腹臥位on elbow(パピーポジション)は、リハビリテーションや腰痛治療においてよく利用される姿勢です。今回、その意義とトレーニングについて、まとめていきたいと思います。
腹臥位on elbow(パピーポジション)の意義とリハビリでのトレーニング!
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運動発達と腹臥位on elbow(パピーポジション)
運動発達においては、腹臥位腹臥位on elbow(パピーポジション)はどのような意義があるのでしょうか。
子供が寝返りと座位を獲得していく時期、4〜6ヶ月では、腹臥位を上肢の支持性を促すことに利用しています。
寝返り動作が遂行されるには、下側の肘で床面を押し、反対の体を床から押し上げることで行なわれます。
この動作が適切に行われるために、上肢の支持性が必要になるのです。
上肢の支持性があるからこそ、寝返りが容易になります。
腹臥位で頸を持ち上げたり、足で床を蹴って遊ぶとき、頸を持ち上げると重心は臀部に下がり、足で蹴ると重心は頭部に上がります。
この方向がぶつかるのが肩甲骨周囲で、動きの繰り返しにより肩甲帯の同時収縮が促され、肩甲帯が安定すると背臥位でも前方への手伸ばしが可能になります。
背臥位と腹臥位で手伸ばしを練習すると腹臥位でも肘での支持が可能になり、手掌でも支持が可能になります。
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腹臥位on elbow(パピーポジション)の特徴
腹臥位on elbow(パピーポジション)は以下のような特徴があります。
・上肢での荷重感覚の学習に最適
・肩甲帯周囲(特に前鋸筋)の筋活動が高まる
・CKC(closed kinetic chain)のため、OKCでの筋活動を促す方法よりも容易
・脊髄損傷の方では、プッシュアップ動作の準備的な活動になる
・脳卒中片麻痺者においても利用可能な姿勢
・腹臥位をとることで、腰部や股関節伸展が促される
・体幹トレーニングとして利用される姿勢
腹臥位on elbow(パピーポジション)には様々な利用方法があり、対象者の状態に合わせて課題設定を行う必要があります。
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腹臥位on elbow(パピーポジション)でのトレーニングの例
まず、腹臥位on elbow(パピーポジション)は、対象者の状態によっては取りにくい姿勢であるために、注意しながら姿勢変換を行ってもらう必要があります。
また、肘を床につける際に、肩周囲の痛みがないかを確認しながら行います。
脳卒中片麻痺者の方では、肩周囲の筋緊張が低下しているため、肘を床につける位置によっては痛みを誘発してしまう可能性があります。
肩から垂直に肘を下ろすことで、安定した姿勢をとることが可能です。
パピーポジションでの筋力強化を行う前に、肩甲骨の可動性が十分かも確認しておく必要があります。
肩甲骨を前方突出させるときには、肩甲骨がしっかりと動いているかを確認していきます。
前方突出させているとき、肩甲骨は背中に対して外側に移動しているはずです。
外側に移動していない場合には、肩甲骨内転方向に作用する筋肉が引っ張っていたり、もしくは前鋸筋の機能不全が考えられます。
肩甲骨内転方向に作用する筋肉の筋緊張が高い場合、リラクゼーションやモビリゼーションを行い、その上で肩甲骨前方突出を行うとよいです。
その他の注意点としては、肩甲骨の前方突出時、頸部を伸展させないことです。
頸部を伸展させて肩甲骨の前方突出を行うと、前鋸筋の筋活動の高まりが妨げられやすくなります。
腹臥位は、体幹トレーニングとしても利用されます。
その場合、腹臥位で胸部〜下腿前面を床から浮かすようにします。
この姿勢では、体幹から下肢の前面の筋活動が高まります。
難易度を高くする場合は、片足を床から浮かせることで、負荷が高くなります。
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