今回、健忘性失語症(失名詞)の特徴、症状とコミュニケーション改善のための関わり方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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健忘性失語症(失名詞)の特徴は、流暢な文脈・文法的に整った文脈での顕著な換語困難(語想起)にあります。
錯誤はほとんどなく、理解は比較的良好となっています。
流暢な発話を行い、内容も実質的なために症状が判明しないこともあります。
対面呼称課題では表出は乏しく、頻繁に遠回りな表現を使用します。
呼称が難しいことは、明確で簡潔な言葉を必要とする状況で遂行の困難さを生じさせる可能性があります。
対象者の病識はあり、「あれ」や「○○するやつ」などと遠回しな表現が多く用いられます。
語想起の特徴としては、意味的に関係がある単語を述べることが多くなります。
換語困難は、自分から話を展開するときにも、呼称するときにも生じますが、復唱においては生じません。
理解面では、アルバムの写真について話すことや、文脈が理解を助けるようなこと(現在の出来事)では困難さを生じない可能性が高いですが、特定の情報が必要最小限のもの(緑の四角と丸を指でさしてください)では不十分となるような可能性があります。
支援者は健忘性失語症(失名詞)の簡単な誤りに気づく能力が必要です。
対面呼称課題での困難さを見つけることも大切です。
表出、理解ともに見慣れない名称(薬剤、場所、病状の名称)では困難を生じやすくなります。
関わる人は、コミュニケーション能力を過大評価しないように気をつける必要があります。
対象者の障害への認識を強化するようなアプローチも必要になります。
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健忘性失語症(失名詞)の責任病巣としては、
左の中・下前頭回後部
左角回、上・中・下側頭回後部
が挙げられます。
上図において、緑色で囲まれている部分は健忘性失語症(失名詞)が生じる可能性がある脳部位になります。
また、緑色で囲まれている部分において、さらに水色で囲まれている部分は単語の意味理解の低下が生じる可能性のある部分になります。
健忘性失語症(失名詞)は、純粋失構音や伝導失語以外の失語において確認される可能性があります。
また、失語症の回復過程において、最後まで残存するのも健忘性失語症(失名詞)だとされています。
次に、脳画像における
・左の中・下前頭回後部
・左の角回、上・中・下側頭回後部を確認していきます。
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症状 | コミュニケーション改善のための関わり方 |
対象物の呼称は発話の流暢性の完璧さと比べて劣る 単語の置換や遠回しな伝え方 復唱は問題ないことがある 聴理解、文字理解は比較的保たれるが程度は様々 書字は発話に相当 |
目的語を見つけ出すための単語リストの使用を促す 目的の名詞について解説することを促す 遠回りな表現を許す 呼称課題を控える 聴き手が誘導する言葉の提出を望むかを確認する 書字課題では単語予測機能を用いる 理解力の過大評価は行わない |
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