回復期リハビリテーション病棟で、脳卒中患者さんの病棟内歩行を自立にするかどうかは、「リハビリテーション室で歩けた」「TUGが何秒だった」「Berg Balance Scaleが何点だった」という一つの結果だけでは決められません。
本稿で確認した範囲では、病棟内歩行自立を決める全国共通の単一カットオフは確認できませんでした。
研究では、歩行速度、バランス、下肢筋力、認知機能などに関する複数のカットオフ値が報告されています。しかし、対象者、測定時期、補助具、自立の定義、病棟環境が研究ごとに異なります。
そのため、研究で示された数値は「この点数を超えれば一人で歩いてよい」という許可基準ではなく、身体能力を客観化し、病棟生活での確認を補助する情報として使います。
本記事では、病棟内歩行自立の判断過程を、次の3段階に整理します。
さらに、歩いてよい場所、時間帯、補助具、援助要請の方法を具体的に決め、施設の運用手順に沿って多職種で共有する必要があります。
続きを読む: 回復期リハ病棟で脳卒中患者の病棟内歩行自立を判断する条件|安全確認・見直し基準・記録例重要
本記事は、回復期リハビリテーション病棟で勤務する医療・リハビリテーション職を対象に、病棟内歩行自立を検討する際の確認事項を整理したものです。
患者さんやご家族が、記事内の点数やチェック項目を使って、自己判断で歩行範囲を広げるための基準ではありません。
実際に歩いてよい場所、時間帯、補助具、介助方法については、主治医の医学的指示と病棟スタッフから示された条件を優先してください。
目次
歩行自立を考えるときは、次の3つを分けて整理します。
| 見る視点 | 内容 | 判断での意味 |
|---|---|---|
| 歩行能力 | リハ室など条件を整えた場面で、どこまで歩けるか | 身体・認知能力の上限と課題を把握する |
| 歩行の実行状況 | 病室、廊下、トイレまでの導線などで、普段どのように歩いているか | 日常条件での安全性と再現性を見る |
| 許可条件 | 場所、時間帯、補助具、援助要請など、どの条件なら一人で移動してよいか | チームで共有する具体的な行動範囲を決める |
リハ室では、療法士が環境を整え、患者さんの注意を課題へ向け、疲労の少ない時間帯を選んで評価できます。
一方、病棟では次のような条件が加わります。
そのため、最大能力だけでなく、日常条件の中で危険を回避し、必要時に立ち止まり、援助を求められるかを確認します。
病棟内歩行の自立と、排泄動作全体の自立は同じではありません。
次の3段階を分けて評価します。
| 評価する範囲 | 主な内容 |
|---|---|
| トイレまでの歩行 | 病室からトイレ入口まで安全に移動できるか |
| トイレ内移動・移乗 | 扉の開閉、方向転換、便座への着座・立ち上がりができるか |
| 排泄動作全体 | 下衣操作、清拭、後始末、手洗いまで行えるか |
たとえば、病室からトイレまでは一人で歩けても、下衣操作中にバランスを崩す患者さんがいます。
この場合は、すべてを「歩行非自立」として制限するのではなく、
というように、歩行範囲と排泄動作の介助条件を分けます。
反対に、廊下歩行が安定していても、トイレ内での方向転換や便座への着座に介助が必要であれば、排泄動作全体を自立とはできません。
脳卒中患者の歩行自立判定に関する文献レビューでは、歩行能力だけでなく、麻痺側下肢機能、バランス、認知障害、注意障害、高次脳機能障害など、複数の関連因子が報告されています[1]。
ただし、研究によって次の条件が異なります。
したがって、一つの数値をすべての回復期脳卒中患者へ当てはめることはできません。
| 研究 | 対象・主な結果 | 臨床で参考にできる点 | 適用上の限界 |
|---|---|---|---|
| 北地ら[2] | 回復期の初発脳卒中片麻痺患者を対象に、TUG快適速度21.6秒、TUG最大速度15.6秒、麻痺側荷重率0.70、FBS 45.5点が報告された | 身体能力が自立可能な水準へ近づいているかを考える補助情報になる | 単施設研究であり、認知機能低下や歩行へ影響する一部の高次脳機能障害を持つ患者は除外されている |
