肩がこっている、首が回りにくいなどの症状は、現代人にとってはもはや持病ともいえるかもしれません。肩に関する筋肉と首がまわりにくいのには関係があります。今回、首がまわらない時のセルフストレッチの方法と肩こりとの関係について、まとめていきたいと思います。
目次
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ある筋肉が硬くなったり、本来の持っているはずの長さより短くなると、筋肉はその範囲でしか活動ができなくなってしまいます。
すると、その筋肉は常時短くなった方向への動きが優位になります。
同じ方向への活動が続いていると、筋肉は過負荷の状態となります。
筋肉(正確には筋節)は収縮する際にはアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが結合し、弛緩する時には離れます。筋肉の過負荷の状態では、この連結が離れず、収縮したままになってしまうのです。
そのような状態では、過敏性物質(内因性発痛物質)が筋細胞外に出され、痛みを引き起こす原因となります。
また筋から痛覚の活動電位が交感神経の活動を高めることで部分的に筋肉の血流低下(虚血)を引き起こします。
肩こり筋としてポピュラーな僧帽筋などにおいて、筋が短い状態が持続的に起こることで血液の流れが悪くなるのが、いわゆる肩こりの状態です。
硬さや短い状態の筋肉に対しての対処としては、血流の改善と、筋肉の柔軟性を取り戻し、短くなっている筋を本来の長さに戻すことが重要になります。
治療には様々なものがありますが、ここではストレッチについて考えていきたいと思います。
ストレッチは普段から馴染みのある言葉ですが、ストレッチを行うことにより、筋の伸展性を増加させることが目的となります。
筋の伸展性が増加するためには、筋の伸びやすさに変化が出ること、筋節が増加すること、筋にリラクセーションが得られることで達成されます。
ストレッチにより短くなった筋を引き伸ばし筋肉の柔軟性を得させ、その後の血流改善効果により筋肉の硬さ(コリ)を正常に近づけます。
そのことが筋肉の伸展性を増大させる要因になります。
しかし、一時的に筋肉の伸びやすさに変化が出ても、それは持続しないことがほとんどです。
筋のリラクセーションを得るためには伸張反射が出ないような、ゆっくりと筋肉を伸ばしていく静的ストレッチが有効です。
伸張反射とは筋が伸ばされた時の刺激が脊髄の運動神経に伝達され、筋収縮が起こる反射をいいます。
静的ストレッチではゴルジ腱器官が関与するⅠb抑制(自己抑制)により反射的に筋が弛緩することで、リラクセーションが図れます。
静的ストレッッチを行うと筋肉だけではなく、関節包、腱、皮膚なども伸ばされることになります。
筋の伸展性を増加させる静的ストレッチのポイントは、低い強度で長い時間かけて行うストレッチになります。
健康的であるが関節の可動範囲が小さくなっている方は、静的ストレッチにより可動範囲の改善が期待できます。
先ほど説明した、Ⅰb抑制(自己抑制)により筋の弛緩が得られ、筋の伸びやすさに変化が出るまでは10秒〜20秒必要とされています。
30秒〜60秒保った場合、緊張力における伸張反射の効果は低くなります。
このことから、関節の可動範囲を最大限拡大しながら、その持続時間を長くするには、60秒間を目安に反復する静的ストレッチが有効になります。
健康的な方の場合、1週間で最低2回は静的ストレッッチを行う必要があり、筋などの軟部組織に障害がある場合においては1週間で2回以上のストレッチが必要になります。
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筋肉が硬い状態というのは、筋肉の伸び具合(伸張性)が低下している状態です。
このような状態を、「筋短縮」と言います。
筋肉が硬くなるのには、関節を動かさないことや、運動不足などの影響が考えられます。
例えば五十肩のような場合、肩を上げた時に痛みが生じますが、痛みが生じると、それ以上に肩を上げることは苦痛になるため、関節を動かさない範囲が出てきます。
筋肉は関節が動く範囲でしか伸び縮みしないため、通常の関節可動域で伸び縮みするはずの伸張性がなくなってしまうことになります。
筋肉を押して痛みがある状態のことを、「圧痛がある」と言います。
これは肩こりがあるときなどに、肩の筋肉を指で押すと痛みを感じると思います。
まさにそれです。
