身体症状による負担感の評価として、Somatic Symptom Scale‒8(SSS‒8)があります。今回、その概要と評価方法、結果の解釈について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 SSS‒8の概要と評価方法、結果の解釈

文献

松平 浩ら「日本語版 Somatic Symptom Scale‒8 (SSS‒8[身体症状スケール])の開発―言語的妥当性を担保した翻訳版の作成―」Vol. 56 No. 9. 2016 心身医

松平 浩「高齢者と慢性運動器痛 (4) 非特異的腰痛のマネジメント」

https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/pdf/10h27gyosekisyu.pdf

運動器の不具合と脳機能の不具合による痛み

非特異的腰痛では、運動器と脳の両方の機能不全が関係しているとされています。

「不良姿勢に伴うメカニカル・ストレスが、運動器(脊椎)の不具合(椎間板内や椎間関節の微小な不適合とこれらに伴う軽微な炎症、背筋の筋緊張・ 阻血など)をもたらし、心理社会的ストレスが、脳辺縁系でのドパミンオピオイドシステムの異常といった脳(中枢性)機能の不具合を起こすことがある。
脳機能の不具合の反応・結果として、抑うつや自律神経失調に伴う身体化 (反応性の筋攣縮や局所の阻血、腰痛はその一症状)が現れやすくなる。加えて、下行性疼痛調節系の機能異常および中枢性感作(痛覚過敏 )の状態に発展しうる。

高齢者と慢性運動器痛 (4) 非特異的腰痛のマネジメント

運動器による不具合の特徴は、姿勢・動作と腰痛との関係性が明確かつ一貫性があること、全く痛くない姿勢が必ずあることが挙げられます。
一方、脳による不具合の特徴は、普通そんな痛くないだろうという刺激で、すごく痛がること、身体化を疑う身体症状が複数あり、あちこち痛いことが挙げられます。

 

SSS‒8の概要

SSS‒8は、広範囲な痛みを含む身体化の程度を簡便にスクリーニングできる評価方法です。
自記式質問票で、Patient Health Questionnaire‒15(PHQ‒15)の短縮版として、開発されました。
SSS-8は、最近1週間の体の問題(①胃腸の不調 ②腰背部痛 ③ 四肢・関節の痛み ④頭痛 ⑤胸痛または息切れ ⑥めまい ⑦疲労感 ⑧睡眠障害)について、どの程度悩まされたかを5 段階評価で問う質問票です。

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SSS‒8の評価方法

0:ぜんぜん悩まされていない
1:わずかに悩まされている
2:少し悩まされている
3:かなり悩まされている
4:とても悩まされている

設問項目
1.胃腸の不調 
2.背中,または腰の痛み
3.腕,脚,または関節の痛み
4.頭痛
5.胸の痛み,または息切れ
6.めまい
7.疲れている,または元気が出ない
8.睡眠に支障がある

SSS‒8の結果の解釈

合計得点を算出し、16点以上は脳機能の不具合が関与している可能性が高いと判断します。

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