触覚失認があると、ファスナーを閉めることが難しいなどの症状が確認されます。今回、触覚失認の概要とリハビリテーションの考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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触覚失認は、体性感覚障害がないにもかかわらず、物品を触って何であるかを認知できない症状であり、大脳半球病巣(主に頭頂葉)の対側の手に現れる。
高次脳機能障害学 第2版
手に特徴的な症状で、感覚障害はないか軽度という条件が必要とされています。
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目隠し、ポケットや袋の中、目の届かない範囲で、病巣と反対側の手で対象物を触って、それが何であるかがわからなくなります。
鍵などを触って名称や用途を言えず、使用方法を身振りで示すことができません。
複数の対象物の中から、指示された名称に対応する物品を選ぶことも難しくなります。
触った物品と同じ物品を複数の物品の中から触覚を用いて選ぶことは比較的可能です。
対象物の形態の認知はある程度可能ですが、絵をかかせると正確ではないことがあります。
触覚、痛覚、温度覚、振動覚、運動覚、位置覚、二点識別覚は正常です。
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病巣と同じ側の手を比較対照として、感覚検査と物品の触覚性認知検査を行います。
感覚が左右差なく保たれていることを確認し、物品の触覚性認知検査へと進みます。
鍵、硬貨、栓抜き、消しゴム、スプーン、フォーク、くし、せんたくばさみ、など手に握りやすい物を目隠しして持たせ、触らせて、呼称、用途の説明、使用法の少なくとも1つが認知できているかを検査します。
名称を指示し、複数物品の中からそれを触覚性に選ばせる検査もあります。
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はっきりとしたモデルは示されていませんが、体性感覚によって知覚された様々なレベルの複数の特徴を物体のイメージに統合することの障害とされています。
立体覚機能との関連があるともされています。
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触覚失認は、利き手に生じた場合、ポケットや暗い場所で物を探すのに時間がかかることがありますが、日常生活上に大きな支障をきたすことはありません。
見落とされる可能性も高い症状です。
対象者の訴えを聞きながら、ニーズとして触覚失認の治療が必要であれば、
・触覚情報を通じて簡単な形を特定する練習を始める
・認知が一致しない可能性もあるため、対象物の二次元と三次元の認知を練習する
・触覚と視覚の認知の組み合わせを用いる
などして、訓練や日常生活上での工夫を提案することが必要になります。
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