認知症は進行性の病気ですが、その進行を遅らせるためには、早期発見早期治療が大原則になります。今回、認知症発症の可能性を評価できる、兵庫県版認知症チェックシート(認知症リスク評価スコアつき)を紹介していきたいと思います。
目次
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大塚俊男,本間昭 ワールドプランニング 1991-11
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山田 孝 協同医書出版社 2015-09-08
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脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ 原著第3版
Glen Gillen 三輪書店 2015-05-08
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認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント 快一徹!脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう
山口 晴保,佐土根 朗,松沼 記代,山上 徹也 協同医書出版社 2010-04-07
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際疾病分類第10版(ICD-10)による認知症診断基準では、認知症を「通常,慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ,記憶,思考,見当識,理解,計算,学習,言語,判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」としています。
また、その診断基準としては、
G1.以下の各項目を示す証拠が存在する.
1)記憶力の低下
新しい事象に関する著しい記憶力の減退.
重症の例では過去に学習した情報の想起も障害され,記憶力の低下は客観的に確認されるべきである.
2)認知能力の低下
判断と思考に関する能力の低下や情報処理全般の悪化であり,従来の遂行能力水準からの低下を確認する.
1),2)により,日常生活動作や遂行能力に支障をきたす.
G2. 周囲に対する認識(すなわち,意識混濁がないこと)が,基準 G 1の症状をはっきりと証明するのに十分な期間,保たれていること.せん妄のエピソードが重なっている場合には認知症の診断は保留.
G3.次の 1項目以上を認める.
1)情緒易変性
2)易刺激性
3)無感情
4)社会的行動の粗雑化
G4.基準G1の症状が明らかに6か月以上存在していて確定診断される.際疾病分類第10版(ICD-10)
となっています。
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・もの忘れ
・判断力の低下
・時間と場所の見当識障害
・失名詞
・感情面の変化(アパシー、悲壮感、抑うつ気分)
アルツハイマー型認知症の初期では、物忘れや判断力、見当識障害により不安も出て来やすい時期になります。
これが、不安や幻覚、妄想、徘徊などに後につながってしまうことがあるため、できるだけ不安を取り除けるようなアプローチをしていくことが大切になります。
人の名前は覚えにくいですが、顔の認知はよいことが特徴です。
そのため、いいケアをしている人は覚えられやすく、また呼ばれやすかったりします。
ケアの際はなんとなくでもよいのでいいイメージを残せるようにしておくと、なじみの人となり安心感を与えることにつながります。
コミュニケーション面では話の中で単語が出て来にくいことがあります。
感情面では、日常のことに対する無関心や意欲の低下、抑うつ気分などが出現することがあります。
前頭側頭型認知症(ピック病)の初期に見られやすい機能障害は以下のようなことが挙げられます。
・人格変化
・感情面の変化(恐怖感の喪失、自発性の低下(アパシー))
・判断力の障害
・社会的に不適切な行動
・言語障害(失名詞、回りくどい表現)
前頭側頭型認知症(ピック病)では、初期では記憶障害はみられにくいため、不適切なケアが、スタッフとの関係性のとりにくさにつながることがあります。
自発性の低下では、意欲低下や趣味への興味がなくなるなどがみられます。
社会的に不適切な行動としては、脱抑制(幼稚な言動や浪費など)、固執・常同性(同じ事を言う(保続)、同じ道を歩かないと気が済まない、特定のものしか食べない、異物を口に入れるなど)がみられます。
脳血管性認知症の診断基準からすると、
・記憶障害やその他の認知機能(見当識、注意力、言語能力、視空間機能、計算、行動能力、運動統御、抽象思考、判断力)障害
・脳血管障害による局在徴候(半身不全麻痺、中枢性顔面神経麻痺、バビンスキー徴候、感覚障害、半盲、構音障害)
がみられます。
また、脳血管性認知症が確定ではないが、見込みがある症状として、
・歩行障害が初期から出現
・ふらつきや頻発する原因不明の転倒
・泌尿器科疾患ではない尿失禁などの泌尿器科的な症状
・仮性球麻痺
・性格と情緒の変化、自発性低下、抑うつ、感情失禁、精神運動の不活性化、行動能力の障害など
が挙げられます。
詳しくは、以下の記事も参照してください。
認知症の評価スケールとアプローチ!対象者に合ったバッテリーを用いた効果測定に向けて!
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「兵庫県版認知症チェックシート」は、認知症の可能性についてご自身やご家族などの身近な方がチェックすることができます。認知症を疑う症状があったり、心配な時はかかりつけ医などの身近な医療機関にご相談ください。かかりつけ医がいない場合や、お近くの医療機関がわからない場合は、認知症相談医療機関や各市町に設置している認知症相談センターへご相談ください。必要な場合は専門医療機関へつなぎます。
「認知症リスク評価スコア」は、今の生活習慣を振り返ることにより、4年以内に認知症になるリスクを知ることができます。リスクを正しく知ることで、今後の行動につなげることができます。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf29/25nintisyousi-to.html
詳しくは、以下のPDFファイルを参照してください。
兵庫県版認知症チェックシート(認知症リスク評価スコアつき)【A3:8ページ】(PDF:2,075KB)