呼吸循環器系のフィジカルアセスメントにおいて、チアノーゼの有無を確認することはリスク管理上重要です。今回、リスク管理とフィジカルアセスメントにおける、チアノーゼのメカニズムや評価についてまとめていきたいと思います。
目次
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チアノーゼとは以下のようなものをさします。
チアノーゼ (ドイツ語: Zyanose、英語: cyanosis) とは、皮膚や粘膜が青紫色である状態をいう。 一般に、血液中の酸素濃度が低下した際に、爪床や口唇周囲に表れやすい。 医学的には毛細血管血液中の脱酸素化ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)が5g/dL以上で出現する状態を指す。
Wikipedia
このことからチアノーゼを確認する意義として、体に酸素供給が適切に行われているか(必要な酸素で満たされているのか)を把握できるということが挙げられます。
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正常(体の隅々へ酸素の供給が必要なだけ満たされている状態)では、指先や唇の色はピンクやオレンジがかった赤色です。
一方、チアノーゼがあると青色に近い紫色になります。
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チアノーゼが出現するメカニズムを見ていきます。
血液の色のイメージは赤色だと思います。
血液の色が赤色なのは、血液に多くの酸素が結びついているためです。
血液に酸素の結びつきが少ない場合、血液は青みがかった黒っぽい色(暗赤色)になります。
正常では血液に酸素が多く結びついた赤い血液は皮膚を通すとピンクやオレンジがかった赤色になります。
しかし、血液の結びつきが少ない青みがかった黒っぽい血液は、皮膚を通すと紫色に見えます。
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中心性チアノーゼとは、実際に酸素不足によりチアノーゼが出現している状態で、血液中の酸素が低下しています。
抹消性チアノーゼは、血液中の酸素は正常に保たれているのですが、血液循環不良によりチアノーゼが出現している状態です。
抹消性チアノーゼは、冷たい(寒い)場所に長時間いることや、脱水などで末梢循環不良が生じると、末梢部にチアノーゼが生じます。
中枢部(唇など)では皮膚の色は正常な色をしています。
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貧血の方では、チアノーゼは見られにくいとなっています。
これは、貧血ではもともとのヘモグロビン量が少ないため、脱酸素化したヘモグロビンの産生量が少ないことによるものです。
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呼吸リハビリテーションマニュアルでは、リハビリテーション中止の基準として、
・呼吸困難感:修正ボルグスケール7(とてもきつい)以上
・自覚症状:胸痛、動悸、疲労、めまい、ふらつき、チアノーゼ
・心拍数
年齢別最大心拍数の85%:(220−年齢)×0.85
*肺高血圧がある場合、70%になる:(220−年齢)×0.7
・呼吸数:毎分30回以上
・血圧:運動時収縮期血圧の下降、拡張期血圧の上昇
・SpO2:90%以下
を挙げています。
チアノーゼが生じる呼吸器疾患では、肺胞換気障害があり、COPDや肺気腫、慢性気管支炎などが挙げられます。
これらを基礎疾患として有している方では、皮膚状態を確認することを忘れずに、チアノーゼの有無を確認することが重要になります。
COPDなどでチアノーゼが出現しているのであれば、パルスオキシメーターで酸素飽和度を確認することが重要です。
このような換気不全状態では、CO2が肺に貯留することになり、換気需要は低い酸素刺激で維持されていることになります。
この状態ではその状態で酸素流入をすると、低い酸素刺激はなくなり、換気が低下してしまいます。
するとCO2は肺胞に貯留し(CO2ナルコーシス)、前途した脳症状が起こります。
呼吸器疾患のリスク管理やADL指導については以下の記事を参照してください。