股関節疾患術後と可動域改善ストレッチの順序と方法-靴下・ズボン着脱、爪切りに繋げるために-
股関節疾患術後(THA、BHA、ガンマネイル)では、股関節の可動域改善に難渋する事があります。今回、靴下・ズボン着脱、爪切りに繋げるための、股関節疾患術後と可動域改善ストレッチの順序と方法についてまとめていきたいと思います。
目次
股関節疾患術後と可動域改善ストレッチの順序と方法-靴下・ズボン着脱、爪切りに繋げるために-

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日常生活を支障なく送るために必要な股関節の可動域はどのくらいか?
日常生活上を支障なく送るために必要な股関節の可動域は、
・屈曲-120〜130°
・外転-20°
・外旋-30°
・内旋-20°
だとされています。
上記の股関節の可動域が確保されていない場合は、遂行する動作によってはなんらかの行いにくさを感じていたり、動作遂行のためになんらかの工夫をされていると思われます。
日本整形外科学会股関節機能判定基準では、日常生活の困難さを把握するために以下の項目が設定されています。

出典:http://hokkaidogaisho.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20130328221413-F7813964C71CAB8FCF568A27231CAB98A0FF9A1F3A7053E8D85C8ECC7F0C03EB.pdf
上記の項目に必要な股関節可動域は、おおよそ以下のような数値になります。
しゃがみこみ:屈曲115°、外転30°、外旋25°
立ち上がり:屈曲110°、外転20°、15°
階段(昇り):屈曲70°、外転15°、外旋20°
靴下・ズボン着脱、爪切りに必要な股関節の運動は屈曲・外転・外旋で、この肢位は「回排位」とも呼ばれています。
股関節屈曲の制限因子
股関節後方組織の柔軟性低下による屈曲制限
股関節屈曲運動においては、大腿骨は後方滑りの運動を行います。
そのことから、大腿骨の後方滑りの妨げになる要因としては、股関節の後方に位置する筋肉の柔軟性が低下していることが考えられます。
股関節の後方組織がの柔軟性が低下すると、股関節屈曲に伴い大腿骨頭が前方に押し出されてしまいます。
すると、股関節では前方組織のインピンジメントが生じることで疼痛の原因にもなります。
股関節後方の軟部組織の中で特に重要と考えられているのが股関節外旋筋群(梨状筋など)です。
梨状筋が原因になる場合は、股関節屈曲位での内旋運動でタイトさを感じると思います。
他の後方組織の筋としては、大臀筋や中臀筋があります。
関節包や靭帯は、筋肉による制限の後に生じると考えられます。
股関節後方にある靭帯としては坐骨大腿靭帯があり、その下方繊維が股関節屈曲内旋位にて制限因子となります。
股関節前方組織の柔軟性低下による屈曲制限
先ほどは股関節後方組織による屈曲制限を考えていきましたが、股関節前方組織も屈曲制限の要因になることがあります。
それは主に股関節前方組織の癒着などによるものです。
股関節前方組織の中でも、大腿直筋が股関節屈曲時のインピンジメントの原因となりやすいことが言われています。
大腿直筋は周囲にある縫工筋、大腿筋膜張筋、小臀筋とのつながりがあるため、これらの筋についても柔軟性の低下が股関節屈曲制限の要因になることも考えられます。
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股関節外転の制限因子
股関節外転の制限因子
内転筋の柔軟性(筋緊張)を評価する場合、前途したように骨盤の代償を極力小さくするために、反対側の下肢を外転させておきます。
通常であれば、検査側の下肢を外転させていけば、90度程度開くことが可能になります。
それ以下の角度であったり、代償性に骨盤運動が見られるようであれば、股関節内転筋の柔軟性低下や筋緊張亢進があると考えられます。
股関節外転制限に影響する内転筋群の鑑別方法
股関節内転筋には、恥骨筋、長内転筋、大内転筋、薄筋があります。
これらの股関節外転制限に影響する内転筋群の鑑別方法としては、以下のようになります。
股関節伸展位での外転制限→恥骨筋が制限因子
股関節屈曲位での外転制限→長内転筋制限因子
股関節をさらに屈曲位での外転制限→大内転筋因子
と考えられます。
薄筋は二関節筋であり、膝関節屈伸の角度の違いも考慮する必要があります。
膝伸展位での外転制限(膝屈曲位では外転制限が小さくなる)→薄筋が制限因子
と考えられます。
股関節外旋の制限因子
股関節内旋筋による外旋制限
股関節内旋筋には
・中臀筋(前部繊維)
・小臀筋
・大腿筋膜張筋
があります。
なおこれらの筋肉はその走行から、股関節屈曲位であれば強い内旋トルクを発揮するのに有利だとされています。
股関節屈伸の角度の変化による外旋制限
股関節外旋筋の制限因子となる筋肉は、股関節の屈伸の角度によって異なります。
例えば、外旋運動の代表筋である梨状筋は、股関節屈曲が大きくなると内旋作用を有しています。
このように、外旋運動の制限因子は股関節の角度によって変化するということを知っておくことが必要になります。
股関節屈曲位(90°)での股関節外旋:梨状筋が制限因子
となります。
内転筋群も股関節外旋運動を制限するかもしれない
恥骨筋,長内転筋,短内転筋は股関節中間位から他動的に内旋すると短縮し、外旋すると伸張します。
股関節内転筋群は内旋作用を有していることが示唆されています。
なお、股関節中間位における内旋の機能を有することを強調しており、股関節外旋運動の制限因子になることが考えられます。
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股関節疾患術後と可動域改善ストレッチの順序と方法(屈曲、外転、外旋)
股関節屈曲、外転、外旋の可動域改善に向けては、背臥位⇨長座位⇨端座位とストレッチを進めていくと、患者様の負担増に繋がりにくいと考えられます。
基本戦略としては、
・疼痛を考慮してゆっくりと、時間をかけながらストレッチする
事が大切です。
疼痛を強く感じると、ストレッチに対する意欲が低下する事があります。
すると、患者様はストレッチを行いたくないと感じてしまうため、患者様のペースに合わせて行う事が必要です。
詳しくは、以下の動画を参照してください。
チャンネル登録よろしくお願いします⇨https://bit.ly/37QHaWc


