痛みに対する破局的思考の程度を測定する評価方法として、Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版があります。今回、その概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版の概要と使用方法、結果の解釈

文献

松岡 紘史ら「痛みの認知面の評価 : Pain Catastrophizing Scale日本語版の作成と信頼性および妥当性の検討」心身医学 47(2), 95-102, 2007

破局的思考とは

慢性疼痛が維持する要因の代表的な認知的要因として、痛みの経験をネガティブにとらえる傾向の「破局的思考」があります。
破局的思考の傾向が強い場合、痛みの強さは増し、様々な障害が生じるとされています。
身体機能の障害と破局的思考の生活障害への影響を比較すると、破局的思考の影響の方が強いとの報告もあります。
慢性疼痛は、破局的思考の減少に伴い症状が改善することが報告されています。

破局的思考は、「反すう」「拡大視」「無力感」からなります。
反すう:破局的思考が頭から離れない
拡大視:実際の痛みより大きな問題としてとらえる
無力感:痛みに対して自分でできることができないように感じる

 

Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版の概要

Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版は13項目からなり、普段痛みを感じている自分の状態にどれくらい当てはまるかを各項目に対し、
0:全く当てはまらない
1:あまり当てはまらない
2:どちらともいえない
3:少し当てはまる
4:非常にあてはまる
の5件法で測定します。

痛みに対する評価法については、以下の記事も参照してください。
痛みの評価尺度:日本語版SF–MPQ–2の概要と評価方法、結果の解釈

痛みに対する自己効力感の評価:PSEQ日本語版の概要と評価方法、結果の解釈

痛みの対処方略の尺度:CSQ日本語版の概要と評価方法、結果の解釈

痛みの評価ー面接での注意点から評価バッテリーの用い方までー

神経障害性疼痛の評価:NPSIの概要と評価方法、結果の解釈

頸部痛の評価:NDI日本語版の概要と評価方法、結果の解釈

身体症状による負担感の評価:SSS‒8の概要と評価方法、結果の解釈

恐怖回避思考の評価:FABQ日本語版(身体活動に関するスケール)の概要と評価方法、結果の解釈

Keele STarT Backスクリーニングツール日本語版の概要と評価方法、結果の解釈

恐怖回避思考チエック表「TSK-11-J」の概要と評価方法、結果の解釈

慢性腰痛患者のADL障害の評価:ODIの概要と評価方法、結果の解釈

腰痛による生活障害の評価尺度:RDQ日本語版の概要と価方法、結果の解釈

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Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版の使用方法

1.痛みが消えるかどうか、ずっと気にしている
2.もう何もできないと感じる
3.痛みはひどく、決してよくならないと感じる
4.痛みは恐ろしく、痛みに圧倒されると思う
5.これ以上耐えられないと感じる
6.痛みがひどくなるのではないかと怖くなる
7.他の痛みについて考える
8.痛みが消えることを強く望んでいる
9.痛みについて考えないようにすることはできない
10.どれほど痛むかということばかり考えてしまう
11.痛みが止まって欲しいということばかりを考えてしまう
12.痛みを弱めるために私ができることは何もない
13.何かひどい事が起こるのではないかと思う

Pain Catastrophizing Scale(PCS) 日本語版の結果の解釈

反すう:1、8、9、10、11
無力感:2、3、4、5、12
拡大視:6、7、13
に質問は分ける事ができます。
点数が高いことは、より破局的思考の傾向が強いことを表します。

PCSを用いることで、リハビリテーションアプローチの経時的変化を追うことが可能です。
手術前や手術後に評価を行い、破局的思考の傾向が高い場合、患者に痛みに対する対処法などの教育により、苦痛の軽減に役立てることが可能になります。

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