回復期リハビリテーション病棟においては、対象者の活動性を向上させることが、早期退院にも繋がることから、歩行自立を早期に獲得することが重要です。しかしながら、歩行自立を許可する条件がセラピスト、看護師ともにはっきりしないということも課題としてあります。今回、回復期リハ病棟における脳卒中患者の歩行自立を許可するための条件を、文献を参考にまとめていきたいと思います。



目次

line登録もよろしくお願いします

ブログには書けない裏話、更新通知、友だち限定情報などを配信(完全無料)!まずは友だち追加を♪ 友だち追加

リハビリテーション職が上司から求められるスキルと役割

書籍を出版しました。

サラリーマンリハビリ職に求められるスキルと役割の全貌: 組織人として何を求められ、何を身につけ、どう行動すれば良いかがわかる

臨床を助けるnote





療法士で将来のお金が心配な方へ

リハビリテーション職種のための資産形成術-作業療法士の筆者が実際に行う資産運用法を実データを元に紹介-

訪問指導でお悩みの方、自信がない方

訪問指導で在宅復帰と住宅改修を成功させるコツ

在宅復帰につなげるカンファレンス術とは?

何をどう伝えると在宅復帰につながる?リハビリテーション職種のためのカンファレンス攻略術

在宅復帰の妨げになる排泄動作を攻略

どうすれば帰れるか?在宅復帰の妨げになるトイレ動作を解決!-入院中の下部尿路機能評価から動作・環境面への介入、他職種連携を駆使したアプローチ方法-

前頭葉障害に対するリハビリテーション

遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)

高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか

効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-

移乗動作に対する脳科学的評価、リハビリ(ブレーキ・フットレスト管理等のエラーを減らす)

移乗動作の問題(ブレーキ・フットレスト管理等)に対する評価とリハビリテーション-高次脳・認知機能障害に対する、脳科学的な考え方と評価・アプローチ方法-

注意課題のプリント課題

注意障害プリント課題データ(文字選択、計算、図形)

橋損傷のリハビリテーション

橋損傷のリハビリテーション(脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

視床損傷のリハビリテーション

視床損傷のリハビリテーション(なぜその症状が出現するのか?脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

大脳基底核損傷のリハビリテーション

基底核損傷(被殻出血)のリハビリテーション(なぜその症状が出現するのか?脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

小脳損傷のリハビリテーション

小脳損傷のリハビリテーション何をするか、しないといけないか(神経システムの理解、脳画像の診方、評価項目選定、治療戦略立案、治療の具体例)

脳卒中片麻痺のトイレ動作(下衣操作)のリハビリテーション実践方法

研究結果から導く!脳卒中片麻痺者のトイレ動作(下衣操作)のリハビリテーション介入-神経システムを考慮した評価・アプローチの具体例-

脳画像の達人へ

新人・学生さんが脳画像の達人に近づくために!脳部位と機能局在、脳のつながりから考える画像の診方!

リハビリテーションと運動学習

リハビリテーションと運動学習!保持や転移(汎化)を促す方法!

認知症リハビリテーション

認知症における作業活動の重要性と課題設定、評価の支援とポイント〜脳機能面も考慮して意欲と運動学習を促し、ADL・IADLを促す方法〜

起立と着座動作のリハビリテーション

起立と着座動作が上手くいかないの原因分析〜誰でも理解できる筋活動とバイオメカニクス、脳機能との関連性も踏まえながら〜

感覚障害のリハビリテーション

感覚障害のリハビリテーション!脳科学と伝統的リハを融合させる考え方と実践方法〜随意性の促進も見据えて〜!

回復期リハ病棟における脳卒中患者の歩行自立を許可するための条件は?