| 長田ら[3] | ふらつき、注意の配分、著明な連合反応、Fugl-Meyer Assessmentのバランス項目を組み合わせた判定表が、BBS単独より実際の自立度と高く一致した | バランス点数だけでなく、注意や歩行中の適応を見る必要性を示す | 対象45名の単施設研究であり、施設の臨床判断を基準としている |
| 上内ら[4] | 病棟内で転倒しやすい動作を想定した7項目と、看護師による総合判断の計8項目を3日間連続で確認した | 1回の評価だけでなく、複数日と病棟生活での観察を組み合わせる考え方が参考になる | 単施設・少数例の運用報告であり、全国共通のテストではない |
| 橋本ら[5] | 回復期脳卒中患者181名のうち、歩行自立判定後に21名、11.6%が転倒した | 自立判定後にも転倒が生じるため、継続的な見直しが必要であることを示す | 単施設の導入前後評価であり、転倒予防効果を単独で証明する研究ではない |
| 星野ら[6] | 回復期片麻痺患者148名で、歩行速度、FIM認知合計、BBSの順に日中の病棟内杖歩行自立と関連した | 歩行速度だけでなく、認知機能とバランスを組み合わせる必要性を示す | 日中の杖歩行が対象であり、夜間、独歩、歩行器歩行にはそのまま適用できない |
| 松下ら[7] | 回復期脳卒中片麻痺患者658名で、麻痺側・非麻痺側の膝伸展筋力が病棟歩行自立と関連した | 下肢筋力不足が自立を妨げている可能性を検討する材料になる | 歩行自立は、車椅子を使用せず病棟内を歩行し、FIM移動項目6点以上と定義された。認知・失調・高次脳機能障害は十分に検討されていない |
| 立丸ら[8] | 回復期脳卒中患者103名で、杖を把持した麻痺側片脚立位時間と認知関連行動評価の組み合わせが歩行自立判定と関連した | 身体バランスと認知・行動を組み合わせる考え方を支持する | 単施設研究であり、片脚立位をすべての患者へ必須実施する根拠にはならない |
| Kajiwaraら[9] | 回復期病棟の脳卒中患者301名を対象に、退院時のFunctional Ambulation Categoryが4以上の状態を歩行自立と定義した場合、SPPB 10点以上、BBS 49点以上が高い判別能を示した | 退院時の歩行能力を客観化する補助評価として参考になる | 退院時の横断的評価であり、入院途中の病棟内歩行許可や自立後の転倒を直接検証していない |
研究で報告されたカットオフ値には、次のような使い方があります。
検査結果より、実際に観察された危険行動を優先します。
たとえば、BBSが高くても、
場合は、病棟内歩行自立を慎重に判断します。
反対に、歩行速度が遅くても、決められた範囲を安全に移動し、必要時に停止・援助要請ができる場合は、条件付き自立を検討できることがあります。
カットオフ値を超えたことは、病棟内歩行自立を許可する十分条件ではありません。
以下の7領域は、妥当性が検証された採点尺度ではありません。
先行研究、転倒予防の考え方、病棟生活で必要な観察項目をもとに、歩行自立判断で抜けやすい項目を整理したものです。
| 確認領域 | 確認すること | 判断上の注意 |
|---|---|---|
| 1.医学的安定性 | 意識、神経症状、血圧、脈拍、起立時症状、疼痛、呼吸状態、感染、脱水、薬剤変更 | 新しい医学的問題が疑われる場合は、自立判断より診察・報告を優先する |
| 2.基本動作 | 起き上がり、端座位、起立、着座、停止、方向転換 | 立てるだけでなく、安全に止まり、座り直せるかを見る |
| 3.歩行能力 | 歩行速度、足部クリアランス、膝折れ、体幹動揺、持久性、自己修正 | 速さだけでなく、状況に応じて速度を落とせるかを見る |
| 4.認知・行動 | 注意、危険認識、衝動性、半側空間無視、記憶、自己認識、援助要請 | 認知検査の点数だけでなく、実際の行動を確認する |
| 5.生活場面 | ベッド周囲、廊下、トイレまでの移動、扉、カーテン、椅子の操作 | 本人が実際に行う課題を確認し、不要な危険課題は行わせない |
| 6.環境・補助具 | 杖、歩行器、装具、靴、床面、照明、動線、物品配置 | 環境や補助具が変われば、自立条件も変わる |
