JST版活動能力指標は、一人暮らし高齢者が自立し活動的に暮するために必要な能力を測定するための評価指標です。今回、JST版活動能力指標の概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
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JST版活動能力指標は、老研式活動能力指標の考え方を元に作られた評価指標になります。
老研式活動能力指標は、手段的自立5項目、知的能動性4項目、社会的役割4項目の、家庭内で日常生活を自立して行うために必要な能力を評価する尺度です。
各項目で実際に行っている場合には「はい」を選択し1点となり、13点満点となります。
これらの能力の低下は、認知症による要介護状態発生のリスク因子としての可能性が示唆されています。
また地域での高齢者の生活機能の測定に活用でき、要介護や生活支援の必要性、介入効果の判定などに利用することができます。
1 | バスや電車を使って一人で外出できますか |
2 | 日用品の買い物ができますか |
3 | 自分で食事の用意ができますか |
4 | 請求書の支払いができますか |
5 | 銀行預金・郵便貯金の出し入れが自分でできますか |
6 | 年金などの書類が書けますか |
7 | 新聞を読んでいますか |
8 | 本や雑誌を読んでいますか |
9 | 健康についての記事や番組に関心がありますか |
10 | 友だちの家を訪ねることがありますか |
11 | 家族や友だちの相談にのることがありますか |
12 | 病人を見舞うことができますか |
13 | 若い人に自分から話しかけることがありますか |
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JST版活動能力指標は、老研式活動能力指標を元に、より現代の生活に即した形で評価項目が選定されています。
老研式活動能力指標の内容に加え、新しい機器の利用、情報の利用、社会貢献、社会参加の項目が増えています。
JST版活動能力指標は 16の質問数から構成され、各質問に対して「はい(1点)」「いいえ(0点)」で選択していきます。
知的機能の著しく低下した高齢者や認知症などで自己の状態がが把握できていない者でなければ、調査票への記入を行ってもらいます。
家族などで対象者の日常生活ををよく知る者も回答可能です。
面接にて聴取する場合には、本人や他者による回答であっても,検査者が自己判断で説明の追加や誘導するなどがないように注意する必要があります。
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(1)携帯電話を使うことができますか
(2)ATM を使うことができますか
(3)ビデオや DVD プレイヤーの操作ができますか
(4)携帯電話やパソコンのメールができますか
(5)外国のニュースや出来事に関心がありますか
(6)健康に関する情報の信ぴょう性について判断できますか
(7)美術品、映画、音楽を鑑賞することがありますか
(8)教育・教養番組を視聴していますか
(9)詐欺、ひったくり、空き巣等の被害にあわないように対策をしていますか
(10)生活の中でちょっとした工夫をすることがありますか
(11)病人の看病ができますか
(12)孫や家族、知人の世話をしていますか
(13)地域のお祭りや行事などに参加していますか
(14)町内会・自治会で活動していますか
(15)自治会やグループ活動の世話役や役職を引き受けることができますか
(16)奉仕活動やボランティア活動をしていますか
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得点範囲は0〜16点です。
総得点が高いほど、社会生活能力が高いと判断する事が可能です。
また、項目1-4は「新機器利用」、項目5-8は「情報収集」、項目9-12は「生活マネジメント」、項目13-16は「社会参加」に関連する能力となっています。
そのため、各領域毎に見ていく事で、対象者にとっての強みや弱みを把握する事が可能で、それに従ってどのような援助を行えば良いかを考える材料にすることも可能になります。
なお、得点の全国標準値はマニュアルに記載されていますのでご確認ください。
https://drive.google.com/file/d/1xaoFYajzOAPIfuFMojLsmVy_pLBOOHm1/view