では圧痛はどのようなメカニズムで生じるのでしょうか。
反射のシステムが関与するのですが、なんらかの要因により痛み刺激があると、それが交感神経に伝達されます。
交感神経が促通されると血管を収縮させ、血液の流れが低下します。
また、運動神経に伝達されると、筋肉の攣縮を生じさせます。筋攣縮では、常に筋緊張が高くなっている状態です。
筋攣縮が生じると、筋肉の中にある血管の血流が低下し(虚血状態)、筋肉に栄養が供給されなくなります。
すると筋組織は壊れ、結果として発痛物質が出現し、これが筋肉を押したときの圧痛を生じさせます。
筋の伸張性が低い状態では筋肉組織自体は安定しているため、圧痛は見られにくいという特徴があります。
今までの話から、圧痛がある状態というのは、筋攣縮がある可能性が高いということがわかります。
筋攣縮がある状態でストレッチを行うとどうなるでしょう。
筋攣縮では筋肉は常に(筋肉が縮む、伸びる位置どちらでも)緊張しているわけですから、伸張性を出そうといきなりストレッチを行うと痛みが生じやすくなってしまいます。
ストレッチで痛みを生じさせてしまうと、その痛みがさらに攣縮を引き起こしてしまいます。
これでは悪循環になりますから、まずは筋攣縮をとることがアプローチの順序としては最初に行うことが大切です。
筋攣縮をとるには、筋肉の収縮-伸張位を弱い力(自動運動)で繰り返すことが有効だとされています。
これは、自動運動で筋肉を収縮させることにより血管を圧迫し、弛緩させることにより血管を拡張させます。
これにより血液の流れが改善され、発痛物質を除去排出させることができると考えられているためです。
圧痛がなかったとしても、筋緊張が高い筋肉に対しては最初にリラクゼーションをかけることが重要ではないかと考えます。
新品の粘土を想像してください。最初は中々伸びにくいですよね。
粘土をこねていく中で、徐々に柔らかさも出てくるものです。
筋肉の緊張が高い状態では、ストレッチの肢位にもっていってもなかなか伸張性が得られません。
はじめに筋肉を少しでもリラックスさせてあげることで、ストレッチの効果が高まるといえます。
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低周波治療器を知るには、まず低周波電気とは何かを知る必要があります。
人の体には、心臓、脳、筋肉など様々な部分に自分では感じることのない非常に弱い低周波電気が流れています。
この低周波電気のことを「生体電気」呼び、体の正常な機能を維持していく上ではかかせないものとなっています。
この生体電気に異常が起こってくると、身体のあらゆる部分に異常が起こってくるのです。
低周波電気(電流は)+極から入り−極に流れる性質があります。
一般的に+極には神経を興奮させることにより麻痺した神経や筋肉の働きを活性化させる作用があります。
一般的に−極には神経の働きを抑える鎮痛作用があります。
周波数とは、1秒間に何回電気が加わるかを示す値で、Hz(ヘルツ)という値を用います。
例えば1秒間に3回電気刺激が加わる場合は3Hzとなります。
一般的に、低い周波数では慢性的なこりやしびれの症状に有効とされており、痛みを抑える物質の分泌や、血行を促進する効果が期待できます。
高い周波数では急性期の痛みに有効で、痛みの伝達を即時的に遮断する効果が期待できます。
低周波の電気刺激が筋肉に流れると、筋肉の収縮と弛緩作用が起きます。
筋肉が収縮弛緩することにより筋肉はポンプのように動き、弛緩した時に血液が送り込まれ、収縮した時には老廃物を含む血液が送り出されます。
この働きが繰り返し起こることで、血液循環が良くなり血行が良くなっていきます。
また痛みのある部位に低周波電気が流れると、痛みの伝達機能に働きかけ、脳に痛みが伝わりにくくなるといわれています。
オムロンのエルパレスHV–F125です。
機能がシンプルで強さ調整も簡単です。
脳卒中片麻痺がある方への運動麻痺改善にも利用しています(脳卒中の方は医師の指示を仰いでください)。
私が低周波治療器の優れていると感じる点は、筋肉の収縮と弛緩を繰り返せる点にあると考えています。
筋肉は収縮と弛緩(筋肉が一番短くなることと一番短くなること)を繰り返すことで勝手にその緊張から緩んでくれる作用があるからです。
低周波治療器を使用すると最大の収縮位置と弛緩位置に持っていくことはできないですが、ある程度の収縮弛緩位置を繰り返すことで緊張の軽減が期待できます。
