今回、子供の摂食機能の発達について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
スポンサードサーチ
スポンサードサーチ
胎生期後半より自分の指を吸うことで、吸啜行動を練習しています。
出生後はすでに反射運動による哺乳能力があります。
吸啜は3段階をたどり変化していきます。
①新生児期
口唇を母親の乳房に圧し当てることで、口唇の不十分な閉鎖を代償します。
下と下顎をリズムよく上下させることで、口腔内を陰圧とし、乳汁を吸い出します。
子供は下顎、舌、口唇を独立して動かせず、口腔器官は一体となり動くことで哺乳が行えます。
これは反射的で自分ではコントロールできません。そのため、疲れるまで吸啜を繰り返します。
②生後2〜3ヶ月
口腔の反射活動が減少し、口腔器官が独立して動くにつれ、哺乳も随意的なコントロールが可能になってきます。
舌で吸啜できるようになると、口唇を固く閉じる必要もなくなります。
吸啜方法も変化があり、舌の前後運動を用いるサックリングという吸い方になります。
③頭部のコントロールがよくなる時期
舌が前後だけでなく、上下にコントロール可能になり、哺乳動作も口唇を閉じたまま舌を下顎から独立して上下に動かすサッキングという吸い方になります。
スポンサードサーチ
5〜6ヶ月頃から、徐々にコップから水分摂取が可能になります。
この時期はサッキングが出現していますが、コップでの飲み方では、一体運動のサックリングを用いようとします。
下顎が安定し、口唇、舌が下顎から独立して動かせるようになると、口唇ですするような飲み方が可能になります。
下顎が不安定な状態では、コップを咬む、コップを口角に強く押しつけるなどの代償運動がみられます(1歳半くらいまで)。
2歳になると下顎が安定し、下唇のみで器の縁を安定させることが可能になります。
そうなると、上唇は口に入る水分量の調節のために使うことができるようになります。
はじめは少量の水塊を嚥下できる程度で、呼吸との調節ができるようになると、連続して飲めるようになります。
また、唇に触れる飲み物の感覚からコップの角度調節が可能になり、飲み物をこぼさなくなります。
スポンサードサーチ
離乳食を食べ始める時期(5〜6ヶ月)では、哺乳時のように舌でスプーンを包み込み、前後に動かしながら食べようとします(サックリング)。
この食べ方では口唇の閉鎖の不十分さもあり、食べ物が口からはみ出します。
舌の上下運動が行えるようになるに伴い、こぼすことが減少しますが、舌の動きが下顎から独立していないため、口をパクパクと動かすような食べ方になります。
7〜8ヶ月頃では下顎がコントロールでるようになってくると、上唇を突き出して1回でうまく食べ物の取り込みが可能になります。
咀嚼の間口を閉じていられるので、舌の前後運動も抑制され食べ物をこぼさなくなります。
舌を口蓋に押し当てて圧し潰すような、舌を使った食べ方ができるようになり、「もぐもぐ」した食べ方(munching)が可能になります。
1歳近くでは、下顎、舌、口唇の独立した動きが可能になりに従い、それらを協調させることができるようになり、舌や口唇を噛むこともなくなってきます。
唇を閉じたまま下顎を上下前後左右に動かすことができ、舌も舌顎の動きから独立するため、固いものの咀嚼(Chewing)が可能になります。
スポンサードサーチ