心房粗動は、刺激伝導の興奮が心房を大きく旋回している状態です。今回、心房粗動(AFL)におけるモニター心電図に見方を確認していきたいと思います。
目次
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心房粗動は、刺激伝導の興奮が心房を大きく旋回(リエントリー)している状態です(1分間に260-340回の頻度)。
この旋回状態の中から、数回に1回の割合で刺激が伝わることで、心室が収縮します。
旋回している状態では、心房は収縮しません。
心室以下の電気興奮は適切に伝わります。
心房粗動では、心拍数は頻脈になりますが、伝導比によって異なります。
伝導比は、F波(心房粗動で見られる波形)がいくつ見られる間に1つのQRS波が見られるかを示すものです。
例えば、F波が2つ出現した後にQRS波が出現する場合、伝導比は「2:1」になります。
伝導比が「1:1」に近づくほど頻脈になります。
F波が1分間に300回の頻度で出現している場合、伝導比が「2:1」であれば心拍数は150回になります。
心臓が血液を送り出すポンプ機能が低下すると、脱力感や動悸、息切れなどが起こります。
これらの症状は発作的に出現することが多いので、注意が必要です。
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心房粗動の病態は前途しました。
それらを整理すると、モニター心電図上では以下のような特徴が現れます。
・刺激伝導の興奮が心房を大きく旋回(リエントリー)している
・旋回している状態では、心房は収縮しない
→P波なし
F波(ノコギリの刃の様な波形)が出現
*F波は、電極に対し心房筋の興奮が近づいたり遠ざかったりすることにより生じる波形
・旋回状態の中から、数回に1回の割合で刺激が伝わる
→RR間隔は一定
F波の周期の整数倍
*伝導比が一定でない場合、RR間隔は一定にはならない
・心室以下の電気興奮は適切に伝わる
→QRS波は正常波形、あるいは周囲と同様の波形
心房粗動で見られるモニター心電図の波形は、基本的には以下のようなものになります。