また低周波治療器は基本的にパッドを装着しているだけで良いので、動く気もおきないくらいに辛い時などにはもってこいのグッズだと思います。
寝ながら、テレビを見ながら、音楽を聴きながら…リラックスしながら筋肉の緊張をコントロールできる点においても優れている点になります。
エルパレスHV–F125を想定した説明になります。
モードは「おす」、強さは8〜10(使用する人により感じ方が異なるので、痛みのない、嫌な感じがない範囲で、筋肉が縮んで緩まることを感じられる強さにしてください)。
「おす」モードは、筋肉の収縮時間を長くできることが特徴になります。時間は15分程度がオススメです。
基本的に背骨を中心にして左右対象に貼り付けます。
今回、低周波のパッドが張りやすく、かつ肩こりの原因になりやすい部位を取り上げ説明していきたいと思います。
①僧帽筋
肩こりにおいてもっともポピュラーな部位です。
(出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方)
②棘下筋
この筋肉が緊張していると肩関節回旋の動きに制限が出ることがあります。
(出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方)
③肩甲挙筋
肩甲骨を吊り下げている筋肉であり、肩こりの原因になりやすい筋肉です。
(出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方)
④大胸筋
この筋肉の緊張は猫背の原因となりやすいです。猫背になると肩周囲の筋肉に負担がかかり肩こりの原因となります。
肩こりに対する低周波治療器使用の利点は、筋肉の収縮弛緩を繰り返す中で筋肉の緊張を調整できることにあります。
低周波治療器の設定として、「おす」モード、強さは8〜10、時間は一つの筋肉に対し15分程度です。
パッドの貼り付け部位は背骨を中心にして左右対称に貼り付けます。
筋肉は「僧帽筋」「棘下筋」「肩甲挙筋」「大胸筋」になります。
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写真を確認すると見たことがある方もいるかと思います。
持ち手があり、柄が長いため手の届きにくいところまで届かせることができます。
かゆいところに手の届く、孫の手の肩こり解消版といったところです。
自分で強弱も調整できるため痛みに敏感な方でも使用できます。
凝り固まっている筋肉をほぐすとどうしても痛みは感じます。
かなり痛みが強い場合には、自分で行うことに恐怖感や不安感を覚える方もいるかと思います。
しかし、自分で行うぶんには痛み刺激の調整は可能ですから、指圧器を使って筋肉を傷つけてしまうことはまずないと考えて良いでしょう。
そこで「気持ちの良い痛み」を目安にします。
全然痛くない状態を10として、我慢できないほど激しい痛みを10とします。
そのなかの7〜8程度の痛みを目安に指圧器を使用します。
指圧をしていると最初は痛いですが、だんだんと痛みは少なくなってきます。
よく「痛みに慣れてきた」ということを聞きますが、実際には痛みを緩和する物質(エンドルフィン)を含んだ血液が筋肉に行き渡るためです。
指圧時間は10秒程度で行い、頻度は1日10回程度、痛みの目安は2〜3になるまで行うと良いです。
一度にこのレベルになることは難しいので、地道に行いましょう。
指圧器は、手の届きにくい所をほぐすのに大変便利です。
肩こりを引き起こすポイント決まっています。押す強さは「気持ちよい痛み」で、10段階中7〜8を目安にします。
指圧は10秒程度で1日10回程度行い、痛みが2〜3になるまで地道に繰り返します。
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首が回らない(頸部回旋)の原因として、一般的には胸鎖乳突筋、斜角筋、頸部周囲の筋、僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋などがあります。
その中でも、肩こりと大きく関係するのが、僧帽筋上部繊維や肩甲挙筋になります。
僧帽筋上部繊維は、肩甲骨が固定されていると、反対側に首を回す作用を有しています。
肩甲挙筋は、肩甲骨が固定されていると、同側の首を回す作用を有しています。
この作用から考えると、首を右に回すのに制限がある場合は、右の僧帽筋上部繊維もしくは左の肩甲挙筋が犯人の可能性が高いといえます。
