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循環器疾患リハ(心臓リハ)におけるリスク管理!運動が禁忌の病態を理解する!

循環器疾患に対するリハビリテーションでは、運動負荷量を適切に設定し、ATレベルでの運動処方が安全だとされています。今回、循環器疾患における運動負荷量の設定と、ATレベルでの運動がなぜ安全なのかについてまとめていきたいと思います。

目次

循環器疾患リハにおける運動負荷量の設定!ATレベルでの運動がなぜ安全なのか!

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参考

長山雅俊「心臓リハビリテーションの実際」心臓 Vol.48 No.8 (2016)

疾患別リスク管理セミナー、基礎の基礎 セミナー資料

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いつでも確認できるようにしておきたいリハビリ中止基準

アンダーソン・土肥の基準

リハビリを行う上でのリスク管理の指標としてて、アンダーソン・土肥の基準があります。

訓練を行わないほうがよい場合
・安静時脈拍120/分以上
・拡張期血圧120mmH以上
・収縮期血圧200mmHg以上
・動作時しばしば胸心痛がある
・心筋梗塞発作後1ヶ月以内
・心房細動以外の著しい不整脈
・安静時に動悸、息切れがある

途中で訓練を中止する場合
・運動中、中等度の呼吸困難が出現
・運動中、めまい、嘔気、胸心痛が出現
・運動中、脈拍が140/分以上となる
・運動中、1分間10回以上の不整脈が出現
・運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇

途中で訓練を休ませて様子をみる場合
・脈拍数が運動前の30%以上増加
・脈拍数が120/分を超える
・1分間10回以下の不整脈の出現
・軽い息切れ、動悸の出現

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

積極的なリハを実施しない基準
・安静時脈拍40/分以下または120/分以上
・安静時収縮期血圧70mmHg以下または200mmHg以上
・安静時拡張期血圧120mmHg以上
・労作性狭心症の場合
・心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
・心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
・著しい不整脈がある場合
・安静時胸痛がある場合
・リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
・座位でめまい冷や汗動悸などがある場合
・安静時体温が38度以上
・安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下

リハを中止する場合
・中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛。強い疲労感などが出現した場合
・脈拍が140/分を超えた場合
・同時収縮期血圧が40mmHg以上または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合
・頻呼吸(30回/分以上)、息切れが出現した場合
・運動により不整脈が増加した場合
・徐脈が出現した場合
・意識状態の悪化

いったんリハを中止し回復を待って再開
・脈拍数が運動前の30%を超えた場合。ただし、2分間の安静で10%以下に戻らない時は以後のリハを中止するか、または極めて軽労作のものに切り替える
・脈拍が120/分を超えた場合
・1分間10回以上の期外収縮が出現した場合
・軽い動悸息切れが出現した場合

これらは、覚えるのは大変なので、いつでも確認できるようにメモにしておくと良いと思います。

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循環器疾患で運動療法が絶対的禁忌になる病態

循環器疾患で、運動療法の絶対的禁忌になる疾患は以下のようなものがあります。

明らかなうっ血性心不全(NYHA classⅣ)

うっ血性心不全は、心臓が機能障害により、血液の流れが滞ってしまう状態です。

NYHAとは、New York Heart Associationの略称で、心疾患の臨床的分類になっています。

Class Ⅰ (uncompromised)
身体的活動に何らの制約がなく,心不全徴候は全くなく狭心痛も経
験しない.

Class Ⅱ (slightly compromised)
身体的活動に若干の制約があり,安静時は快適であるが,日常的な
身体活動で過度の疲労感,動悸,呼吸困難,狭心痛の形で不快感が
発生する.

Class Ⅲ (markedly compromised)
身体的活動に著しい制約があり,安静時は快適であるが,軽度の身
体活動でも過度の疲労感,動悸,呼吸困難,狭心痛の形で不快感が
発生する.

Class Ⅳ (severely compromised)
いかなる身体的活動にも不快感が伴い,安静時にも心不全徴候や狭
心痛が発生する.

