も会った顔の認知も難しくなります。
対象者はこのような症状には気づきがあり、目の前の様々な手がかりをもとに同定しようとします。
目、鼻、口、眉といった顔の構成部分の認知は可能であり、人間の顔であるかどうかは判断可能です。
熟知した建物、風景の認知障害(街並み失認)を伴うことがあります。
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基本的視覚機能、物品の認知、文字の読み、有名人の相貌などの検査を行います。
有名人(政治家、俳優、タレントなど)の顔写真を1枚ずつ見せて、名前、職業を言わせます。
人物に関する属性のどれかを答えることができれば顔の同定が可能と考えます。
複数写真の中から、セラピストが言う名前をの人物を選択させる、また、有名人と未知の人物の写真を混ぜて提示し、見たことがある顔を選ばせるなどの既知感を調べます。
身近な人物に関しても顔写真を用意して検査を行います、この際、顔写真の中に本人の写真を混ぜておきます。
家族や知人、有名人の特徴ある話し方から人物同定が可能かを調べます。
言語性に人物を定義して名前を言う課題、名前を伝えてどのような(職業、業績)人物かを答える課題を行います。後者では、聞いたことがある名前かも尋ねておきます。
相貌失認では、顔の視覚性認知以外は保たれているという特徴があります。
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右利きの対象者では、右半球の後頭側頭葉腹側部の紡錘状回付近だと考えられています。
両側性病巣例での左側病巣は紡錘状回の場合とそうでない場合があります。
後頭側頭葉腹側部は後大脳動脈の灌流域にあり、相貌失認は右側または両側性の後大脳動脈領域の脳梗塞によって起こることが多い。そのため、右後大脳動脈領域梗塞では、地誌的見当識障害を、両側の梗塞では純粋失読や視覚失認を合併しやすい。また、頭部外傷による報告例もある。
高次脳機能障害学 第2版
相貌失認と脳画像についてはこちらの記事を参照してください。
中脳レベルの脳画像と、損傷部位から予測される高次脳機能障害!
顔の認知には、声や髪型、服装、歩き方(速さや靴の音なども含む)、しぐさ、合う場所(診察室など)の手がかりを利用します。
また、目の色やめがね、傷、口ひげなどの特徴で見分けることを強調します。
復職において、営業職の場合、即座に相手の顔を見て誰かを判断することは難しいため、配置転換が必要になることがあります。
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