また、首を左に回すのに制限がある場合は、左の僧帽筋上部繊維もしくは右の肩甲挙筋が犯人の可能性が高いといえます。
いままでの説明から言えることは、肩こりに関係している筋肉(僧帽筋上部繊維や肩甲挙筋)が過緊張状態にあると、肩こりだけでなく首の回旋制限も引き起こしてしまうことがわかります。
先ほど首を回いにくい原因として、僧帽筋上部繊維あるいは僧帽筋下部繊維のどちらかが犯人である可能性が高いことを説明しました。
次に、最終的な犯人を絞っていくために、肩甲骨の動きを使っていきます。
僧帽筋上部繊維は、その走行から肩甲骨を上方回旋させる作用を有しています。
そのため、肩甲骨を上方回旋させておくことで、僧帽筋上部繊維にゆるみを作ることができます。
肩甲挙筋は、その走行から肩甲骨を下方回旋させる作用を有しています。
そのため、肩甲骨を下方回旋させておくことで肩甲挙筋にゆるみを作ることができます。
例えば右に首が回りにくいとします。
その時、考えられる制限としては右の僧帽筋上部繊維もしくは左の肩甲挙筋です。
僧帽筋の緩みを作るには手を頭の上に置くようにすることで肩甲骨は上方回旋しますから、そのまま首を
右に回して、回りやすくなれば犯人は右の僧帽筋上部繊維となります。
肩甲挙筋の緩みを作るには腕を背中の後ろにもっていくことで肩甲骨は下方回旋しますから、そのまま首を右に回して、回りやすくなれば犯人は左の肩甲挙筋となります。
犯人探しが終えれば、あとはストレッチをすることで筋肉の伸張性を獲得していきます。
説明してきているので、右の僧帽筋上部繊維と左の肩甲挙筋を想定して説明していきます。
①首は前、左に倒し、右に回します(頸部前屈、左側屈、右回旋)。
②肩甲骨は下方回旋させるために、腕を背中の後ろに持っていきます。
*このとき、肩が上がらないようにすることがポイントです。
そのまま10秒程度ストレッチをします。
①首は前、右に倒し、右に回します。
*肩甲骨を上方回旋させたいのですが、腕を上げると肩甲骨が挙上してしまうので、腕の動きは伴わずに実施します。
そのまま10秒程度ストレッチをします。
あまりにガチガチの状態の場合、ストレッチを行ってもあまり柔軟性が改善しないことも予想されます。
そのような時には、あらかじめマッサージを行ってからストレッチを行うことで柔軟性が得やすくなるかもしれません。
僧帽筋上部繊維や肩甲挙筋の柔軟性を出しても頸部の回旋制限が取れない場合、最初に挙げた筋肉(胸鎖乳突筋や斜角筋、頸部周囲筋)の柔軟性を出す必要があります。
頚椎に疾患を有している方はこの限りではありません。
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なで肩は、両方の肩峰が下制位となっている状態です。
僧帽筋上部繊維は延長(ゆるみ)されており、肩甲骨は下方回旋位をとります。
肩甲挙筋、小菱形筋は過剰収縮(短縮位)となり肩甲骨上角は挙上位をとります。
なで肩に対しては短縮位である肩甲挙筋のストレッチを実施し、延長位をとっている僧帽筋上部繊維に対しては収縮を促すトレーニングを実施します。
肩甲挙筋のストレッチ(座位)(右)
①右手は椅子の斜め後方をつかんでおきます。
②首を左に倒し、左に回す(鼻を肩に近づける)ことで肩甲挙筋をストレッチします。
1分程度ストレッチを行い、15秒休憩するサイクルを3セット程度行います。
*左手を頭部に乗せるとストレッチ効果が高まりますが、強く押さえすぎると首を痛める危険があるため注意が必要です。
*体が左に倒れないように右手でしっかりとバランスをとる必要があります。
*僧帽筋下部繊維の筋力トレーニング効果を高めるためにも初めにこのストレッチを行います。
肩甲挙筋のストレッチ(四つ這い)
①四つ這いをとり、下腹部を引き込み(へこませ)、おへそを背中の方に引き寄せます。
*腰椎が過剰に屈曲しないようにします。
②手で床を押すことで、前鋸筋を収縮させ、肩甲骨を外転・上方回旋位とします。
③そのままの姿勢で顎を引いてから首を曲げます。
④首を曲げた状態から首を左に回すと右の肩甲挙筋のストレッチが行えます。
⑤反対(右)に首を回すと左の肩甲挙筋のストレッチが行えます。
*ストレッチは20秒程度行い、15秒程度リラックスするのを2セットは行います。
*ストレッチ中は息を止めないようにします。
僧帽筋上部繊維に対しては筋力トレーニングを行います。
