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脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た遂行機能障害へのアプローチ!

今回、脳卒中ガイドライン(2015)から、エビデンスのある遂行機能障害へのアプローチについてまとめていきたいと思います。

目次

脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た遂行機能障害へのアプローチ!

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脳卒中治療ガイドラインについて知りたい方は

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脳卒中治療ガイドライン(2015)について

「脳卒中治療ガイドライン2015」では、
・脳卒中一般
・脳梗塞・TIA
・脳出血
・クモ膜下出血
・無症候性脳血管障害
・その他の脳血管障害
・リハビリテーション
について、内科的薬物治療のみではなく、外科的治療、急性期における全身管理、嚥下障害と栄養摂取、合併症予防、リハビリテーション、地域連携等の視点から述べられています。

また、各論文のエビデンスレベルが5段階で評価され、それをもとに下図のように推奨グレードが決定されています。

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遂行機能障害の臨床症状の捉え方についての復習

遂行機能とは、柔軟な方法である目標を達成するための様々な処理が協調的に行われた結果、もしくは人が自立して目的のある行動をうまく行うことができるようにする機能とされています。
これにより、人は新しい環境に適応し、目標達成を可能にします。
意思決定、問題解決、企画、課題の切り替え、新しい情報に照らし合わせた行動の変容、自己修正、新しい方略をつくる、目標形成、複雑な行動の順序立てなどの機能を含みます。

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脳卒中ガイドライン(2015)と遂行機能障害へのアプローチ!

どのような戦略が推奨されるか

遂行機能障害に対しては、メタ認知を高める訓練や問題解決訓練が外傷性脳損傷患者において勧められているが、その効果や脳卒中患者への適応に関しては十分な科学的根拠はないとされています。

メタ認知過程(meta-cognitiveprocess)とは、

自己の内的状況の理解(自己意識,想起意識,認知と情動の統合)と,それを基盤として生じる他者認知(心の理論)や社会的認知を担う。

この機能に障害をもつ患者は,社会的判断を適切におこなうことができず,さらには,共感性の欠如,無関心,自己投影を必要とするユーモアの無理解,といった症状を示す。前頭極(ブロードマンの10野)との関係が想定されている。

柴崎 光世「前頭葉機能障害の認知リハビリテーション」明星大学心理学年報 2012,No.30,23―40

とあります。

メタ認知過程に障害が生じると、障害への気づきや、自己モニタリンング、誤反応の修正が行えない、自身の自己評価と他者の他者の客観的評価の不一致が起こるなど、日常生活を遂行する上で困難が生じることがあります。

エビデンスレベルの高いアプローチの具体例

遂行機能障害に対するアプローチとしては、様々な取り組みがなされていますが、質の高いエビデンスが十分にあるというわけではありません。
その中でも、比較的エビデンスレベルが高いものとしては、「GMT」「問題解決訓練」が挙げられます。

GMT(Goal Management Training:目標管理訓練

行動の遂行には、目標や目標と下位目標リストによって整理し、まとめられていると考えられています。
Duncanは、前頭葉損傷者が行動を計画的に、効率的に遂行できないのには、目標リストがうまく作れず、その利用もうまくできないと考えました(目標無視=課題から要求されていることが頭からすり抜けること)。
GMT(Goal Management Training:目標管理訓練)は、この考えに基づいてRobertsonが、遂行機能障害のリハビリテーション方法として開発したものです。
GMTは5つの段階に分かれており、ひとつずつ実施されます。

第1段階「立ち止まる!」:
オリエンテーションです。参加者には現在の状況を評価・把握し、これからすることへ意識を向けていきます。
自分の状況を把握することで、今自分にどうのような問題点があるのか、どのような点が困っているのか、どのように行動を変えていく必要があるのかといったことに変化を与えるきっかけになります。
この段階はとても重要で、自分が思っていることと周りから思われている状況にはギャップがあるかもしれません。

第2段階 「定義する」:
目標の選択を行ない、主な課題を定めます。
前途しましたが、自分の問題点、改善したい点、これからどうなりたいかというようなキーワードが重要になります。
自分の興味、関心、必要度、重要度といったことに目標設定は左右されます。

第3段階「リストを作る」:
第2段階での目標を下位目標(=ステップ)に分け、ステップのリスト化を行います。
目標を達成するには、それまでに細かい段階に分けることで自分が何を行うべきなのかがわかりやすくなります。
細かい段階に分けることで、できたときに何が一番良かったのか、どれができていないから行動が達成できていなかったのかなどを振り返りやすくもなり、次回の計画作成にも役立ちます。

