発達障害における問題行動ひとつに、パニックがあります。今回、パニックの解決に向けた考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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問題行動は通常、子供の家庭や学校への適応を著しく困難にしているものをさします。
問題行動が、大人の都合の悪いものとして捉えられている場合もあり、詳しく状況を把握する必要があります。
成人においても、強いストレスがかかると、注意散漫や攻撃的になることがあります。
そのため、子供の場合でも、精神的な側面が反映されていることも理解しておく必要があります。
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基本的には問題の原因を探っていきます。
しかし、原因と行動が直接的に結びつかないことも多くあります。
通常〈しなくてもいいことをする〉のは、好きでやっているというより〈しなければいけないことができないので〉、している場合が多い。
したがって適切な動作が獲得されていくと、〈しなくてもいいことをする〉暇がなくなり、問題行動も減少することが考えられる。発達障害と作業療法[実践編]
対処方法には、
①問題行動が出現する原因や機序に直接アプローチする
②適応的行動を増やし、間接的に問題行動を減少させる
ことが考えられます。
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パニックは感情爆発ともいいます。
こだわり行動、他害・自傷行為、破壊行動に結びつきやすい傾向にあります。
パニックの原因には器質的なものと、心理的なもの(欲求不満不満など)があるといわれています。
周期的にパニックが出現する場合、脳機能の乱れが疑われますが、そこに心理的な問題がきっかけになることがほとんどとされています。
思考方法とも関係しており、人や物の認識が柔軟性をもつと、パニックは軽減していきます。
体調や心身のバランスが崩れると再び起こりやすくなるとされています。
言葉が使用できると、ストレスの発散を行えますが、言葉を持たない子供であれば無害なストレス発散の方法がありません。
発達障害児ではストレスを我慢できる幅が狭く、その閾値が低いために、他の人が何でもないことが恐怖になっていることも考えられます。
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思考が柔軟性をもってくると、不快に対する閾値も高まるため、普段から変化に慣れさせることも大切です。
パニックの対処では、パニックを引き起こす原因を除去するのではなく、不快な感情がパニックとして表れるべきではないことをしっかりと子供に伝えることです。
パニック中は目的が達成されないことを納得してもらいます。
そのため、パニックは静観せず、積極的に働きかけていくことが大切です。
好きな物を与えて安易にその場を抑えず、学習の機会に利用していく姿勢をとります。
小さい頃からパニックを抑制できるようにしておくことが必要になります。
身体抑制は中途半端になってしまうと、暴れると許されると誤った学習をしてしまう恐れがあります。
身体抑制では、大人は力で押さえつけるのではなく、子供が力を入れたら大人も力を入れ、子供が力を抜いたら大人も力を抜くようにします。
このようにすると、大人の意図が子供に伝わりやすくなります。
子どもの感情を無視した対応、子どもに追従した対応は、ともに子どもに「恐怖」という最も原始的な感情に押しとどめてしまう。
大人は安易に妥協して原始的な感情を誘発させてはならない。発達障害と作業療法[実践編]