肩甲骨は上方回旋位とし、肩甲挙筋を延長位にすることでその働きを抑制します。
①両上肢を挙上(肩外転、外旋90°)します。
②両肩甲骨、上肢を同時に挙上し、僧帽筋上部繊維の収縮を促します。
*挙上した位置で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*トレーニングの際は肩甲骨と上肢の連動した動きを意識し、腹部は力を入れて行います。
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いかり肩はすくめ肩とも呼ばれており、肩甲骨が挙上位にある状態です。
肩甲骨挙上位は僧帽筋上部繊維と肩甲挙筋が短縮位(過緊張状態)にあり、僧帽筋下部繊維が延長位(ゆるみ)となっています。
このような状態の肩に対しては、僧帽筋上部繊維と肩甲挙筋のストレッチにより筋の伸張性を獲得し、僧帽筋下部のエクササイズにより筋収縮を促していく必要があります。
エクササイズのポイントとしては、初めに僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋のストレッチを行うことが重要です。
これは、両筋の伸張性が不足していると、僧帽筋下部繊維の筋力トレーニングの効果が低くなるためです。
①右手は椅子の斜め後方をつかんでおきます。
②首を左に倒し、右に回す(左耳が肩より前に出るように)ことで僧帽筋上部繊維をストレッチします。
1分程度ストレッチを行い、15秒休憩するサイクルを3セット程度行います。
*左手を頭部に乗せるとストレッチ効果が高まりますが、強く押さえすぎると首を痛める危険があるため注意が必要です。
*体が左に倒れないように右手でしっかりとバランスをとる必要があります。
*僧帽筋下部繊維の筋力トレーニング効果を高めるためにも初めにこのストレッチを行います。
肩甲挙筋のストレッチ(左)
①右手は椅子の斜め後方をつかんでおきます。
②首を左に倒し、左に回す(鼻を肩に近づける)ことで肩甲挙筋をストレッチします。
1分程度ストレッチを行い、15秒休憩するサイクルを3セット程度行います。
*左手を頭部に乗せるとストレッチ効果が高まりますが、強く押さえすぎると首を痛める危険があるため注意が必要です。
*体が左に倒れないように右手でしっかりとバランスをとる必要があります。
*僧帽筋下部繊維の筋力トレーニング効果を高めるためにも初めにこのストレッチを行います。
いかり肩では僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋は短縮し、僧帽筋下部繊維は延長しています。
上肢を挙上位とすることで肩甲骨を上方回旋させ、肩甲挙筋を伸張させるとその働きが抑制した状態で僧
帽筋下部繊維をトレーニングすることが可能です。
①両上肢を挙上(肩外転、外旋90°)します。
②肩甲骨の下制・挙上を行い、僧帽筋下部の収縮を促します。
下制位で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*このトレーニングでは、僧帽筋下部繊維の働きにより肩甲骨下制・内転・後傾させ、大胸筋・小胸筋・広背筋のストレッチも行えます。
立位での僧帽筋下部トレーニング
肩関節屈曲の最終域では僧帽筋下部繊維が作用して肩甲骨の下制・内転・後傾がわずかに確認できます。
大胸筋・小胸筋・広背筋が短縮(過緊張)状態だと、肩甲骨の動きが制限されます。
①上肢挙上160°程度で外旋位にて手の甲を壁に接触させます。
②そこから手の甲を壁から離します。
*離した位置で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*トレーニングの際は肩甲骨と上肢の連動した動きを意識し、腹部は力を入れて行います。
*このトレーニングでは、僧帽筋下部繊維の働きにより肩甲骨下制・内転・後傾させ、大胸筋・小胸筋・広背筋のストレッチも行えます。
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肩甲骨がしっかりと動いていると、血流が良くなるだけでなく、肩周囲の筋肉の代謝量も上がるので、最近よく美容関係でも肩甲骨の重要性が説かれています。
肩甲骨の動きは上、下、横(内、外)斜め上、斜め下と様々な方向に動きがあります。
自分で意識して全ての方向に個別に動かすことは難しいため、ある動きをすることで勝手に全ての方向に動かすことができる体操を紹介します。
