回復期リハビリテーション病棟では、その効果を知るための指標として「実績指数」が用いられています。今回、リハビリ管理運営として、回復期リハ病棟における実勢指数についてまとめていきたいと思います。
目次
回復期リハ病棟における実績指数とは(計算式,除外基準,計算方法,求め方など)
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実績指数とは
「実績指数」とは、リハビリテーション提供により、対象者の状態がどの程度改善したかを示す数値です。
この実績指数は回復期リハビリテーション病棟における施設基準に組み込まれています。
実績指数が27点以上で、「効果に係る相当程度の実績が認められる」と判断されます。
実績指数が27点以下、すなわち効果に係る実績が一定の水準を下回る場合、疾患別リハビリテーション料の6単位を超える費用については、回復期リハビリテーション入院料に包括されることになります。
つまり実績紙指数が良くないと、対象者に9単位のリハビリテーションを提供しても、6単位までしか請求ができないということになります。
*例外があり、脳血管疾患などの対象者の場合、発症から60日以内のものであればリハビリテーション提供料は入院料に包括とはなりません。
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回復期リハビリテーション入院料と実績指数
回復期リハビリテーション病棟は入院料[6-1]に別れており、それぞれに必要な実績指数があります。
出典:https://www.dietitian.or.jp/assets/data/medical-fee/0000198532_30_31.pdf
上図を見ると、入院料6→入院料5に変更する場合には実績指数が[30以上]に設定されています。
入院料4→入院料3に変更する場合には実績指数が[30以上]に設定されています。
入院料2→入院料1に変更する場合には実績指数が[37以上]に設定されています。
*令和2年度の診療報酬改定で、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び回復期リハビリテーション病棟入院料3におけるリハビリテーション実績指数が引き上げられることになりました。
回復期リハビリテーション入院料1→[40以上]
回復期リハビリテーション入院料3→[35以上]
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実績指数の求め方
効果の実績の評価の対象となる医療機関
回復期リハ病棟では、効果実績の評価対象となる医療機関に対する基準が定められています。
・3か月ごと(1月、4月、7月、10月)の報告において、①かつ②が、2回以上連続した医療機関
①報告の前月までの6か月間に回復期リハビリテーション病棟から退棟した患者数(実績指数の対象となるものに限る)が10名以上
②報告の前月までの6か月間の、回復期リハビリテーション病棟のリハビリテーションの1日平均提供単位数が6単位以上
1日平均提供単位数=
回復期リハビリテーションを要する状態の患者に提供された疾患別リハビリテーションの総単位数/回復期リハビリテーションを要する状態の患者の延べ入院日
3か月ごとの報告において報告の前月までの6か月間に退棟した患者を対象とした「実績指数」が2回連続して27未満の場合、疾患別リハビリテーション料は6単位を超えた分については入院料に包括されます。
また各入院料(1,3,5)には、実績指数の定めがありますから、規定されている実績指数を下回ることがあれば、乳飲料のダウングレードしなければなりません。
実績指数を求めるのに必要な指標
FIM
FIM(Functional Independence Measure)は、しているADLを評価する指標です。
実績指数においては、FIMの運動項目のみ使用されます。
使用されるのは、
FIM得点(運動項目)の、退棟時と入棟時の差です。
この指標がFIM利得になります。
FIMについては以下の記事も参照してください。
回復期リハビリテーション病棟の在棟日数
入棟から退棟までの在棟日数
これは、対象者が何日間回復期リハビリテーション病棟に入院していたかを表す指標です。
状態ごとの回復期リハビリテーション病棟入院料の算定上限日数
回復期リハビリテーション病棟入院の対象には規定があります。
・脳血管系では算定上限日数が150日以内
*高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷では180日以内
・運動器疾患、廃用症候群では算定上限日数が90日以内
上記は主な疾患群ですが、例外もあります。
・大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経又は靭帯損傷後の状態(損傷後1ヶ月以内に回復期リハビリテーション病棟入院料の算定が開始されたものに限る)では算定上限日数が60日以内
・股関節又は膝関節の置換術後の状態(術後1ヶ月以内に)回復期リハビリテーション病棟入院料の算定が開始されたものに限る)では算定上限日数が90日以内
**令和2年度の診療報酬改定で、入棟における発症からの期間が撤廃されることになりました
実績指数の計算式
実績指数は、以下の計算式で求められます。
各患者の (FIM得点運動項目 の、退棟時と入棟時の差) の総和/各患者の(入棟から退棟までの在棟日数/状態ごとの回復期リハビリテーション病棟入院料の算定上限日数)の総和
出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf
実績指数の除外基準
実績指数を求める過程においては、除外基準に従って、計算式から除外できる対象者を設定することが可能です。
必ず除外
・在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料を一度も算定しなかった患者
・在棟中に死亡した患者
まとめて除外できる患者
・回復期リハビリテーション病棟に高次脳機能障害の患者が特に多い(退棟患者の4割以上)保険医療機関では、高次脳機能障害の患者を全て除外してもよい。
医療機関の判断で、各月の入棟患者数(高次脳機能障害の患者を除外した場合は、除外した後の数)の3割以下の範囲で除外できる患者
・入棟時にFIM運動項目の得点が20点以下の患者
・入棟時にFIM運動項目の得点が76点以上の患者
・入棟時にFIM認知項目の得点が24点以下の患者
・入棟時に年齢が80歳以上の患者
これらについては、毎月の入院患者数の30%を超えないようにすることが定められています。
また、入院初月のレセプトにその旨を記載しておく必要があります。
実績指数の向上に必要なこと
実績指数の向上には、
・FIM運動項目の改善
・入院日数の短縮
が求められます。
いやらしい話ですが、例えば圧迫骨折の方でコルセットができていない状態であれば、回復期リハ病棟入棟時にはFIM運動項目の得点が低く、コルセット装着後には運動項目の得点が大幅に改善されます。
また、入院日数も比較的短いため、実績指数は上がりやすくなります。
入棟する患者の予後予測をいかに的確にしていくかという視点を持津ことも求められます。
実績指数の向上に関する記事を以下を参照してください。
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