| 7.再現性と共有 | 時間帯、疲労時、複数スタッフ、複数日で同様にできるか | 一度成功しただけでは自立許可にしない |
NICEの脳卒中リハビリテーションガイドラインNG236では、移動能力だけでなく、認知、視覚、知覚、コミュニケーション、栄養・水分状態などを含めた包括的な評価が推奨されています[10]。
また、NICEの転倒予防ガイドラインNG249は、65歳以上の人、および50~64歳で転倒リスクが高い人を対象としています。
同ガイドラインでは、転倒リスク予測ツールだけで転倒を予測せず、歩行・バランス、認知、薬剤、めまい、循環器系、視覚、排泄、履物、水分・栄養などを包括的に評価することが推奨されています[11]。
50歳未満の脳卒中患者はNG249の直接的な対象ではないため、本記事では包括的な転倒予防の考え方を補足する資料として扱います。
歩行能力を評価する前に、医学的な安全性を確認します。
主な確認項目は次のとおりです。
血圧、脈拍、SpO₂などの具体的な中止値は、疾患、普段の値、主治医指示、施設基準によって異なります。
記事内の一律の数値で判断せず、個別の医学的指示を優先します。
病棟内歩行で問題になりやすいのは、直線歩行だけではありません。
病棟では次の動作が繰り返されます。
確認したいのは、動揺が全くないことではありません。
軽い動揺があっても、
のであれば、条件付き自立を検討できる場合があります。
一方、動揺が小さく見えても、
場合は、慎重な判断が必要です。
主な評価尺度には、それぞれ異なる役割があります。
| 評価 | 主に見る能力 | 注意点 |
|---|---|---|
| TUG | 起立、歩行、方向転換、着座を含む機能的移動 | 所要時間だけでなく、方向転換や着座の質も見る |
| Berg Balance Scale:BBS | 静的・動的バランス | 国内文献ではFunctional Balance Scale、FBSと表記されることがある |
| 10m歩行 | 歩行速度、歩数、歩行効率 | 直線歩行の結果であり、生活場面の安全性を直接示すものではない |
| SPPB | 立位バランス、歩行速度、椅子立ち上がり | 身体機能を簡便に総合評価できるが、認知・行動は含まない |
| 膝伸展筋力 | 下肢支持性に関わる筋力 | 筋力が十分でも、注意障害、失調、環境適応の問題は残り得る |
| 6分間歩行 | 歩行持久性 | 病棟内歩行自立の直接的な許可尺度ではなく、持久性の補足評価として使う |
数値だけでなく、評価中に次の所見を記録します。
認知検査の点数が低いことだけを理由に、歩行自立を否定するべきではありません。
反対に、MMSEなどの点数が高くても、実生活で次の問題があれば転倒リスクは残ります。
回復期脳卒中患者を対象とした研究でも、歩行速度やバランスだけでなく、FIM認知合計、注意の配分、認知関連行動評価などが歩行自立と関連しています[3、6、8]。
失語そのものを歩行非自立の理由にはしません。
次を確認します。
見るべきなのは、言語検査の成績そのものではなく、必要な安全行動を再現できるかです。
ベッド周囲には、靴、杖、床頭台、カーテン、布団、ナースコールなどがあります。
確認するのは次の点です。
病棟廊下では、患者、スタッフ、配膳車、車椅子などが移動します。
次を確認します。
「トイレまで歩ける」ことと、「排泄動作がすべて自立している」ことは別です。
歩行、扉操作、便座移乗、下衣操作、清拭、手洗いのどこに介助が必要かを分けます。
カーテン操作、椅子操作、物品の運搬などは、本人が病棟で実際に行う場合に評価します。
ただし、床から物を拾えることは、病棟内歩行自立の必須条件ではありません。
危険な物品を無理に拾うのではなく、
など、安全な代替方法を理解して実行できればよい場合があります。
歩行自立判定のために、転倒を誘発する必要はありません。
方向転換、後方歩行、物品操作などを確認するときは、次を守ります。
次のような場合は評価・練習を中止し、医学的確認を優先します。
夜間の安全性は、患者さんを意図的に眠い状態で歩かせて評価するのではありません。