参考書籍
宗形テクニック 痛みに効くセルフコントロール術
自分でできる痛み対策が書かれている専門書です。
手順
①両手を前に出し、手のひらを合わせます。そのまま真上まで両腕を挙げます。
②手のひらを返します。
③そのまま腕を真横から下ろしていきます。このとき肩甲骨が背骨に近づいていくイメージで内側に寄せます。
④下ろした腕が体の横についたら、その位置で数秒間キープします。
⑤腕を最後まで下ろします。
具体的な回数はないですが、自分の姿勢が良くなるのを目安にしてもよいかもしれません。
なんらかの影響でこの肢位をとれない場合は
①両肩を上に挙げます。
②肩甲骨を内側に寄せながら下ろしていきます。
この動作で行うとよいでしょう。
普段の姿勢で肩が前に出ているような方は、この運動を通して、肩甲骨を正しい位置に近づけることで姿勢改善につなげることができます。
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頭部前方突出姿勢とは、顎を前に突き出し、頭を後ろにそらした姿勢です。
専門用語を用いると、頚椎全体の前方偏移と環椎後頭関節部の過伸展位です。
この頭部前方突出姿勢と肩こりは密接な関係性があり、ある筋肉は過緊張状態にあり、ある筋肉は筋力低下を起こし、その結果肩こり症状を感じてしまうようになります。
頭部前方突出姿勢では、過緊張になりやすい筋肉と、筋力低下を起こしやすい筋肉があります。
過緊張になりやすい筋肉は後頭下筋群、僧帽筋上部線維、肩甲挙筋、小胸筋などがあります。
筋力低下を起こしやすい筋肉には首の屈筋群である椎前筋や僧帽筋下部線維、菱形筋などがあります。
菱形筋は頚椎の過度な前方偏移を防ぐ働きを持っています。
これらのうち、過緊張状態になりやすい筋肉が肩こりの原因筋となり、ストレッチなどによって十分な筋肉の伸びやすさを再獲得する必要があり、また頭部前方突出を防ぐために筋力が低下している筋に対してはトレーニングが必要になります。
椎前筋は首を屈曲させる作用がありますが、弱化してしまうと肩こりの原因となるだけでなく、頚椎を安定して支える力も低下し不安定な状態となってしまいます。
①仰向けで寝て首の下に巻いたタオルを敷き、深呼吸することで頚部後面の筋肉をリラックスさせます。
②顎を引き、椎前筋を収縮させます。顎を引くことで敷いてあるタオルに圧がかかるのを首から感じるように心がけます。60秒を3セット行います。
頭部前方突出姿勢が見られる方は猫背(胸椎後彎)も見られます。猫背に対するトレーニングも併用することで、姿勢矯正の効果を高めていきます。
◯仰向け胸椎伸展
①仰向けで背中の下(一番丸まっている骨の部分)に丸めたタオルを置きます。
②顎を引き両手を挙げ、60秒キープを3セット行います。その際腰が浮かないように腹筋に軽く力を入れます。
*胸を突き出すようにすると脊柱起立筋へのトレーニングにもなります。
◯四つ這いからの胸そらし(大胸筋、小胸筋のストレッチを兼ねる)
①四つ這いになり、顎を引きます。
②手で床を押しながらお尻を踵に近づけます。この際腰を丸めながら、胸はそらします。60秒を3セット行います。
*腰も曲がっている人は腰椎も伸ばすようにします。
◯広背筋ストレッチ
①左右の腕を体の前で接し、両肘が離れないように挙げていきます。その際に両肘を伸ばし腕が壁と平行になるようにします。
腰は常に壁と接するようにお腹に力を入れておきます。
◯顎引き胸そらし
①背もたれなしの椅子に座り、後頭部の下にあるくぼみの部分で両手を組み、その手を上に持ち上げ顎を引くのを促します。
②両肘を後ろに引き胸を張り出し、一方腰は反らないようにお腹に力を入れておきます。60秒を3セット行います。
*腰をそらしてしまう場合には膝が股関節より高い位置にすると良いです。
◯顎引き胸そらし2
顎引き胸そらしエクササイズで、両手の助けをなしに行います。
このとき両方の肩甲骨の間を近づけるように胸を張り出すことで胸椎の脊柱起立筋、僧帽筋中部、下部線維の筋力を強化していきます。
◯肩甲骨エクササイズ
①背もたれのない椅子に座り、両腕を挙げ人差し指同士をくっつけ菱形を作ります。
②顎を引き、手のひらが前を向くように動かします。この際腰が反らないように腹筋に力をいれておきます。60秒3セット行いましょう。
このエクササイズでは僧帽筋下部線維の強化と大胸筋、小胸筋のストレッチになります。