視床損傷(出血、梗塞)が生じると、行為の抑制障害が生じることがあります。今回、視床損傷(出血、梗塞)で行為障害(抑制系)が生じる理由と症状の特徴についてまとめていきたいと思います。



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視床損傷(出血、梗塞)で高次脳機能障害(行為の抑制障害)が生じる理由と症状の特徴!

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視床損傷で生じる行為障害とは

視床損傷(出血、梗塞)で生じる行為障害の特徴としては、行為の抑制障害になります。

行為の抑制障害には様々なものがあります。
・把握反射
・本能性把握反応
・模倣行動
・使用行動
・収集行動
などが挙げられます。

これらの中でも、視床損傷で生じる可能性があるのが、「模倣行動」と「使用行動」です。

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視床損傷(出血、梗塞)で生じる模倣行動と使用行動の症状とは

視床損傷(出血、梗塞)で生じる模倣行動と使用行動の症状を以下に挙げていきます。

模倣行動の症状や特徴

・指示をされていないが他者の真似をしてしまう
・どのような動きも模倣する
・動きだけでなく言葉や文も真似ることがある
・自己抑制も可能なことがあるが、干渉刺激が入ったり注意がそれると再度模倣してしまう
・模倣禁止の指示を忘れているわけではない
・病識を持つことは少ない

使用行動の症状や特徴

・指示をされていないが、見たり触ったりした道具を使ってしまう
・道具に使用方法は正しい
・使用行動は自ら終了することが多い
・道具の使用を禁止させると動作の途中でもやめることは可能
・自己抑制も可能なことがあるが、干渉刺激が入ったり注意がそれると再度使用してしまう
・道具使用禁止の指示を忘れているわけではない
・病識を持つことは少ない

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そもそも行為の抑制障害が生じる理由は?

行為の抑制に関わっている脳部位としては、前頭葉の内側面が挙げられます。
具体的には、

・中心前回前部
・上前頭回
・帯状回上部
などで、それらには

・補足運動野
・前補足運動野
・内側前頭前皮質
などが含まれます。

では、下図においてこれらの部分が脳画像上においてどこにあるのかを確認していきます。


下段の図においては、上前頭回の部分が内側前頭前皮質になります。
なお、帯状回は上前頭回と脳梁との間の部分になります。

これらの部分の機能低下により、行為の抑制障害が生じるとされています。

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視床損傷(出血、梗塞)で行為障害が生じるメカニズムは?

視床と大脳皮質—大脳基底核ループの関係性

視床の損傷で行為障害が生じるメカニズムを考えていくためには、視床と大脳皮質—大脳基底核ループの関係性を把握しておく必要があります。

大脳皮質の運動関連領域から出力された情報は、大脳基底核の入力部である線条体(被殻・尾状核)に伝達されます。

その後、直接路(アクセル)と間接路(ブレーキ)の二手に分かれ、大脳基底核の出力部である淡蒼球内節・黒質網様部に至ります。

そして、その情報は視床へ伝達され、最終的には運動関連領域へと収束していくことになります。

直接経路は、アクセルともあるように、抑制を緩めて運動を促進させる(脱抑制)経路です。

間接経路は、ブレーキともあるように、抑制を強めて運動を止める経路です。

このような運動制御の中で、視床亜核に情報が伝達されるのですが、これを担っているのが主にVA:前腹側核(Ventral anterior nucleus)、VL:外腹側核(Ventral lateral nucleus)です。

前腹側核(VA:Ventral anterior nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動前野、補足運動野
運動プログラム、姿勢制御に関連

外側腹側核(VL:Ventral lateral nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動野
精緻運動に関連

とされています。

このようなことから、視床が損傷することで、大脳皮質—大脳基底核ループの機能低下が起こることが予測されます。

運動ループと前頭前野ループ

視床と大脳皮質—大脳基底核ループには4つのループがあるのですが、その中で行為障害に関連があるのが運動ループと前頭前野ループになります。

運動ループは、補足運動野-被殻-外側腹側核でループを形成しています。
記憶誘導性の運動や、自発的な動作に関与しています。
運動ループの機能低下が起こると、記憶を元にした運動の手順の障害が起こることが予測されます。
また、自発的な運動が起しにくくなることが予測されます。

前頭前野ループは、
背外側前頭前野-尾状核-前腹側核、背内側核
外側眼窩前頭皮質-尾状核-前腹側核、背内側核
でループを形成しています。
遂行機能、問題解決、意思決定や衝動のコントロールを制御する役割があります。また報酬予測にも関連するとされています。
前頭前野ループの機能低下では、これらの機能低下に加え、運動学習を阻害することも予測されます。

ここで、前途した抑制系に関わっている脳部位をもう一度見ていくと、

・補足運動野
・前補足運動野
・内側前頭前皮質
がありました。

そのため、視床損傷によりループ間のつながりにおける機能低下が起こると、上記の脳部位における機能低下も生じることが考えられます。

そのため、行為の抑制が行えなくなり、模倣行動や使用行動が生じることが予測されます。

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