看護師による通常生活内の観察、排尿状況、薬剤、覚醒状態、照明環境などから評価します。
上内らは、単一の回復期リハビリテーション病棟で、病棟内で転倒しやすい動作を想定した7項目と、看護師による総合判断の計8項目を使用し、3日間連続で確認しました[4]。
テスト対象64名のうち56名、87.5%が病棟内歩行自立となりました。
しかし、自立後に11名、19.6%が転倒し、転倒は17件発生しました。1名、1.8%には大腿骨近位部骨折が生じました。
この結果は、判定テストを通過しても転倒を完全には防げないことを示しています。
橋本らの回復期脳卒中患者181名の報告でも、歩行自立判定後に21名、11.6%が転倒しました[5]。
したがって、
という理由だけでは不十分です。
少なくとも次を確認します。
最終的な決定方法は施設によって異なります。
上内らの研究施設ではリハビリテーション医が最終判断していましたが、これは全国共通の制度ではありません。
療法士単独で一律の基準に基づいて許可するのではなく、主治医の医学的指示と施設規定に従い、看護師、療法士、医師等で許可範囲を共有します。
「見守り歩行」は自立ではありません。
人的監視が必要な状態と、自立してよい状態を区別したうえで、場所、時間帯、補助具等を記載します。
| 移動レベル | 例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 介助歩行 | 身体介助または補助具操作の介助が必要 | 必要な介助量と方法を統一する |
| 見守り歩行 | スタッフが近くで監視する | 声かけの有無、自己修正、援助要請を見る |
| 限定範囲自立 | 病室内、ベッドから病室入口までなど | 環境が固定された範囲で再現性を見る |
| トイレまで条件付き自立 | 日中、決めた導線、補助具使用 | トイレ到着後の介助条件も別に決める |
| 日中病棟内自立 | 病室、廊下、食堂等 | 人や物がある環境での適応を見る |
| 全時間帯病棟内自立 | 夜間を含めて自立 | 覚醒、照明、排尿、薬剤、疲労を確認する |
「歩行自立」とだけ記載すると、すべての場所と時間帯で一人で歩いてよいと受け取られる可能性があります。
次を明確にします。
このチェックリストは採点表ではありません。
すべてにチェックが入れば必ず自立、空欄が一つあれば絶対に非自立という意味ではなく、チーム内での確認漏れを防ぐために使います。
一度歩行自立になっても、状態や環境が変われば再評価が必要です。
見直しは「すぐ車椅子へ戻す」か「自立を継続する」かの二択ではありません。
など、原因に対応した調整を行います。
転倒後は、歩行能力の再評価より先に医学的な安全確認を行います。
医学的問題が否定された後に、
を整理し、許可範囲を再検討します。
病棟内歩行自立。転倒注意。
この記録では、次のことが分かりません。
日中、T字杖と短下肢装具を使用し、病室からトイレ入口までの歩行は人的見守りなしで実施可能。右方向転換時に軽度の体幹動揺を認めるが、足部の交差や支持物への接触はなく、本人が立ち止まって自己修正できる。
トイレ内の下衣操作は見守りを要するため、トイレ到着後はナースコールを使用する。夜間は眠気と照明条件を考慮し、移動開始時から見守りを継続する。病棟内全域への拡大は、夕方疲労時の再現性を確認後に再検討する。
移動:日中、病室~トイレ入口まで条件付き自立。T字杖+AFO使用。右方向転換時に軽度動揺あるが、停止して自己修正可能。トイレ内下衣操作は見守り。夜間移動は見守り継続。リスク場面:急ぎ足、右方向転換、夕方疲労時。次回、夕方の連続歩行と援助要請を再評価。
「もう歩いてよいです」だけでは、患者さんがすべての場所・時間帯で自由に歩けると受け取る可能性があります。
次のように具体的に説明します。
日中は、装具と杖を使って、病室からトイレ入口まで一人で歩いてよい状態です。
トイレ内でズボンを上げ下げするときは、まだふらつくことがあるため、到着したらナースコールを押してください。
夜間、体調が悪いとき、めまいや足の出にくさがあるときは、一人で歩かずスタッフを呼んでください。
歩ける範囲を広げるときは、スタッフと一緒に確認します。