Class Ⅳに記載されている「心不全兆候」ですが、以下のようなものがあります。

頸静脈怒張、頻脈、下肢と顔面の浮腫、体重増加、呼吸困難増強、起坐呼吸(夜寝ていたのに息苦しくて目が覚め座っていた方が息が楽な状態)がみられます。

安静時にも心不全症状がみられる場合、リハビリは絶対的に禁忌です。

急性心筋梗塞の発症日

この病態は当たり前ですが、発症日は病態が不安定ですから、リハビリは行いません。

急性心筋梗塞は、冠動脈内に血栓が急に形成され閉塞したことにより、心筋に血液が届かなくなり、心筋が壊死に陥る状態をいいます。

不安定狭心症

内科的な治療によって不安定狭心症がコントロールされていない場合、運動療法は絶対的禁忌になります。

狭心症は、冠動脈(心臓に酸素や栄養を送る血管)が狭くなり、心臓が活動するために必要な血液が十分に供給されなくなっている状態です。

なお、心筋梗塞は、冠動脈が完全に閉塞している状態です。

不安定狭心症は狭心症発作が徐々に多く起きるようになり、労作時ばかりでなく、安静にしていても起こるというような状態で、心筋梗塞の一歩手前の状態になります。

急性解離性大動脈瘤

大動脈壁(内膜、中膜、外膜)のうち、内膜が裂けて、そこから入り込んだ血液が中膜を引き裂いた状態を、大動脈解離と呼びます。

心室頻拍(VT)、コントロール不良な重篤な不整脈

心室における心室期外収縮が、高頻度に出現する状態です。

心拍数が1分間に120回以上の頻度で心室期外収縮が3連発以上出現するものを心室頻拍といいます。

なお健康な方の心拍数は、1分間に60〜100回程度です。

期外収縮とは、わかりやすくいうと、「少し早い脈」です。

 

