新生児の視覚機能の発達について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
視覚機能は、以下のように発達していきます。
①視覚定位
②注視
③追視
④注視点の移行(視線を変えること:サッケード運動)
生後2ヶ月くらいの間は、目にも瞳孔反射や眼瞼反射などの防御規制が働き、眼球の動きが首の動きから独立されたものにはなっていません。
眼球の動きは上肢や頭部の動きに左右され、手足の動きにより視線もそれてしまいます。
すばやい動きに目はついていかず、追視の範囲も狭くなっています。
視覚定位や注視は刺激が強いと行いやすくなります。
眼球コントロールが不十分なため、ものを見るときに目を一側に固定したり、単眼視することがあります。
ATNRは眼球の自由な動きを妨げますが、伸ばした手への注視を助けます。
この時期では眼球コントロールが不十分なため、ものの存在には気づきますが、細かな識別はできません。
識別能力が高まると、ものへの働きかけも意欲的になります。
対称姿勢が獲得されてくると、背臥位でも頭部を正中線上に保持できるようになります。
頭部安定に伴い眼球コントロールが向上してきます。
この時期に顔の輪郭と内部に視線を自由に合わせられるようになり、人の顔の区別が可能になります。
両手を正中線で合わせられるようになる時期では、両目でものを注視できるようになります。
これは頭部と体幹の両方で半球間統合が進んでいることを表しています。
余裕を持って頭部回旋が可能になると、追視や注視点移行もスムーズになります(4ヶ月)。
基本的な眼球運動(両眼の全方向への協調運動など)は、寝返りができる頃までに行えます。
そして、追視経験を重ねて眼球運動のコントロールが向上し、それに伴い識別も確実になります。
早い動きに目がついていくと、焦点距離が異なるものにも正確に目を移すことができるようになります(6ヶ月)。
ボールのキャッチなど、動作の構えが必要な運動などは、注視点の移行能力をもとにしています。
寝返りなどの非対称な動きは、姿勢の対称性が一度獲得されて初めて可能になります。
安全な移動のためには奥行き知覚が必要になります。
奥行き知覚には眼球の輻輳運動(両目を逆方向に動かす運動)が必要になります。
これは水平面での追視よりも難しいものです。
奥行きが正確に知覚できるようになると、動くものの識別だけでなく、移動しながら自己とものの位置関係を理解できるので、ものを倒したり、ものにぶつかったりすることが少なくなります。
アテトーゼ型などの頭部のコントロールが不十分な脳性麻痺児では、眼球を上方や側方に寄せる、単眼で眺めるなどがみられます。
これは眼球コントロールが不十分なことを表しているため、ものを見やすくするには姿勢の安定か、ものをゆっくりと動かすことが必要です。