発達障害における問題行動のひとつに、多動性があります。今回、多動性の解決に向けた考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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問題行動は通常、子供の家庭や学校への適応を著しく困難にしているものをさします。
問題行動が、大人の都合の悪いものとして捉えられている場合もあり、詳しく状況を把握する必要があります。
成人においても、強いストレスがかかると、注意散漫や攻撃的になることがあります。
そのため、子供の場合でも、精神的な側面が反映されていることも理解しておく必要があります。
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基本的には問題の原因を探っていきます。
しかし、原因と行動が直接的に結びつかないことも多くあります。
通常〈しなくてもいいことをする〉のは、好きでやっているというより〈しなければいけないことができないので〉、している場合が多い。
したがって適切な動作が獲得されていくと、〈しなくてもいいことをする〉暇がなくなり、問題行動も減少することが考えられる。発達障害と作業療法[実践編]
対処方法には、
①問題行動が出現する原因や機序に直接アプローチする
②適応的行動を増やし、間接的に問題行動を減少させる
ことが考えられます。
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多動は、運動エネルギーが過剰な状態ですが、落ち着きのなさや他へ気がそれてしまうことと一緒に出現することが多くあります。
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多動に対する対処として、
①環境刺激を抑制すること
②自己抑制能力を身につけさせること
が考えられます。
感覚刺激に対する過剰反応があれば、音や光などを少し抑え、物の整理をして視覚刺激を抑制することが必要です。
空間を少し狭くする(3方向を壁で囲んだ衝立を使い刺激入力を制限する)ことも有効な場合があります。
強い感覚刺激の入力により覚醒・活動性の水準が整えられることもあります。
多動には触覚防衛(触覚過敏)や前庭、視覚系刺激処理の低下との関係も指摘されています。
触覚防衛があれば、耐えられるレベルの弱い刺激から入力し、それを徐々に強くしていきます。
運動が過剰な場合、抑制のタイミング、仕方が悪いとそれが新たな刺激になり多動を強めてしまうことがあります。
走り始めたこどもを後ろから追いかけるよりも、こどもが走り始める前までに抑制することが大切です。
身体抑制では、こどもの手足ではなく、体全体を包むようにして動きを止めるようにします。
リハビリテーションでは、普段からこどもの四肢をゆっくりと動かすような取り組みをしていると、多動の自己抑制の助けになります。
多動、寡動が周期的にみられる場合、てんかんや脳波異常の可能性もあり、そうなると薬物療法も必要になります。
乳児期では健常児でも大脳皮質からの抑制があまり効かず、こどもの活動量は大きくなります。
周辺の環境の理解に視覚や聴覚がよく使用されるようになると、徐々に行動が落ち着いてくるようになります。
このことから、日常生活では物をよく見て、人の言うことを意識させるように促していくことが大切です。