痛みの対処方略の尺度として、CSQ(Coping Strategy Questionnaire)日本語版があります。今回、CSQ日本語版の概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

痛みの対処方略の尺度:CSQ日本語版の概要と評価方法、結果の解釈 

文献

大竹 恵子ら「痛みの経験とその対処方略」女性学評論 16, 143-157, 2002-03

CSQ日本語版の概要

1983年にRosenstiel&Keefeにより、痛みの対処方略としてCSQという質問紙を開発し尺度化したものです。
CSQ日本語版は、認知的方略6因子と行動的方略2因子の計8因子があります。
各因子に2項目の質問があり、計16項目で構成されます。
回答方法は、質問項目に対する方略を、全く取り入れない「全くしない(0 点)」から、いつも取り入れる「いつもする (6 点)」までの 7 段階となっており、得点が高いほどその対処方略を取り入れていることを示しています。

 

CSQ日本語版の概要と評価方法

まったくしない(0点)
ほとんどしない(1点)
あまりしない(2点) 
ときどきする(3点) 
少しする(4点)
だいたいする(5点) 
いつもする(6点)

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認知的対処方略
願望思考(Praying or Hoping: PH): 
・痛みが持続しないように祈る
・早く痛みがなくなるようにと願う

破滅思考:(Catastrophizing: CA)
・もうだめだと思う
・どうすることもできないと悲劇的に思う

自己教示(Co ping Self-statement: CS ):
・自分自身を励ますこと
・何とか頑張れると自分に言い聞かせる

注意の転換(Dive rting Attention: DA ):
・気持が落ち着くように何か別のことをして注意をそらす
・何か別のことを考えたり、頭に思い描いたりして気を紛らす

思考回避(Re interpreting Pain Sensation: RP):
・あたかも痛みの感覚がないかのように考える
・痛みを否定し無視する

無視(Ignoring Pain Se nsations: IG ):
・痛みを意識しないようにする
・痛みがないと自分に言い聞かせる

行動的対処方略
痛み行動の活性化 (除痛行動)(Increasing Activity: IA):
・気を紛らわすために何か行動する
・注意をそらすために体を動かすなどの活動をする

他の行動の活性 化(医薬行動)」(Pa in Behavior: PB):
・薬にたよる
・医療機関に行く

CSQ日本語版の結果の解釈

痛みの程度が強いほど、破滅思考の対処方略を行い、自己教示法は行わないとされています。
痛みの程度や頻度が高いと、うつ傾向が強くなるとされています。
痛み刺激は無力感やうつ状態を生じさせる可能性が高い回避的な対処行動を行うことが示されています。
これは、何かに立ち向かうような対処方略は取らない特徴があるといえます。

痛みに対する対処方略は精神的な健康状態だけではなく、その対処方略によってその人の認知が影響を受けていることが予測される。また、痛みそのものが、非常に大きな認知的な影響を受けており、痛みをどうとらえるかというその人の認知と対処方略、うつなどの精神的健康は、相互に関連しあっていると考えられる。

大竹 恵子ら「痛みの経験とその対処方略」

このことから、痛みの認知を変容させ、痛みに適応した行動をとれるようにアプローチすることは、リハビリテーションにとって求められるアプローチになります。

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