リハビリテーション提供においては、算定日数を越えた場合基本的には診療報酬が減額されますが、除外基準があり、条件を満たす場合には算定日数を越えても従来通りのリハビリテーション提供料で実施が可能になります。今回、算定日数を超えたリハビリの実施として、除外の基準を確認していきたいと思います。
目次
スポンサードサーチ
医療機関でのリハビリテーション提供においては、各疾患ごとに算定日数が定められています(各疾患別リハビリテーションの標準的算定日数)。
この標準的算定日数を越えた場合、リハビリテーション提供は13単位/月と大幅に減少します。
患者様にとってはリハビリテーション実施時間が大幅に減少するので、不安を覚える方も少なくはありません。
我々セラピストは、入院中から患者様が自ら率先して自主トレを行えるような環境づくりを提供する事がが求められています。
スポンサードサーチ
各疾患別リハビリテーションの標準算定日数を越えても、その期間と同様に算定できる場合があります。
これらに該当する場合です。
スポンサードサーチ
別表第九の八
について詳しく見ていきます。
- 失語症、失認及び失行症の患者
- 高次脳機能障害の患者
- 重度の頚髄損傷の患者
- 頭部外傷及び多部位外傷の患者
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
- 心筋梗塞の患者
- 狭心症の患者
- 軸索断裂の状態にある末梢神経損傷(発症後一年以内のものに限る。)の患者
- 外傷性の肩関節腱板損傷(受傷後百八十日以内のものに限る。)の患者
- 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
- 回復期リハビリテーション病棟において在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料を算定した患者であって、当該病棟を退棟した日から起算して三月以内の患者(保険医療機関に入院中の患者、介護老人保健施設又は介護医療院に入所する患者を除く。)
- 難病患者リハビリテーション料に規定する患者(先天性又は進行性の神経・筋疾患の者を除く。)
- 障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者に限る。)
- その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者又は廃用症候群リハビリテーション料に規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められるもの
https://www.pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-30/520
上記に該当する対象者(別表第九の八第一号)で、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には、算定日数を越えても算定日数の期間と同様に算定できることになります。
また、
について(別表第九の八第二号)は、治療上有効であると医学的に判断される場合、算定日数を越えても算定日数の期間と同様に算定できることになります。
なお、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病とは、
介護保険法第7条第3項第2号に規定する特定疾病であり、以下のものがあります。
- がん【がん末期】
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、
- 大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 【パーキンソン病関連疾患】
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
https://www.pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-30/520
スポンサードサーチ
別表第九の八第一号に規定する患者で、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合は、継続することとなった日を診療録に記載することと併せ、継続することとなった日およびその後 3 か月に1回以上リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付することが必要です。
その際、リハビリテーション実施計画書には以下の事が含まれている必要があります。
①これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)
②前3か月の状態との比較をした当月の患者の状態
③将来的な状態の到達目標を示した今後のリハビリテーション計画と改善に要する見込み期間
④下に記す指標を用いた具体的な改善の状態
○機能的自立度評価法(Functional Independence Measure 以下「FIM」)、
○基本的日常生活活動度(Barthel Index 以下「BI」)
○関節の可動域
○歩行速度及び運動耐用能力などの指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続の理由などを記載したものであること。
ただし、リハビリテーション実施計画書を作成した月にあっては、改善に要する見込み期間とリハビリテーション継続の理由を摘要欄に記載したうえで、当該計画書の写しを添付することでも差し支えない。
なお、継続の理由については、具体的には次の例を参考にして記載すること。本患者は、2008 年 9 月 21 日に脳出血を発症し、同日開頭血腫除去術を施行した。右片麻痺を認めたが、術後に敗血症を合併したため、積極的なリハビリテーションが実施できるようになったのは術後 40 日目からであった。2009 年 2 月中旬まで 1 日 5 単位週 4日程度のリハビリテーションを実施し、BI は 45 点から 65 点に改善を認めた。3 月末に標準的算定日数を超えるが、BI の改善を引き続き認めており、リハビリテーションの開始が合併症のために遅れたことを考えると、1 か月程度のリハビリテーション継続により、更なる改善が見込めると判断される。
https://www.khosp.or.jp/files/pdf/document/rehabilitation_manual.pdf
別表第九の八第二号に規定する患者で、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合は、継続することとなった日を診療録に記載することと併せ、継続することとなった日及びその後 3 ヶ月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付することが必要です。
その際、リハビリテーション実施計画書には以下の事が含まれている必要があります。
①これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)
②前3か月の状態とを比較した当月の患者の状態
③今後のリハビリテーション計画等について記載したものであること。https://www.khosp.or.jp/files/pdf/document/rehabilitation_manual.pdf