運動失調は協調性運動の障害ですが、今回は運動開始・停止遅延と反復拮坑運動障害における治療の考え方についてまとめていきたいと思います。
目次
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運動失調の種類を大まかに示していきます。
下記の現象名は、筋肉の出力、組み合わせ、タイミングの障害によって起こるものになります。
四肢を中心とした運動の開始と停止遅延、反復拮抗運動不能、距離の測定障害と運動分解、企図振戦など
姿勢制御、体幹失調、ワイドベース、歩行リズムとパターンの障害、外界環境に応じた調整
筋緊張の低下、眼振、構音障害
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筋収縮のタイミングの問題は回内外テストで確認する事が可能です。
運動の開始と停止遅延とは、視覚や聴覚刺激に対して運動実行・停止してのタイミングが遅れる事を指します。
これは、小脳が外界の情報に対してどのように運動をしていくかというプログラムを決定している方ためです。
逆に、パーキンソン病の方は外部刺激に対して運動をプログラムしていくことは容易になります。
反復拮抗運動不能とは、主動作筋と拮抗筋の協調性の低下の事を指します。
これにより運動変換の遅れやリズムが乱れます。
小脳障害がある方は、周りに何も内容な広い場所では安定して歩くことが可能ですが、前から人が来るような状況では不安定に(姿勢制御が行い難くなる)なってしまいます。
これは、外部環境に身体を合わせて行くことが難しいことから生じる現象です。
目でみたものに対して、体を合わせる事が苦手ということになります。
また、毎回同じ場所を歩くことによって記憶誘導性の運動を高まりますが、急に道を変えたりするとバランスを崩したり、歩行リズムに乱れが出ることがあります。
上肢であれば、記憶情報として「ペットボトルを持つ時の手の構え方」というようなことには対応できますが、いざ目の前にペットボトルが置かれると、それに対して手を合わせに行くことが不十分になります。
リーチ動作を見る場合には、主動作筋よりも拮坑筋を見ることがポイントになります。
肘を伸ばして行くのであれば、上腕三頭筋よりも上腕二頭筋ということになります。
リーチ動作をした際に、揺れないでピタッと止まるようなリーチを生み出すには、上腕二頭筋の働きが重要ということです。これは、肘を伸ばしていった時に対する上腕二頭筋の予測的な活動(拮抗筋の制御の障害)が難しいということです。
上腕三頭筋が重要になるのは、運動麻痺により三頭筋の筋出力が発揮出来ない時です。
前途したように、外部環境に身体を合わせて行くことが難しいので、そのような事が生じやすいという事を念頭に入れて評価しなければなりません。
また、拮抗筋のコントロールが必要なADLに対して問題が生じる可能性が高くなります。
回内外テストで問題が見られた場合には、上記の様なことに注意してADLを評価していく必要があります。
アプローチの戦略としては、記憶情報を基にした運動(基底核ループ)を利用することが一つになります。
これは、動作獲得であれば今まで使ってきた環境を利用するということが挙げられます。
しかし、基底核ループを利用していると、いざ外に出た時に、視覚情報から感覚を合わせていかなければならなりません。
毎回同じ環境で練習をするというアプローチは、補足運動野の機能を向上させているとうことになります。
また、レベルが上がってきて機能向上を目指すのであれば、外部環境に合わせるようにする運動を取り入れる必要があります。
ADLの獲得を先にしたいのであれば代償的アプローチ(基底核ループ)を行なう必要があります。
対象者の状態が重度で無ければ、機能的にアプローチをしていく事が先になるかもしれません。
上記の様な問題に対して、拮抗筋の固有感覚受容器に感覚入力をしていく必要があります。
これは、末梢からの得られる(実際に運動したことによって得られる感覚情報)情報(誤差信号)を基に運動調節・学習が促されていくのですが、その際の末梢部からの感覚入力がまずしっかりされないといけないという事が根拠になります。
そのため、小脳障害の方では、初めに末梢部の筋肉をリラックスさせてあげたり、浮腫を取り除いたり、疼痛を除去して、筋紡錘や腱紡錘、関節受容器を発火させやすくする必要があります。
そして、重錘や弾性包帯の利用は、これらの受容器を発火させやすくする事が考えられています。
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