家族にも、次のことを共有します。
意識、神経症状、起立時症状、疼痛、呼吸状態、薬剤変更等を確認します。
TUG、BBS、10m歩行、SPPB、筋力等を用い、歩行能力の土台を確認します。
動揺、方向転換、停止、疲労、速度調整、援助要請を観察します。
ベッド周囲、廊下、トイレまでの導線など、本人が実際に移動する場面で確認します。
歩行、便座移乗、下衣操作など、必要な介助工程を分けます。
危険認識、注意、記憶、半側空間無視、衝動性、援助要請の再現性を見ます。
できない課題を無理に自立させるのではなく、環境調整、補助具、援助要請で補えるかを考えます。
リハ室での能力と、病棟での普段の行動が一致しているか確認します。
いきなり病棟全域を自立にせず、必要に応じて限定範囲から開始します。
「範囲・時間帯・補助具・介助工程・リスク場面・次回評価」を記録します。
病棟内歩行自立を判断した後は、その歩行をトイレ、更衣、整容、入浴、自宅生活などへどうつなげるかを考える必要があります。
OT視点での歩行評価、歩行器・杖・独歩別の見方、認知・高次脳機能、トイレ自立判断、課題設定、記録例まで詳しく確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
作業療法における歩行評価・練習|PTの劣化版にならないための生活行為への具体的なつなげ方
※リンク先は医療・リハビリテーション職向けの有料noteです。
回復期リハ病棟で脳卒中患者さんの病棟内歩行自立を判断するとき、本稿で確認した範囲では、全国共通の単一カットオフは確認できませんでした。
研究では、次の要素が歩行自立と関連しています。
ただし、どの評価尺度も病棟内歩行自立を単独で決定するものではありません。
実際の判断では、
を組み合わせます。
また、歩行自立とトイレ動作自立を分け、場所、時間帯、補助具、援助要請、介助工程を具体的に設定することが重要です。
歩行自立は一度決めて終わりではありません。
転倒、ヒヤリハット、体調、薬剤、疲労、夜間行動、環境の変化があれば再評価し、必要に応じて範囲や条件を調整します。
点数だけでは決められません。
TUGやBBSは身体能力を客観化するために有用ですが、認知・注意、病棟環境、疲労、補助具管理、援助要請などは十分に評価できません。
研究で報告されたカットオフ値は、生活場面での評価を開始・強化するための参考情報として使います。
この記事で扱うFunctional Balance Scale、FBSは、国内文献でBerg Balance Scaleを指して使用される名称です。
別々の尺度として二重に実施するものではありません。
リハ室で歩けることは重要な判断材料ですが、それだけでは病棟内自立とはいえません。
病棟では、ベッド周囲、トイレまでの導線、人や障害物、急ぎ、疲労、補助具の準備などの条件が加わります。
実際の病棟場面で再現性を確認してから、許可範囲を決めます。
同じではありません。
トイレまで歩けても、便座移乗や下衣操作に見守り・介助が必要な場合があります。
歩行範囲と、トイレ内で介助が必要な工程を分けて決めます。
まず歩行を中止し、外傷、頭部打撲、意識、バイタル、神経症状等を確認します。
施設の手順に従って医師・看護師へ報告し、医学的評価を優先します。
その後、転倒原因を整理し、一時的に見守りへ戻す、時間帯や範囲を限定する、環境を変えるなどの対応を検討します。
一律に車椅子へ戻すのではなく、原因に応じて調整します。
あります。
日中は安定していても、夜間は眠気、照明、尿意切迫、薬剤、覚醒状態などの影響でリスクが上がる場合があります。
「日中は条件付き自立、夜間はナースコールと見守り」など、時間帯で条件を分けます。
本人の希望を否定するだけではなく、実際に安全に歩けている場面と、まだ危険が残る場面を一緒に確認します。
「歩かせない理由」だけでなく、
を具体的に説明します。
自己判断では広げません。
家族が付き添っていても、患者さんの状態や介助方法によっては、家族だけでは転倒を防げないことがあります。
家族付き添いで歩く場合も、歩いてよい場所、補助具、介助方法について病棟スタッフと確認します。