TBI-31(脳外傷者の認知-行動障害尺度)は脳外傷者の認知-行動障害を生活場面の観察に基づいて明らかにするための評価ツールです。今回、TBI-31の概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
TBI-31(脳外傷者の認知-行動障害尺度)は脳外傷者の認知-行動障害を生活場面の観察に基づいて明らかにするための質問紙です。TBI-31は31項目の質問から構成され、各項目は、「健忘性」「易疲労性・意欲の低下」「対人場面での状況判断力の低下」「固執性」「情動コントロールの低下」「現実検討力の低下」「課題遂行力の低下」の因子に分けることができます。
支援者・近親者による観察評価を行い、0−4の5段階と「該当なし」で評価します。
全くない |
〜 |
ときどき |
〜 |
いつも |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
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1.伝えた内容について、他のことをした後に確認すると忘れている
2.数分前に伝えたことを忘れている
3.メモをもらったことや、メモで伝えられたことを忘れている
4.他のことに注意が向くと予定を忘れている
5.毎日の日課にそって行動できるが週1回程度の予定は忘れている
6.特別な出来事の内容(たとえば映画や買い物)を思い出せない
7.ふだんの日課を思い出せない
8.月日や曜日を間違える
9.2つ以上の指示をするといくつか忘れている
10.何もしたがらない
11.することがないと横になりたがる
12.すぐ疲労感を訴える
13.自発的な行動がみられない
14.少しでも難しいと思うと集中できなかったり、やる気がなくなったりする
15.会話の文脈に合わない発言をする
16.話題がかわってもすぐに話に付いてこられない
17.その場に不適切な発言をする
18.気になることがあるとくり返しおこなう
19.物の配置や収納場所を過剰に一定にしたがる
20.いったん思い込むとなかなか修正できない
21.ちょっとしたことがきっかけで怒鳴る
22.待たされると怒ったりイライラしたりする
23.精神的に不安定になりやすい
24.問題を指摘されたり失敗に直面しても気にかけない
25.危険なことをしているのに自分では安全だと思っている
26.与えられた課題に集中して取り組むことができない
27.話を自分の都合のいいように解釈する
28.決まった日課にそって行動できるが、変更や追加があると対応できない
29.予定が重なるとどうしたらいいか分からなくなる
30.一度に2つ以上のことを説明すると混乱する
31.他のことに気がとられると予定の行動がとれなくなる
「健忘性」は項目1〜9(9項目)、「易疲労性・意欲の低下」は項目10〜14(5項目)「対人場面での状況判断力の低下」は項目15〜17(3項目)、「固執性」は項目18〜20(3項目)、「情動コントロールの低下」は項目21〜23(3項目)、「現実検討力の低下」は項目24〜27(4項目)、「課題遂行力の低下」は項目28〜31(4項目)となります。
各因子の合計得点を該当項目数で除し、平均評定値を算出します。各因子において、健常群の評定平均値があります。
エクセルシートを使用すれば、Z値(健常者100人の平均値からの隔たりを示す値)の計算を自動的に行うことができ、レーダーチャートとして表示することが可能です。
エクセルファイルはこちらから。
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