最近、認知症者に対するマッサージがBPSDを緩和するような報告があります。今回、認知症をもつ方へのBPSD緩和に向けたマッサージ方法についてまとめていきたいと思います。
目次
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認知症の方で、周辺症状があるような方に対するマッサージでは、施術者の手で対象者の手足、背中に柔らかく、包み込むように、密着感をもって、皮膚をゆっくりなでることがポイントで、通常のマッサージとは異なり、人と人との触れ合いを通して癒しの効果を高めていきます。
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認知症をもつ方は、記憶障害などの中核症状により不安感、孤独感を感じやすい状態になっています。
認知障害によってストレス閾値も低下しており、少しのストレスでもBPSDを起こしやすい状態にあり、認知症に関連して起こりやすいストレスや不安をマッサージによってコントロールできれば、BPSDの出現を抑えることができると考えられている。
認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P163
またオキシトシンの分泌を促進させるとされており、
マッサージを受けると皮膚にある触覚受容体が刺激され、知覚神経を介して脳の視床下部に信号が送られ、オキシトシンが分泌される。血液中に分泌されたオキシトシンによって、認知症をもつ人の不安のもととなるコルチゾールのレベルを低下させ、不安感やストレスが緩和されると考えられている。
認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P164
と言われています。
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マッサージは秒速5㎝でゆっくりなでることが推奨されています。これは、人が一番気持ちいいと感じる速度と言われています。
また、ある研究では、
触覚刺激を中枢へ伝える神経繊維のなかでも、有毛部に多く分布するC繊維は「ゆっくりなでる」刺激にのみ反応し、その役割である島への伝達に関連して感情や情動を喚起させる働きがある
認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P164
という事が明らかにされているようです。
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マッサージにより、その心地よい刺激が「くつろぎ」のニーズを満たす事につながります。また、実施者と認知症をもつ方の心理的な距離を近づける事につながり、愛着や結びつきのニーズも満たしてくれる事があります。
認知症をもつ方同士でマッサージを行えば、携わることへのニーズも満たす可能性があります。他の研究では、BPSDの指標であるBehave-ADの攻撃性、CgA(ストレス)のレベルが有意に低下したとの報告もあるようです。また抑うつの緩和も期待できるとされています。
Behave-ADについては以下の記事も参照してください。
認知症の評価スケールとアプローチ!対象者に合ったバッテリーを用いた効果に向けて!
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環境:静かで刺激の少ない場所。周囲からの刺激が入りづらい環境設定。
姿勢:リラックスできる姿勢。座位、臥位など。
方法:
自分の両手で相手の手を包み込み、そのままにして相手の手の感触に注意を向ける。相手は実施者の手の温かさ(温度覚)、包み込まれる(圧覚)感じを感じ取ることを期待する。
両手を密着させたまま、秒速5㎝で中枢から抹消に向かいゆっくりとなでる。このとき、オイルや乳液を使用すると、より心地よく感んじる。
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詳しくはこちらから。
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