発達障害の支援において、正常の口腔機能を理解しておくことが重要になります。今回、正常発達と口腔機能について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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通常、口に食べ物が入れられる時には、入る前に食べ物として確認される必要があります。
おししそうな音や匂いがあれば、食べ物として識別され、さらに食欲もそそられ、体が自然に前に出て唾液や胃液の分泌が促進されます。
食べ物の認識は食べるための準備を整えます。
準備ができるには、一定の覚醒状態の維持が必要になります。
食べる時には、スプーンが口に近づき、また口もスプーンを迎えに行きます。
スプーンが近づくにつれて口が食べ物の大きさに合わせて開かれます。
口に入ると下顎がゆっくり閉じ、上唇がスプーンの底をさらうようにして取り込まれます。
舌はそれまで歯列弓の後ろで待機し、舌顎の安定を助けます。
食べ物は舌の先端で臼歯に運ばれ、舌顎の上下、水平、回旋運動により噛み砕かれます。
咀嚼中、食べ物が歯槽と頬の間に行かないのは、頬が舌と協調して食べ物を臼歯の吻合面に押しているためです。
ゼリー・ペースト状のものでは、舌尖の側方運動が起こらずそのまま口蓋に押し付けられるような咀嚼になります。
咀嚼の中で唾液と合わさり、舌尖で口蓋に押し付けられ食塊が形成されます。
食塊形成には舌の安定と口唇の閉鎖、下顎の安定が必要になります。
舌尖から舌を口蓋に押し付けていくことで食塊が口の奥に運ばれます。
食塊が咽頭部に来ると嚥下反射を起こし、これ以降では随意的なコントロールはできません。
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水分の認識がなされると、摂取時の姿勢に体幹や頭部の前傾が、食べ物の時よりもみられるようになります。
これは水分がこぼれるのを防ぐこともありますが、頭部、体幹を前傾させることで水分の取り込みや嚥下のコントロールが行いやすいためです。
コップが口に近づくにつれ下顎はわずかに開きます。
唇は軽く開いたまま下唇でコップの下縁を受けて支えます。
舌は歯列弓の後ろで待機し、舌顎の安定を助けます。
下顎も下唇がコップに触れていることで安定性が増し、飲水の間、下顎を閉じずに下唇だけでコップを支えることが可能です。
コップを傾けて水分を口に入れる時に、上唇は水分の表面に広げられ、口に入る量が調整されます。
水分では咀嚼は起こらず、必要量が口に入ると口唇が閉じ、舌尖が水分を口蓋に押し当てて水塊を形成します。
これには舌顎の安定性が必要になります。
嚥下では、重力の影響を受けてしまうため、舌でのコントロールが重要になります。
喉頭挙上により喉頭蓋が反転するために、舌骨上・舌筋がリラックスしている必要があります。
顔の一側への回旋はこの筋の緊張が非対称となり、喉頭蓋の動きが悪くなります。
そのため、顔が正面を向くことで、飲みやすくなります。
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