失語症者のADLにおいて、自立が難しいとされるのが服薬管理です。もちろん、失語症のレベルによりますが、対象者の服薬管理能力を評価することで、自立か介助が必要かを判断することが可能です。今回、失語症と服薬管理において、動作遂行にはどのような要素が必要かについてまとめていきたいと思います。

失語症と服薬管理!動作遂行にはどのような要素が必要か!

服薬に必要な要素

服薬に必要な要素は以下のようなことが挙げられます。

・服薬の目的や必要性の理解
・薬の取り出し
・薬の切り離し
・薬を飲む
・薬の管理、保存(薬を種類別に分ける、忘れずに服薬する、指示通りの服薬、◯日分の薬など把握している、なくなる前に伝える、薬の内容や効能を知っている、お薬手帳を利用する)

服薬という大きな意味で捉えると、薬を飲むまでの動作面と薬を管理するという高次脳機能面に分けることができます。

失語症者は服薬の管理面で困難が生じやすく、そのあたりの能力を援助者は評価し、把握する必要があります。

日常生活上での評価:時間管理

服薬管理において、時間通りに薬を飲めることは重要です。

日常生活上の評価としては、例えば、
・伝えておいた時間通りに訓練室に来ることができるか
・家族が面会に来る時間までに整容を済ませておくことができるか

などと、約束していた時間に合わせて行動ができるかどうかを課題設定として評価していきます。

評価:数字の概念

服薬管理において、数字を概念を把握しているかどうかは、決められた用量の薬を飲むことができるかということにつながります。

数字の概念を評価するには、以下のようなことを行います。

・数字を示し(カードなど)、それに合う数の物品(お手玉、おはじき)などを取り出す
・数字を示し(おはじきなど)、それに合う数の指を立てる
・数字を示し、出された物品と同じ数かどうか確かめる、修正する

このように、数の概念を評価していきますが、日常生活上でもジュースを買うのに必要な金額をの硬貨を出してもらったりすることで、ある程度の数字の概念が理解できているかを知ることができます。

評価:日付の理解

服薬管理において、日付を理解できるということは、出された薬の量(何週間分、何日分など)を理解し、飲み忘れがないかの確認をすることにつながります。

日付の理解については、以下のような評価を行います。

・カレンダーを用意し、今日の日付を答える
・カレンダーを用意し、今日は何曜日かを答える

カレンダーを用意するのは、言語表出が難しい場合に指で指し示して答えるためです。

日付を指で指し示しても答えることができない場合、認知機能として見当識障害がある可能性があります。

評価:時計の概念の理解

私たちは普段からスケジュール管理として時計を利用しています。

服薬管理において、時計を利用できるということは、決められた時間に服薬できるということにつながります。

時計の概念の理解では、以下のような評価を行います。

・時計の文字盤を読み、時間が書かれているカードと一致させる
・時間が書かれているカードを見て文字盤の長針と短針を合わせる

これだけでも十分ですが、デジタル時計を使用したり、24時間での時間の読み方なども理解できているかを評価することもあります。

対象者の能力に合わせた服薬管理を行う

以上のような能力が全て可能であれば服薬管理も問題ないかもしれませんが、対象者の状態は様々です。

その場合、服薬管理の方法を考える必要があります。

対象者が1回分に必要な薬を用意できなければ、必要な薬を一包化するなどの対応が必要になるかもしれません。

反復練習や環境設定、他者依頼などを通して、対象者のできるところは自分で行えるように援助していくことがポイントになります。