軽度認知障害(MCI)や軽度認知症の方においては、IADLの能力低下が問題になりやすくなります。今回、認知症(認知機能低下)とIADLにおいて、買い物の支援に必要な観察評価と評価項目についてまとめていきたいと思います。

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認知症とIADL!買い物の支援に必要な観察評価と評価項目!

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参考

平成27年度厚生労働省科学研究費補助金 (長寿科学総合研究事業)「生活行為障害の分析に基づく認知症リハビリテーションの標準化に関する研究」分担研究報告書「疾患別認知機能とADL・IADL 自立度との関係及び生活行為チェックリストの作成」分担研究者 田平 隆行

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作業分析と観察評価

作業遂行分析の前に!工程と技能の分析

作業遂行分析を行う前には、その動作の工程と技能の分析を行います。
動作の方法、手順は十人十色なのですが、ある程度大まかな工程と技能の分析ができていると、対象者の方に作業遂行の滞りが見られた場合に、遂行を先に進めるための援助が可能になります。歯磨きをする場合の工程と技能の分析について考えていきます。

工程①歯ブラシと歯磨き粉と棚から取る
技能①道具を見つける、手を伸ばす、物をつかむ

工程②歯ブラシに歯磨き粉をつける
技能②適量を判断する、両手でもつ、つかむ

工程③歯全体を順序良く磨く
技能③小刻みに腕を動かす、順序を考える

工程④コップを戸棚から取る
技能④道具を見つける、手を伸ばす、物をつかむ

工程⑤コップに水を入れる
技能⑤蛇口をひねる、水量を判断する

工程⑥うがいをする
技能⑥コップを口まで運ぶ、適量を判断する

工程⑦歯ブラシやコップを洗う
技能⑦両手を使う、水量を判断する

工程⑧道具をしまう
技能⑧道具の場所を見つける、手を伸ばす、つかむ

工程⑨汚れたシンクを拭く
技能⑨汚れに気づく、スムーズに腕を動かす

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作業遂行観察のポイント①:工程を順序良く進めているか

作業遂行を完了させるために工程を飛ばしたり、余計な工程が入ったりせずに、順序良く進めているかを観察していきます。
観察のポイントとしては、

・なかなか始まらない ・すぐに手がとまる ・次の工程に移れない

・いつまでも止めない ・別のことをし始める ・隣の人の物に手を出す

・本来の箇所とは違う箇所に作業を施す ・次第にやり方が変わる

・目的に適わない方法で行う ・不適切な順序で行う

認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P57

が挙げられます。
この要素が見られた場合、作業遂行に時間がかかったり、仕上がりの結果が不十分なものになります。

作業遂行観察のポイント②安全に動作が行えるか

安全に作業遂行するためには、注意力や判断力、また身体機能的な能力が求められます。
事故につながる例として、

・足のつま先が椅子の脚に引っかかる ・歩く際にバランスを崩す

・座る際に臀部が椅子から滑り落ちる ・熱い物を触る ・熱い物をこぼす

・火を消し忘れる ・火の調節をしない ・刃物を使うときに力の調節ができない

・刃物を使うときに、物を固定するほうの手を置く位置が悪い

・嚥下機能が悪いのに一気に食べる ・食べ物でない物を食べる

認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P57

が挙げられます。

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作業遂行観察のポイント③動きの滑らかさ

作業遂行の際の、手足、体の滑らかさを観察していきます。滑らかでない場合、遂行完了に時間がかかったり、努力的になってしまいます。また仕上がりの質も不十分となりやすいです。
観察のポイントとしては

・指の動きが拙劣 ・力加減が不適切 ・力を加える方向が誤っている

・動きが緩慢 ・動きが速すぎる ・物の固定が不十分

・物を持つと手が震える ・立ち座りが困難 ・歩行が不安定

認知症をもつ人への作業療法アプローチー視点・プロセス・理論ー P58

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買い物の支援に必要な観察評価(作業遂行分析)と評価項目

 

認知・心理面運動面
買い物準備1.献立
□献立を決めることができる□献立に合った材料を決めることができる
□冷蔵庫の食品を確認し、必要な材料を決めることができる

 

2.買い物計画立案
□チラシから購入予定食品を探すことができる
□各食品の金額を理解できる
□合計金額を算出できる
□消費税を入れた金額を理解できる
□支払いにどの額の紙幣が何枚、どの額の通貨が何枚必要かを理解できる
□コンビニ等の訪問販売会社に電話注文ができる

1.屋外移動
□近隣のスーパーまで移動できる(公共交通機関、自家用車、電動車椅子、歩行)
□移動販売所まで移動できる
買い物中1. 売り場の空間認識
□なじみのスーパーのレイアウトがわかる(スーパー内で迷わない)
□セクションの文字表示が理解できる(野菜、肉、魚、調味料など)2. 食品の表示についての理解
□各商品の値段がわかる

□ 各商品の賞味期限及び消費期限がわかる

3. 購入の選定と判断

□ 買い物計画の商品を想起できる。またはメモを確認できる
□同じ商品を複数買う場合の合計金額がわかる
□買い物かごの合計金額が所持金学内であることを確認できる
□合計金額が所持金額を上回った場合、何を諦めれば良いか選択できる
□商品を持ち出さない、袋を開けないなどが理解できる

4. 店員とのコミュニケーション
□商品の場所を尋ねる事ができる
□商品の内容について質問できる(例.産地や賞味期限、調理方法など)

5. 支払い
□レジに並んで待つことができる
□表示された金額に見合う紙幣を出せる
□おつりの計算ができる
□買い物袋に詰める場所や作業がわかる

1. 応用的歩行能力
□買い物かごを持って歩行できる
□ショッピングカートを押して歩行できる
□他の買い物客と接触せずに歩行できる2. 商品を選定する時

□ 商品を選定する時にバランスを崩さない
□商品を掴み、買い物かごに入れることができる

3.支払い
□レジカウンターに買い物かごを置くことができる
□財布を取り出すことができる
□財布を開封できる
□紙幣や貨幣を出すことができる
□買い物かごに商品を入れることができる

平成27年度厚生労働省科学研究費補助金 (長寿科学総合研究事業)「生活行為障害の分析に基づく認知症リハビリテーションの標準化に関する研究」分担研究報告書「疾患別認知機能とADL・IADL 自立度との関係及び生活行為チェックリストの作成」分担研究者 田平 隆行

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