更衣動作の評価では、どのような点に注目して観察をしているでしょうか。どの評価においても、「こういう点が観察されればこうかもしれない」というような基準があれば評価も行いやすくなります。今回、更衣動作評価で観察するべき視点について高次脳機能障害を中心としてまとめていきたいと思います。

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更衣動作評価で観察するべき視点!高次脳機能障害を中心として!

更衣動作の評価と観察される現象

よく、着衣失行という言葉を聞きますが、あれは服をうまく着ることができない方たちをまとめて読んでしまっている感じだと思います。
着衣失行だとしても、それがどのような要素から成り立っているかを考えていく必要があります。

そのためには、観察によりどのような現象が起こっているのかをまずは把握していく必要があります。
よく観察される行為障害には以下のようなものがあります。

・服を持ち替えて、戸惑う
・袖に足を通そうとする
・ズボンを頭からかぶろうとする
・ボタン操作やファスナー操作が不器用、拙劣
・両方の腕を袖に入れようとする
・袖を引っ張り続ける
・袖やズボン穴を探し続ける
・片麻痺の方で、麻痺側から非麻痺側という順番で袖に腕を通すことができない
・下着→上着ではなく、上着→下着という順番で着てしまう
・遂行途中で動作が止まってしまう
・麻痺側の衣服を無視する
・麻痺側の衣服を整えることができない
・前後、裏表、左右がわからない
・袖口やズボン穴を探せない
・手を袖口から入れる
・腕を頭側から通そうとする

このように、現象だけ考えてもかなりのパターンがみられます。
では、このような現象がなぜ見られるのかを考えていく必要があります。

 

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高次脳機能障害と更衣動作障害

次に、上記のような行為障害がなぜ生じるのかを考えていきます。

保続から見た更衣動作障害

保続とは、ある行為を行っているときに、一つの反応から他の反応へと変化することができないために繰り返されてしまう運動や行動のことをさします。

保続により、
・袖に腕を入れる際、袖の端が肘や肩に上がるまで、袖の中に腕を入れ続ける
・靴下を履く際、すでに足が隠れていても、靴下を引っ張り続ける
などの行為障害が観察されます。

保続については以下の記事を参照して下さい。
2種類の保続とリハビリテーション!機能面とADLへのアプローチ

 

空間関係の障害と更衣動作障害

空間関係の障害とは、物と物や物と自分自身との関係性を構築するのが難しい状態です。
例えば、上記にあったように、
前後、裏表、上下を見つけることが困難となり、
・腕を袖穴の代わりに頭側通す
・左腕の代わりに右腕を通す
・両足を同じズボンの穴に入れる
・ズボンの片方が裏になっているのに気づかない
・シャツを着るときに間違った方向に袖を引っ張る
・靴ひもの操作が困難
などが観察されます。

左右がわからないことによる更衣動作障害

左右がわからなくなるのには、幾つかの要因が考えられます。
例えば、失語症によるものや、視空間の要素などがあります。

左右が識別できなくなることにより、
・右の靴を左の足に履く
などが観察されます。

身体失認と更衣動作障害

身体失認があるということは、身体図式の障害があるということです。
自分の体に関する意識の低下や、自身の体の各部位の位置関係などがわかりにくくなります。
そのため、外部の物品などの環境と自身を関係付けることが難しくなります。

身体失認があると、
・シャツの袖穴に足を通そうとする
・麻痺側上肢の衣類の着脱を行わない
・脱衣で麻痺側上肢が袖穴に入ったままなのに、終わろうとする
・麻痺側の肩にシャツが引っかかったままで気づかない
・麻痺側のシャツが最後まで下ろされていない
などが観察されます。

 

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半側空間無視と更衣動作障害

半側空間無視があると、

・左側に置かれた衣服に気づかない
などが観察されます。

観念性失行と更衣動作障害

観念性失行があると、道具を見ても何をしてよいかわからなかったり、動作遂行における順序が立てれなくなったりすることがあります。
詳しくは以下の記事を参照して下さい。
観念失行と観念運動失行の違いや覚え方!ADLにおける評価方法!

観念性失行があると、
・衣類が何をするものなのか、どのように着るのかわからない
・上着→下着ときた後、修正のための手順が想起できない
・靴の上から靴下を履く
・ズボンを履く前に靴を履く
などが観察されます。

また、順序立てができないと、
・麻痺側上肢の前に非麻痺側上肢から更衣を始める
などが観察されます。

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