歩行や転倒についてのおすすめ記事

参考にした文献

内 哲男他「回復期リハビリテーション病棟における歩行自立判定テストと自立後の転倒者率」身体教育医学研究 13:9-14,2012

歩行自立と転倒リスク

冒頭でも述べましたが、回復期リハビリテーション病棟では、いかに対象者の活動性を向上させていくかが、早期退院に繋がります。
そのため、身体機能・活動能力の向上とともに歩行自立を許可するタイミングも重要になってきます。
しかしながら、歩行自立の許可のタイミングは何を基準にして用いれば良いか迷うことがあります。
転倒リスクを大きく考えすぎると、それは帰って対象者の害になることがあります。一方、対象者の動作能力を過大評価しすぎると、転倒リスクを高めることにつながります。

脳卒中対象者の転倒リスクを予測する指標としては、Timed Up and Go test(TUG)、麻痺側下肢荷重率、Functional Balance Scale(FBS)などがありますが、これらの指標に加えて、日常生活上の課題を踏まえた指標を用いることで、より転倒リスクを正確に把握することが望ましいと思われます。

生活課題に着目した歩行自立判定のための評価指標

歩行自立判定テストの概要

歩行自立判定テストは、今回参考にしている文献に記載されているものです。
歩行自立判定テストの特徴として、以下を挙げています。

①担当セラピストではなく病棟看護師が評価を担当
②歩行速度やバランス能力など特定の評価バッテリーを利用せず動作の可否だけで簡便に判断可能
③病棟内での転倒しやすい動作を想定した 7 項目に加え
看護師の経験則や直感も加味している点であり,8項目すべてについて3日連続クリアののちリハビリテーション担当医が最終的に自立の可否を決定している。
なお,テストの開始基準は看護師による病棟内見守り歩行可能者とした。

内 哲男他「回復期リハビリテーション病棟における歩行自立判定テストと自立後の転倒者率」身体教育医学研究 13:9-14,2012

歩行自立度判定テストの評価方法

評価項目

①ベッドのカーテンの開閉ができる
②後ろ歩きが3歩できる
③立位で床に落ちた杖を拾うことができる
④その場周り(180度)が右回り・左回りとも行える
⑤目標の場所まで到達できる
⑥机の前の椅子を引いて座り、立ち上がって歩き出す
⑦病棟の廊下を大回り1周できる
⑧病棟内の歩行自立が可能だと思う

歩行自立度判定テストの評価項目の特徴を考える

歩行自立度判定テストでは、その評価項目が、転倒する際によく聞かれる内容になっていることだと思います。
「①ベッドのカーテンの開閉ができる」では、上肢リーチングに伴う左右の重心移動を伴う課題であり、カーテンを開け閉めする際の視覚的な情報の変化にも対応しながらバランスを保持する必要があります。

「②後ろ歩きが3歩できる」では、対象者は歩行練習として前方への推進力を得ることには慣れていますが、後方へのバランス制御は得意でないことが多々あります。後ろ歩きということは後方にバランスを崩しやすくなりますから、いかに前方へ重心を保ちながら後ろにステップできるかという課題になります。

「③立位で床に落ちた杖を拾うことができる」では、中腰姿勢が必要とされますが、脳卒中の方では意識的に下肢の出力を保つことができるが、別のことをしながらでは無意識的にその姿勢をコントロールするための姿勢筋緊張をコントロールすることが難しいこともあります。

「④その場周り(180度)が右回り・左回りとも行える」では、麻痺側方向、非麻痺側方向に回転する時に、いかにバランスを保つことができるかが要求されます。一般的に、麻痺側の支持性が低いことから、麻痺側を軸とした回転での転倒リスクが高まると言えます。

「⑥机の前の椅子を引いて座り、立ち上がって歩き出す」では、これも後方への重心移動を伴う課題です。椅子を引く際に、無意識的に姿勢筋緊張をコントロールしながら、後方へのバランスを崩さないように保持する能力が求められます。

「⑧病棟内の歩行自立が可能だと思う」では、看護師の経験則に基づく主観的なものを尋ねています。この項目は、看護師の経験によって捉え方が異なることもあるため、複数の看護師に確認してもらうことで正確性を補うことも必要かもしれません。

脳卒中では損傷部位別の評価とアプローチを行うことが必要ですよね?






呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見

呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。

呼吸療法認定士 eラーニング講座

スキマ時間勉強ならリハノメ

PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。

各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。

セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。

なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。

高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。

臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。

長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。

PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』

PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法

転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。

管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】