失語症治療方法のひとつに、CIAT(constraint-induced aphasia therapy)があります。今回、CIATの概要と実施方法、注意点について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 失語症治療としてのCIATの概要と実施方法、注意点

引用、参考文献

生駒 一憲「CIAT(constraint-induced aphasia therapy)」CLINICAL NEUROSCIENCE Vol.35 no.5(2017-5)

失語症治療について

失語症治療では、脳卒中急性期では注意障害や記憶障害などの問題により、身体的疲労に加えて精神的疲労も大きいことから、集中した実施や多くの訓練量を確保することが困難なことがあります。
維持期では、集中した訓練が可能になりますが、脳卒中の回復程度は時間経過とともに低下してしまう現状があります。
維持期に十分訓練ができ、有効性のある治療法として、CIAT(constraint-induced aphasia therapy)が開発されました。
CIATはCI療法の概念を失語症に適応したもので、集中的な言語訓練を行います。

 

CIAT(constraint-induced aphasia therapy)の概要

CIATではカードの絵合せゲームを失語症患者2〜3名に対し、セラピスト1名で行います。
カードの絵は16種類あり、カードの片面に1種類の絵が描かれてあり、同一の絵が描かれてるもの2枚を一組として、計32枚のカードを使用します。

①テーブル4辺に各1名のプレーヤーが座ります。
 前方と両側に障壁を置き、他人のカードが見えないようにします。
②プレーヤーは1枚のカードを他人に見えないように取り上げます。
 他のプレーヤー1人に話しかけ、目的の絵カードを要求します。
③話しかけられたプレーヤーは、その絵カードを持っているかを判断し、持っていればそのカードを要求したプレーヤーに渡します。
 持っていなければ、はっきりと「持っていない」ことの返事をしなければなりません。

*コミュニケーションは話し言葉で行わなければならず、指差しやジャスチャーを用いてはなりません。
*CIATでおの拘束は話し言葉を患者に強制することになります。
*1日3〜4時間で10日間の集中訓練を行います。

カードの絵について

カードの絵は使用頻度の高い単語の絵、低い単語の絵、よく似た音の単語の絵を用います。
カードは白黒の絵や色違いの絵、複数の絵が描かれていたりします。
複雑な絵カードを使うと、より高度で複雑な言語的コミュニケーションを必要とします。
物の絵が色付きで描かれてる場合、物の名前と色を述べる必要があります。

Shaping

はじめは絵を正確に表す言葉でなくても構いません。
徐々にShapingに則り、セラピストにより拘束されます。
プレーヤーの名前を「◯◯さん」と丁寧に呼ぶ。
絵に描かれている物の数をはっきりと言う。
1〜2語の発話だけでなく、構文を用いる(◯◯さん、⬜︎個の△をいただけますか)。

強化の随伴性

強化の随伴性とは、良い結果を得るための発語がどのようなものなのかを自分で学習することです。
これは、各患者の能力に合う発語レベルを維持することで高まります。
グループでの各レベルが様々であれば、レベルの低い患者では拘束条件のひとつに従えば目的のカードが得られ、レベルの高い患者では拘束条件がより満たされたときにのみ目的のカードが得られるようにします。

【スポンサーリンク】

 

コニュニケーションの量と質の評価:CAL(commnication activity log)

コニュニケーションの量と質を評価する方法のひとつに、CAL(commnication activity log)があります。
コミュニケーションの質(どれくらい上手くできるか)を
0点:できない
1点:大いに問題あり
2点:軽微な問題あり
3点:できるが必要最小限
4点:中等度できる
5点:うまくできる
で採点します。
評価項目:
1.親しい人とのコミュニケーション
2.親しい人の集団の中でのコミュニケーション
3.面識のない人とのコミュニケーション
4.面識のない人の集団の中でのコミュニケーション
5.公共の場所(事務所や郵便局など)でのコミュニケーション
6.電話でのコミュニケーション
7.ラジオやテレビのニュースの理解
8.新聞記事の内容の理解
9.メモを書き留める
10.簡単な算数の問題を解く
11.ストレスがかかる状況でのコミュニケーション
12.ストレスのない状況でのコミュニケーション
13.疲れたときのコミュニケーション
14.実際に起こったことを伝える
15.質問をする
16.質問に答える
17.批判や不満を口頭で述べる
18.批判に対し口頭で答える

コミュニケーションの量(どれくらいの頻度で行うか)を
0点:しない
1点:ほとんどしない
2点:まれに
3点:ときどき
4点:頻繁に
5点:非常に頻繁に
で評価します。
評価項目:
19.親しい人とのコミュニケーション
20.親しい人の集団の中でのコミュニケーション
21.面識のない人とのコミュニケーション
22.面識のない人の集団の中でのコミュニケーション
23.公共の場所(事務所や郵便局など)でのコミュニケーション
24.電話を使う
25.ラジオやテレビのニュースを聞く
26.新聞を読む
27.メモを書き留める
28.簡単な算数の問題を解く
29.ストレスがかかる状況でのコミュニケーション
30.ストレスのない状況でのコミュニケーション
31.疲れたときのコミュニケーション
32.実際に起こったことを伝える
33.質問をする
34.質問に答える
35.批判や不満を口頭で述べる
36.批判に対し口頭で答える

【スポンサーリンク】

 

ブログには書けない裏話、更新通知、友だち限定情報などを配信(完全無料)!まずは友だち追加を♪ 友だち追加