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脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た失行へのアプローチ!

今回、脳卒中ガイドライン(2015)から、エビデンスのある失行へのアプローチについてまとめていきたいと思います。



目次

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脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た遂行機能障害へのアプローチ!

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脳卒中治療ガイドラインについて知りたい方は

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失行についてのおすすめ記事

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脳卒中治療ガイドライン(2015)について

「脳卒中治療ガイドライン2015」では、
・脳卒中一般
・脳梗塞・TIA
・脳出血
・クモ膜下出血
・無症候性脳血管障害
・その他の脳血管障害
・リハビリテーション
について、内科的薬物治療のみではなく、外科的治療、急性期における全身管理、嚥下障害と栄養摂取、合併症予防、リハビリテーション、地域連携等の視点から述べられています。

また、各論文のエビデンスレベルが5段階で評価され、それをもとに下図のように推奨グレードが決定されています。

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失行の臨床症状の捉え方についての復習

失行とは、脳が障害されることで、以前に学習されていた自らの意思による行為を行う能力が障害されることをさします。
失行患者では、ある行動や動作を行うと、正常の動作とは部分的に、もしくは全てが違うという特徴があります。
同じ動作でも出来るときとできない時があり、間違いが一定しているわけではありません。

失行ではないものとして、以下のものが挙げられます。
運動障害
運動麻痺麻痺、失調、不随意運動などがあると、動作ができなかったり、スムーズでなくぎこちないことが観察されます。
失語
理解の障害があると、指示通りに行えないことが観察されます。
失行は、失語症と合併して起こることがありますが、独立して起こることもあります。
認知の障害
視覚失認、触覚失認、視空間性障害(半側空間無視)があると、動作がうまく行えなくなります。
重度認知症、全般性注意障害・感覚、視覚フィードバックの障害も同様です。

臨床に即した失行の捉え方として、A-ONE(神経行動学的評価法)が大変参考になります。
A-ONEでは、失行を「観念性失行」と「運動性失行」に区別しています。
A-ONEにおいて、観念性失行は、

遂行のために必要な概念に関する神経モデルや表象の欠如により、遂行のために何が行わなければならないかを知ることができない。
対象物を使用することに関する知識の欠如。
活動の工程を順序立てること、あるいはお互いに関連して対象物を使用することにも相当する。
遂行の重要な工程を省く(理解困難は除外する)。

A-ONE認定評価者講習会資料

とあります。
このことから臨床場面では、
・道具を使って何をするかが分からない
・道具の不適切な使用
・作業工程の順序を間違える
・作業の連続性が中断する
・場面に応じて適切な道具を使用できない
などが見られることになります。

A-ONEにおいて運動性失行は、

運動感覚性の記憶パターンを利用することが困難であり、運動のプランニングと動作の順序立ての障害によって、考え方や課題の目的は理解しているにも関わらず目的のある動作を達成することができない。

A-ONE認定評価者講習会資料

とあります。
これは、観念運動失行と同じ意味で用いられています。
このことから臨床場面では、
・道具の把握パターンが異なる(持ち方)
・道具の使い方は正しいが、向きが異なる
・運動の質と出力に問題がある(ぎこちなさ、強弱)
・関節運動の協調性の低下(例:不自然に肘が上がっているなど)
・次の動作に円滑に移れない
などが見られます。

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脳卒中ガイドライン(2015)と失行へのアプローチ!

どのような戦略が推奨されるか

失行に対しては、目標とする動作そのものの訓練であったり、障害の代償方法を獲得する訓練を行うように勧められています。

失行に対するエビデンスレベルの高いアプローチは?

失行に対するアプローチとしては、様々な取り組みがなされていますが、質の高いエビデンスが十分にあるというわけではありません。
目標とする動作や障害の代償方法を獲得するためのアプローチは、動作レベルを改善し、またその他の動作の動作レベルも改善するとの報告があります。

 

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エビデンスレベルは高くはないが、臨床でよく用いられているアプローチのポイント

方略訓練

方略訓練は、失行に対する代償のための方略を対象者が習得し、遂行する活動の機能障害を改善させるものです。
方略訓練では、以下のことに関連したエラーに焦点を当てます。
①開始:行動の計画の発展や必要で適切な対象物の選択
②遂行:計画の遂行
③統制:適切な結果を保証するための活動の統制や訂正
対象者の機能レベルにより、セラピストは指示、介助、フィードバックを用います。
方略訓練によるアプローチが、訓練していない課題への訓練の転移を生じるかについての研究では(Geusgens 2006)、訓練していない課題において有意に改善を示したとされています。

方略訓練での介入:指示

・言語指示から始める
・手近な課題に対して関連する環境へ移行する
・注意の喚起
触る、対象者の名前を使う、指示に対する質問をする
・ジェスチャーの使用、対象物の指差し(ポインティング)
・課題をやってみる(部分的、もしくは全体)
・活動の写真を見せる
・指示を書き出す
・対象物を対象者の近くに置き、それを適切な順序に並べる
・一度にひとつずつ対象物を手渡す
・一回または一回以上、対象者と一緒に活動を始める
・対象者にとって容易に行えるような課題調整
・最終的に、期待される結果が得られない場合、代わりに行う

方略訓練での介入:介助

・言語的介助
リズムをとり、遂行を阻害しないようにする
活動の段階を言語化するよう促す
活動の段階や対象物に名前をつける
手近な課題へ注意を向ける
・ジェスチャーや模倣を使用する、発話の抑揚を変化させる
・活動の段階の順序の写真を見せる
・身体的介助
四肢の誘導
四肢のポジショニング
補助具や補助装置の利用
対象者が遂行を始めるまで、代わりに行う
動きを誘発する
・最終的には、課題を代わりに行う

方略訓練での介入:フィードバック

・結果の知識に対して、言語的フィードバックを用いる
・結果の評価のために、対象者が感覚を意識的に使用する(見る、聞く、感じる、匂う、味をみるなど)ように伝えるための言語的フィードバック
・結果の知識に対して身体的フィードバックを用いる
対象者の姿勢の評価
四肢の位置の評価
四肢を支える
・指差しや対象者に対象物を渡すことによる身体的フィードバック
・遂行の知識に対して、言語的フィードバックを用いる
・鏡の前に対象者を座らせる
・対象者の遂行の様子をビデオ録画し、それを見せる
・課題の統制を代わりに行い、エラーの可能性を修正する

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転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

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各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

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管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

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