重篤な不整脈としては、

頻脈性不整脈:
・心室細動
・持続性心室頻拍

徐脈性不整脈:
・完全房室ブロック
・洞不全症候群

などが代表的です。

高度の大動脈弁狭窄症

大動脈弁は、全身に血液を送り出す左心室の出口にある弁です。

大動脈弁狭窄症とは、この大動脈弁の開放が制限されて狭くなった病態です。

体を動かした時に胸の痛みを感じる狭心症、突然意識を失ってしまう失神、体動時の息苦しさや両足のむくみなどの心不全症状などがあります。

こうした症状が出現した場合には、その後の経過は非常に急速で、数年以内に命を落とすことも多いとされており、早急な対応が必要です。

また突然死を起こすこともあり、慎重な経過観察と適切なタイミングでの治療介入が重要です。

http://www.keio-minicv.com/disease/disease3

最近の塞栓症

塞栓症は、血管やリンパ管内で生じた栓子や、血管外から侵入した異物によって小血管の内腔がふさがれて起こります。

活動期または最近の静脈血栓症

静脈の血管が傷ついたり、血液の流れが悪くなったり、血液自体が固まりやすくなったりすると、血管の中でも血栓ができることがあります。

それが手足にできた場合、深部静脈血栓症と呼び、血栓が肺動脈で詰まると肺塞栓症と呼びます。

急性感染性疾患

主に心筋炎や心膜炎が該当します。

心筋炎は、主にウイルスが心筋に感染することで心筋細胞に炎症が起こり、心筋の本来の機能が失われ、心筋の収縮不全や不整脈を生じる病態です。

心膜炎は心臓を覆う心膜にのみ炎症が生じている病態です。

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循環器疾患で運動療法が相対的禁忌になる病態

コントロールされていない、または著しい上室性不整脈

上室性不整脈は、

・上室性期外収縮
・心房細動
・心房粗動
・発作性上室性頻拍に分けられています。

上室性期外収縮は、それを引き金として心室頻拍や心房細動に移行することがあります。

脈が飛ぶ(乱れる)ものとしては、上室性期外収縮や心房細動、

脈が速くなるものには心房細動、発作性上室性頻拍、心房粗動

があります。

連続性または頻発する心室性期外収縮

心室性期外収縮は、心室からの異常興奮により生じる不整脈です。

期外収縮が連続すると、血圧低下・めまい・失神をきたすことがあり、最悪の場合、心室細動に移行してしまうこともありますので、注意が必要です。

治療されていない体高血圧や肺高血圧

体血圧は、体循環系(血液が心臓(左心室)から全身へ送り出される動脈経路)における血圧です。

一方、肺血圧は肺循環系の中の心臓から肺へ向かう血管である肺動脈における血圧です。

心室瘤

心筋梗塞で心筋が薄くもろくなり、瘤(こぶ)のように膨らむ病態で、心筋が収縮しても血液を送り出しにくくなります。

中等度の大動脈弁狭窄症

前途しましたが、大動脈弁狭窄症とは、この大動脈弁の開放が制限されて狭くなった病態です。

著しい心拡大

心肥大は心臓、特に心室の壁の厚みが何かの原因で厚くなったことを指します。

心臓が大きいときには心拡大と呼びます。

心拡大は胸郭に対して心臓がどの程度の大きさの割合であるかを示す心胸郭比が50%以上の場合に診断されます。

完全房室ブロック、完全左脚ブロック、WPW症候群

心臓では、洞穴節(ペースメーカーとしての役割)からの電気刺激が、心房と心室の間にある房室結節に伝わり、その下のヒス束から右心室にいく右脚と左心室にいく左脚を通ってプルキンエ繊維に伝わり、そこで心臓が収縮して血液を送り出します。

房室ブロックとは、心臓での電気活動がうまく行われていない状態であり、心房と心室間での電気信号による情報伝達がうまく行われていない状態です。

そして完全房室ブロックとは、その電気信号が全く伝達されていない状態になります。

この緊急事態を乗り切るために、電気刺激の途切れた後の場所から電気信号を作り出すのですが(補充調律)、これは電気刺激の回数が少なく、結果として徐脈とよばれる脈拍の回数が少ない状態になり、めまいやふらつき、疲れやすさなどの症状につながります。

 

心室内(刺激伝導系の終点近く)には右脚(1本)と左脚(2本)があります。

左脚ブロックは、左脚に問題があり、電気刺激がうまく伝わらない病態です。

 

WPW症候群は、通常の刺激伝導路以外に別の道(副刺激伝導路)を生まれつき有しており、電気指令が通常より早く伝わることによって起こる不整脈のある病態です。

固定レート型ペースメーカー

固定レート型ペースメーカーとは、自己心拍を無視して固定心拍でペーシングするペースメーカーをさします。

その他の病態

運動療法の相対的禁忌の病態として、

・コントロール不十分な糖尿病、甲状腺機能亢進症、粘液水腫(甲状腺機能低下症)、腎不全、肝不全など
・一応コントロールされた重篤な不整脈
・コントロール不十分な重症高血圧
・重症貧血
・明らかな精神神経障害
・運動制限を有する神経筋疾患、骨格筋疾患、関節疾患

などがあります。

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循環器疾患で運動療法が禁忌でない病態

運動療法が禁忌でない疾患や病態は以下のようなものがあります。

・超高齢者
・左室駆出率低下(通常は50%以上)
・左室瘤
・冠血行再建不良(手術できない症例)
・高度残存狭窄
・心臓ペースメーカー
・植込み型除細動器
・人工透析

駆出率とは、心拍ごとに心臓が送り出す血液量(駆出量)を心臓が拡張したときの左室容積で除した値です。

駆出率=左室1回拍出量/左室拡張末期容量で求められます。

左室駆出率が40%以下の低心機能症例では、以下の項目も満たす必要があります。
・1週間以上利尿薬の増量がなくても体重が安定している
・うっ血の所見がない
・収縮期血圧≧80mmHg
・心拍数が50〜100bpmで安定している
・問題となる不整脈がない
・中等度以上の息切れなく日常生活が可能
・100〜200mは自覚症状なく歩ける

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転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

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そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

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