第4段階「憶える」:
目標と下位目標 (=ステップ)を記憶し、課題を実行します。
段階は細かすぎると大変ですが、自分の記憶、実行できる範囲で設定できると、行動がスムーズに遂行しやすくなります。

第5段階「点検する」:
実施した結果と決めた目標を比較します。うまくいかなければ、最初の段階からやり直します。
最初からうまくいくことはないかもしれません。しかし、うまくいかないことは振り返る機会があるということです。
振り返ることによって、良かった点や悪かった点、良かった点のなかでもさらに改善できる点というように様々な発見があります。
その発見を、計画に利用することで、さらによい行動が行えるようになります。

訓練は実際の課題を通して行いますが、課題にはセラピストが提供する例題や対象者が実生活の中で行うこと、困難なこと、解決したいことを問題として用います。

問題解決訓練(PST:problem-Solving training)

problem-Solving training ; PST (問題解決訓練)は、von Cramonらにより脳損傷者の訓練方法として開発されました。
問題解決訓練では、認知治療と行動療法を組み合わせたものだとされています。
前頭葉損傷者では、脈略がなく、行き当たりばったりな行動をする患者が多く見られますが、思路を整えて行動に移る訓練を行うための訓練方法です。
問題解決訓練の目標は、問題解決行動の5つの側面を強化することにあります。

①Problem Orientation (問題の見当づけ):
患者は問題を単純視する傾向があるため、与えられた課題を簡単には解けない“問題として認識するのを助けます。

②Problem Definition and Formulation(問題の定義と公式化):
情報をくり返し読みこみ、全体を理解したうえで、問題の主要点を書き出すことを学ばせます。

③Generating Alternatives(代替案の案出):
できるだけたくさんの代替案を考えさせます。 ブレインストーミングのひとり版を行なわせるようなものです。

④Decision-making (決断):
複数の候補案の長所と短所、実現可能性をしっかりと考えたうえで決断することを学ばせます。

⑤Solution Verification (解決の検証):
失敗に気づくこと、それを修正すること、 最初の仮説にもどることを学ばせます。

これらの強化したい側面を学ばせるために、あらかじめ用意した課題が与えられます。

①アイデアの産出、 ②関連、非関連情報の選別、 ③複合情報の処理などを行なう課題となりますが、具体的には、連想ゲーム・ある話題の賛成論と反対論を集めること(アイデアの産出)、”求む”広告の作成・ 聴講ノート作成(関連、非関連情報の選別)、時刻表/予定表の読み解き・短編探偵小説・クロスワードパズルなど(複合情報の処理)
です。
課題実施の際にはセラピストが付きさまざまなレベル・種類のキュー (促し、暗示、 手がかり、ヒントの類)を与え、解決に向かっていきます。
この技術を対象者が獲得できれば、複雑な問題解決過程の細分化や簡略化して対処しやすくなることが期待できます。
考えやすい課題内容として、「いくつかの旅行会社のパンフレットから、目的にあった家族旅行をみつける」などの課題があります。

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エビデンスレベルはないが、臨床でよく用いられているアプローチ

ここで挙げるアプローチは、ガイドラインで推奨されているものではありませんが、臨床において試すことが良くあるアプローチ内容になっています。

生活や仕事の空間の整理
引き出しや戸棚の分類と整理
カテゴリーに分けられた台所棚と冷蔵庫の整理
システム手帳、カレンダー、スケジュール帳などの利用
課題に色分けを行う(赤の印は最優先、青は2番目など)
個人データ補助具や時計のアラーム、携帯システム手帳、個人情報管理ソフトウェア(電子メール、カレンダー、課題と連絡先の管理、筆記、日記帳など)
適切な場所に、典型的な順序立てられた課題の一覧表を貼る
調理でのタイマー機能の利用

環境における邪魔なものを減らす
事務所の戸を閉めておく
必要なときに、「妨げないでください」というような合図を用いる
テレビやラジオを切って課題を行う
窓のブラインドを閉める
机、台所などで、散らかっているものを片付ける
電話応答システムの利用
業務時間を貼る

その日の計画の実行
2つ以上の課題を同時に行うことを避ける
家族は構造化された日課を作るようにする(夕食は毎日午後7時、洗濯は土曜日の午前中など)
多くの人が一度に話す状況を作らない
単純明快な指示を用いる
気晴らしのための休憩時間を適宜とる
自分の仕事の進み具合を確認する(一覧表で、終了した課題に印をつける、行わなければならない課題のためにシステム手帳をチェックする時間を設ける)

前頭葉障害に対するリハビリテーション

遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)

高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか

効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-

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転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

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管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

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管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

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